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試写会にて鑑賞。
珍しくど真ん中の席をぶち当てました。
特典はポストカードでした。
絵柄のタッチは独特でしたが、そこは老舗のシンエイ動画の技術力でガンガン動かしまくっていて凄かったです。
ストーリーも何かに虜になる発展形で取り憑かれるといった言葉遊びが巧みで良かったですし、そのトリツカレを経験として活かす展開は細かな伏線回収が光っていて見応えがありました。
興味を持った事に突っ走ってしまう通称・トリツカレ男なジュゼッペが街中で出会ったペチカに取り憑かれてしい…といったラブストーリーでした。
割と早い段階で3段跳びに取り憑かれた経験が活きたり、メガネや探偵業に取り憑かれた経験が明かされたりと丁寧に進んでいくので、キャラクターのポジションや考えが伝わってきますし、基本的に良い人ばかりなのでジュゼッペも自由にやれてるなーと微笑ましく観ることができました。
相棒ポジションのネズミのシエロとチューチュー言いながら過ごしていたら言葉が分かってきたというのもめちゃくちゃ良かったです。
前半の取り憑かれ模様とは打って変わって、ペチカの想い人を探しに行こうとする後半ではテイストがかなり変わるので、ここは予想外の展開がきて驚きました。
ペチカがお世話になった人のタタンという人物を探している中、タタンは既に亡くなっていたということが明かされ、そのタタンになり切って何かできないかとタタンのフリをしながらペチカの元へ行くという行動を取り出すのですが、ここで取り憑かれの意味がより深いものになり、タタンそのものになってしまうという依存に近いものになってしまって苦しんでしまうという展開は意外性がありました。
ここでシエロが大活躍してペチカの元へ行ってくれたりするので頼もしいですし、タタンからの言葉がジュゼッペの元へ届いたりしながらというのもじんわりくるものがあって良かったです。
結果的にハッピーエンドではありますが、どこか心残りのある切なさもあったりとで、心情が分からなくなった箇所が何個かありつつも概ねまとまっていて良かったと思います。
佐野くんの声の演技は未知数でしたが、想像以上にジュゼッペにハマっており、尚且つセリフも聞き取りやすくて上手でした。
歌も上手でしたし、声色の変化もうまかったですしで、今後また他のアニメ作品にも出演機会があるんじゃないかなと思いました。
萌歌さんは未来のミライでその実力を確かに感じていたので文句なしにお上手でした。
柿澤さんは最初、下野さんかな?と思うぐらいナチュラルで、ネズミのシエロの豊かな身振り手振りにベストマッチなお声で最高でした。
今作のキャッチコピーにもあるミュージカル要素でしたが、皆々様歌が上手いだけに、ミュージカルパートは不要だったかなという印象です。
どうしても物語が止まってしまいますし、危機迫る状況で歌い出すと腰を折られたような気がして乗るに乗り切れずな展開が何度かあって惜しかったです。
絵柄で観に行こう!となる人を遠ざけてしまっているのがもったいない気もしますが、意外や意外面白い作品ではあったので良い拾い物でした。
鑑賞日 10/16
鑑賞時間 18:30〜20:08