クリスティーンのレビュー・感想・評価
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ウッディアレンとアルパチーノ
ネタの古臭さは感じるものの文句なく面白かった。多分リアルタイムで見た人も古いネタだなあと思ったに違いない。こういうネタの映画ですよというネタの伝え方が上手ですんなりと引き込まれた。
ホラーにしては脚本に十分なボリューム感があり堪能できた。主人公が小さい方から大きい方へと入れ替わって来るところとか、女が(とっても魅力的)話に絡んでくるプロセスとかがとても上手くかけていたと思う。女優は可愛らしさと清らかさとセクシーさを兼ね備えたとてもいい味を出していた。この作品はカーペンターの代表の一つだろう。
CG無しのトランスフォーム
その愛車は女性。
嫉妬もすれば人も殺す。
心を持った車、クリスティーンの異色のホラー映画。
目黒シネマの
“ジョン・カーペンター特集”
で観て来ました。
DVD持ってるのですがこれはスクリーンでしょ!
原作 スティーヴン・キング
監督 ジョン・カーペンター
とんでもねぇタッグ。
当時話題になったクリスティーンの“生きた車”感。
CGがない時代に凄すぎる。
そこの部分は未だに語り継がれる名シーン。
要は手作りのトランスフォーム。
嫉妬する車。
面白いシチュエーションですよね。
時代は感じましたが
カーペンター節が効いてるホラーでした。
キングとカーペンター
女性の意志を持った自動車、クリスティーンに魅入られた男が次第に自分自身を失い、凶暴になっていく話。
とても怖いけど、こんな車にあたったら・・・。
観てないのか忘れたので観る事にした。
さすがに名作と思われる空気を纏っている。
トロくさいアーニーがクリスティーンに魅入られて、廃車同然の車を250ドルで買ってからの変化が著しい。
クリスティーン自体から怨念めいたものは感じないが、好き嫌いは明確で製造工程から気に入らない作業員を地獄に叩き落としている。
生まれた時から呪われた車になっている。
魔性の車として魅入られた人間は性格も変わり、大勢を巻き添えにしている。
アーニーの変化は著しく、17年ずっとお利口で居たのが購入から一変、嫌がらせ(嫌がらせレベルではないが)グループを次々と始末して、果てはお気に入りの彼女にまで嫉妬して、殺そうとする。
青春ホラーと言うには、クリスティーンがキャラ立ちし過ぎている。
CGもない時代にあの超回復である。
奇妙でいて尚且つ生き生きとしたした復活を遂げるクリスティーン(笑)
古い作品ではあるが、旧作も観てなければ新作と同じ。
素直に面白かった。
カーペンター+キング
工場で作られているときから工員の不審死があった車クリスティーン。20年くらい所有していた男の家族は皆クリスティーンの車内で自殺?後半には車がボコボコにされても自己再生するんだから、変なおっさんの家に置いてあるのがボロボロなのは不自然!まぁ、人生?を終わろうと自らボロボロにしたのかもしれんな・・・クリスティーンならやりかねん。
童貞を捨てろとか、学内一の美女にアタックとか、アーニーの兄貴のような親友デニスのおかげでホラーというより青春モノの雰囲気だった前半が退屈。イジメなんかもエグすぎで、復讐されてもしょうがない奴らだっただけに、見方が変わってしまいそうだった。
それにしてもアーニー(ゴードン)の豹変ぶりが凄い!最初はウディ・アレンみたいな雰囲気だったのに、後半は同一人物とは思えないくらい。いただけないシーンはドライビングシアターでの出来事くらいかな。
男と女の暴走愛憎劇
スティーヴン・キング×ジョン・カーペンター!
ホラー小説の帝王とホラー映画の鬼才のタッグによる、超一級のホラー!
…ではなく、B級テイストなのが何だかこの2人のホラー・マスターらしい。
学校ではいじめられ、家ではママが厳しく。
冴えない高校生、アーニー。
アメフトの花形選手の友人デニスにいつも助けられてばかり。
ある日、オンボロ同然の古車を購入し…。
とにかく内気で、如何にもな童貞くんで、ドン引くくらいダサかったアーニー。
車をピカピカのカッコイイ新車のように修理して自信が付いたのか、自身も変わっていく。
眼鏡を外し、オシャレな服を着て、彼女も出来て…。
男はカッコイイ車に乗ると、こうも変わるものなのか。
ところが、いじめっこグループに車をメチャメチャに壊されてしまう。
そして、それは起こった。
車は一人でに修復。いじめっこグループに復讐を開始する。
車は、意思を持った殺人車であった…!
車が一人でに修復していくシーンは、見事な撮り方もさることながら、本当に生きているかのよう。
車体を壊しながら、車体を燃やしながら、襲い来るシーンはなかなか恐ろしい。
襲い来る前に必ずカーラジオから流れる懐メロさえ、どんどん不気味に聞こえてくる。
車を大事にする人は世の中に溢れんばかりに居るが、アーニーの場合はちょっと…いや、異常。
勿論車の呪われた何かのせいでもあるが、身も心も奪われたかのように取り憑かれていく。
“クリスティーン”と名付け、まるで恋人を愛でるかのように。
自信が付き、イカした男になっていく…とは語弊。
傲慢で、ズバリ、ヤな奴に変わっていく。(演者の演じ分けも見事)
元々、アーニーの中に溜まっていたのだろう。
いじめ、束縛、劣等感、不満、鬱憤、憎しみ…。
それらがアクセルを噴かし、遂に暴走した…!
ジャンル的にはB級かもしれないが、しっかりと人の心の闇を描いている。
その末路は…、後味悪し。
また、同時に本作は、男女の愛憎劇でもある。
男(アーニー)は現カノ(クリスティーン)を異常なまでに愛している。現カノは元カノ(リー)に敵意剥き出し。
ひょっとしたら一番怖いのは、このドロドロ関係かも。
原作とは大分脚色されているらしいが、主人公青年の復讐と殺人車に焦点を絞り、巧く纏められていると思う。
嫉妬深い愛車
気弱な主人公のアーニーがB・ホリーのようなルックスかと思いきや"The Damned"のD・ヴァニアンに様変わり!?ってか顔がソックリ。
H・D・スタントン登場!と思いきや大した活躍もせずに最後まで。
58年型プリマス・フューリーから流れるオールディーズにロックンロールと最高な演出に、相変わらず特殊効果にショボさが感じられない80年代のJ・カーペンターの手腕が凄い。
激怒(fury)の赤がやってくる
久々に、勝手にスティーヴン・キング原作特集その16!
今回は怨念の宿った車が巻き起こす恐怖を描いた
ティーンホラー『クリスティーン』を紹介。
内気で暗い高校生アーニーは、ある日目にした車に心を奪われた。
廃車同然の状態で道端に放置されていた、
真っ赤なボディの ’58年型プリマス・フューリー(fury)。
車の持ち主いわく、名前は“クリスティーン”。
自動車の整備だけには自信のあったアーニーは、
持ち主から“彼女”を250ドルで購入する。
何かに取り憑かれたかのように“彼女”の整備に
打ち込むアーニー。その日を境に、気弱だった
アーニーは段々と別人のように容姿を変え、
同時に傲慢な人間へと変わっていく。
アーニーの唯一の親友デニスはそんな彼を
心配するが、そんな折、かつてアーニーを
いじめていた不良の1人が何者かの車に
轢き殺されるという事件が起こる――。
...
特筆すべきは “クリスティーン”。
車については全く興味のない自分でも、艶やかな深紅の
ボディのクリスティーンはなかなかにステキな車に見える。
だが彼女は意思を持ち、自分の気に入らない
人間を容赦無く抹殺していく恐ろしい女。
車体をメチャクチャにグシャグシャに歪めながら、
狙った獲物を執拗に追う様子が怖い怖い。
無表情で、何を考えているのか分からないのに、
“殺意”だけは明確に伝わるというこの怖さ。
(スピルバーグ監督の『激突!』に登場する
トラックをイメージしていただきたい)
しかも、壊れても壊れても翌日にはきれいに元通り。
中盤、いよいよ本性を露にするシーンのSFXは
CG全盛の今見てもリアルでスゴい。どうやって
撮影したんだろうと首を傾げてしまう。
そうそう、気弱な男から自信に満ちた男へ変貌する
アーニーを演じたキース・ゴードンの演技もグッドだ。
...
原作との差異。
原作では、“クリスティーン”の持ち主の怨念が車と
アーニーに取り憑いたような描写になっているが、
映画での“クリスティーン”は生まれついての
邪悪な存在として描かれている感じ。
話の説明としてはその方が簡潔だが、アーニーが
変貌していく理由としては弱く感じてしまう。
だが、結局 “クリスティーン”が何者だったのか、
映画版では最後まで明確な答えが出ない。
“クリスティーン”を単純に、嫉妬に狂った女のように
描いていれば陳腐な話になってしまっていただろうが、
前述通り、彼女は“殺意” を持っていること意外は殆ど不明。
そこに『得体が知れない』という不気味さがある。
さすがはジョン・カーペンター大先生。
ただ、アーニーと友人デニスとの友情を描いた
ドラマが切なく感動的だった原作と比べると、
映画版での2人のドラマの結末は素っ気ない。
アーニーの恋人リーとの関係や、クライマックス
の展開もかなり急ぎ足で、そこはやはり残念な点。
...
なので映画版は、
“クリスティーン”の暴れっぷり壊れっぷり、そしてアーニー役
キース・ゴードンの演技等を中心に楽しめば良いかと。
ド派手な爆破シーンやクライマックスも見応え十分。
静かに不気味に終わるラストカットにもニヤリ。
騒々しいだけの演出に終始するB級ホラーとは異なる、
一定以上の出来のホラー映画になっている。
<了> ※2014.05初投稿
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余談:
ホラー映画というとティーンエイジャーが
色々と災難に遭う映画が多いワケだが、
実はキング作品でティーンエイジャーが
主人公になる例は案外少ない。パッと浮かぶ所では
『死のロングウォーク』『ハイスクール・パニック』
『ゴールデン・ボーイ』『キャリー』くらいか。
だが、どれもティーンホラーの定石に
ハマらないパワフルで面白い作品ばかりだ。
キングは作家として成功する前は高校で英語教師をして
いたそうで、その辺りの経験を活かしているのかも。
こじらせた童貞
クリスティーンという呪われた旧車に魅せられた、それまでイケてなかった高校生が、車の魔力で急にイケメンになって学園のマドンナと付き合ったりするが、彼女ほったらかしで車に夢中であきれられるという、童貞すぎて頭がおかしくなったとも取れるホラーだった。車も女も執着が強いのは恐ろしいものだとも思った。ボコボコにされた車が蘇る特撮に驚いた。
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