Dear Stranger ディア・ストレンジャー

劇場公開日:2025年9月12日

解説・あらすじ

「ディストラクション・ベイビーズ」「宮本から君へ」の真利子哲也が監督・オリジナル脚本を手がけ、「ドライブ・マイ・カー」の西島秀俊と「薄氷の殺人」のグイ・ルンメイが夫婦役で初共演した、日本・台湾・アメリカ合作によるヒューマンサスペンス。ニューヨークで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編ニューヨークロケで描き出す。

ニューヨークの大学で廃墟の研究をしている日本人助教授の夫・賢治と、人形劇団のアートディレクターとして夢を追いながら、老いた父のかわりに地域密着型ストアを切り盛りしている台湾系アメリカ人の妻・ジェーン。仕事や育児、介護に追われ余裕のない日々を過ごしていたある日、幼い息子・カイが行方不明になってしまう。警察は誘拐事件とみて、夫婦それぞれから事情を聴取する。悲劇に翻弄されるなかで、ふたりがこれまで胸に秘めてきた本音や秘密が浮かび上がり、夫婦間の溝が深まっていく。

2025年製作/138分/G/日本・台湾・アメリカ合作
配給:東映
劇場公開日:2025年9月12日

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(C)Roji Films, TOEI COMPANY, LTD.

映画レビュー

3.5 ストレス耐性が強めの方なら

2025年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

白状すると、真利子哲也監督の作風が苦手だ。身体的暴力や精神的圧迫の描写で鑑賞にストレスが長い時間伴うから。最新作「Dear Stranger ディア・ストレンジャー」ではもっぱら後者の精神的なストレスを観客に共有させるシーンが多い。もちろんストレスへの感受性と耐性は人によって異なるし、真利子監督の作風が大好きなファンも多かろう。ストレスへの耐性が強めの方なら、本作への評価も高くなるのでは。

グイ・ルンメイはお気に入りの女優で、日本を除くアジアの女優では一番好き。十代後半のデビュー作「藍色夏恋」(2002)を含む青春ものから、恋愛、アクション、ヒューマンドラマと、年齢に応じて出演作のジャンルと役柄も移り変わったが、ベルリンの金熊賞を受賞するなど高評価された「薄氷の殺人」(2014)のファム・ファタールが素晴らしすぎたせいか、以降は「鵞鳥湖の夜」そして本作と暗めの役柄が多い気がする。

ニューヨークで暮らす日本人助教授(西島秀俊)と台湾系アメリカ人の妻(グイ・ルンメイ)が一見愛し合っているようで互いに本音を隠している節があり、さらに幼い息子の失踪も相まって夫婦間のストレスが表面化し高まっていく。母国語がそれぞれ日本語、台湾語の夫婦は英語で会話しており、このコミュニケーション不和もストレスの一因に。私自身短期間ながらアメリカで過ごした経験があり、ストレスが限界を超えて母国語で悪態をつくシーンには大いに共感した。

直接的なバイオレンス描写はほぼないものの、グイ・ルンメイが大型の人形を操るシーンは本作随一のダイナミックなスペクタクルになっている。なお、10月24日に日本公開されるリュック・ベッソン製作アクション「ドライブ・クレイジー タイペイ・ミッション」でのグイ・ルンメイは、やはり幼い息子のいる妻だが天才的ドライブテクニックで台北の街を駆け抜けたり、元恋人の米国人捜査官と喧嘩したり甘い雰囲気になったりと、多彩な魅力で楽しませてくれる。好対照の2作の役柄を見比べるのも一興だろう。

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高森郁哉

4.0 思っていたより普通

2025年10月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2025年劇場鑑賞282本目。
エンドロール後映像無し。

予告のイメージから人形が生きている世界に迷い込むファンタジー要素に突入すると思っていたのですが、人形はそういう劇を劇中でする、というだけで、話自体は現実的なものでした。
息子が誘拐されてからが本題という感じで、夫婦間の問題が浮き彫りにされるというもので、そこに警察が絡んできて・・・という展開です。
まぁ色々最後に繋がる原因はあると思うのですが、結局銃が全ての元凶だと思います。アメリカでの話なのですが、日本だと起こり得ない話になっています。全編アメリカの話なので洋画だと思っていたら東映のロゴが出てきたので邦画なんだ、と分かったのですが、制作はともかくアメリカでしかこの映画は作れなかったんだろうなと納得です。
後は西島秀俊が英語でも西島秀俊だなぁと感じられて良かったです。

劇中に出てくる人形劇が人形と音楽が相まって、コメディを演じているのに妙に怖かったです。人形が無表情なのはNHKの人形劇もそうだったのに、あっちは怖くなかったのは演技の違いなのか、人形の表情が絶妙だったのか・・・。

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ガゾーサ

4.0 人格破綻の塀の上

2025年10月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

「人格破綻」というキーワードが真利子哲也作品の矜持か。その塀の上を歩いていて破綻側に大きくバランスを崩す人間を描き切ったり、また堕ちた破綻者からこれでもかと被害を被る弱者を描いたり…何れにせよ、度を過ぎた表現で我々の人間性もその都度試されてきた。さて、今回は…試されるには違いないのだが、実に洗練されているようだ。
破綻を内包しながら必死にハイソな家庭を保持する夫婦にガンバレガンバレとエールを送りながら物語は進んでいく。そして作者は、我々が同化した頃を見計らって主人公夫妻に取り返しのつかない瑕疵を作らせてしまう。ほとんど同一化していた我々の良心や誠意こそがここで問われる事になるのだ。展開としてタイミングとして実に秀逸に感じた。この瑕疵を背負って以降、バランスを崩しながら塀の上を歩いているのは我等なのだから、もう眼を離す事はできない。どんな裁断が下るのか。なんだか情緒的な人形劇さえも苛々として見ていられないのは、真利子哲也監督の思う壺なのだろうか。

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flushingmainst

3.0 理解できなかった。

2025年10月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

斬新

ドキドキ

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月光仮面