「ハリウッドスターたちの演じる壮大なコント…。トム・クルーズにはやっぱり悪役は向いてないのかも。」コラテラル たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドスターたちの演じる壮大なコント…。トム・クルーズにはやっぱり悪役は向いてないのかも。
不運にも殺し屋を乗せてしまったLAのタクシードライバー、マックスの受難を描くサスペンス・アクション。
監督は『ヒート』『インサイダー』の、名匠マイケル・マン。
冷徹な殺し屋、ヴィンセントを演じるのは『ミッション:インポッシブル』シリーズや『マイノリティ・レポート』の、レジェンド俳優トム・クルーズ。
事件に巻き込まれるタクシードライバー、マックス・ドローチャーを演じるのは『エニイ・ギブン・サンデー』『ALI アリ』の、後のオスカー俳優ジェイミー・フォックス。
ヴィンセントを追う潜入捜査官、レイ・ファニング刑事を演じるのは『死ぬまでにしたい10のこと』『13 ラブ 30』の、名優マーク・ラファロ。
ヴィンセントの依頼主である麻薬組織のボス、フェリックス・レイエス・トレレナを演じるのは『ハモンハモン』『海を飛ぶ夢』の、後のオスカー俳優ハビエル・バルデム。
冒頭の空港シーンに登場する男を演じるのは『スナッチ』『トランスポーター』のジェイソン・ステイサム。
第30回 ロサンゼルス映画批評家協会賞において、撮影賞を受賞!
トム・クルーズが悪役を演じた事でも話題を呼んだ、「コラテラル」=「巻き添え」をテーマにしたサスペンス映画…いやコメディ…というかコント?
冒頭、ジェイミー・フォックス演じるマックスとヒロインのやり取りは、彼のタクシー運転手としての能力の高さをスマートに描いており非常に良かった。
都会を鋭く切り取る映像もスマート。これから凄い映画が始まるかも!という期待にワクワクッ✨
そして、マックスの車に乗り込むトム・クルーズ演じるヴィンセント。普通ではないオーラを纏っており、これからヤバい事が起こる感じがプンプンッ!
期待は更に高まります!
…が、このヴィンセントの無能っぷりが凄い。一晩で5人殺さないといけないのに、1人目からトラブる。
マックスを脅迫して彼のタクシーを足として使うが、フロントミラーぶっ壊れたタクシーがウロウロしてたら怪しいし目立つわっ!!今すぐ乗り替えろ!!
あと無関係な人を殺しすぎ。これじゃプロの殺し屋じゃなくてテロリストでは?
マックスのお母さんのお見舞いに付き合った挙句大事なデータパクられるし、マジなんなのこの人?
なんか哲学的なことを言っているので大物に見えますが、冷静に考えると凄いダメな殺し屋ですよこのヴィンセントという男は。
彼の行動がいちいちアホくさいのでサスペンスが上手く作用しておらず、正直中盤くらいで完全にこのドラマから興味を失ってしまった。派手な事は起こっているのに退屈なんですよね…。
ただ、クラブでの乱闘からのクライマックスの展開は、トム・クルーズのアクションを堪能できたので満足っちゃ満足。
序盤でのマックスとヴィンセントの何気ない会話がラストシーンの伏線になっているのも素直に感心。…まぁ地下鉄内であれだけの銃撃戦を繰り広げたら、流石に「無関心」ではいられないと思いますが。
映画としてはお粗末ですが、ターミネーターと化したトム・クルーズを観ているのは楽しかったのでなんとか及第点といった内容でしょうか?
でもまあ、やっぱりトムに悪役は似合わないよね。たとえ役の幅が狭いと揶揄されようとも、彼にはヒーローを演じ続けて欲しい。
…最後に一言。マーク・ラファロの扱い雑すぎひん?本作最大の巻き添えは彼だったのかも。
あ!本当だ!ダメな殺し屋だったわ!笑
名だたる俳優陣で受け入れてちまったぜ!!!
それとマークラファロの扱いが雑って?……あの警官だったのか!!!!!(オールバックでヒゲかっこよかった!!!)
いろいろ気付かせてくれて、ありがとう!たなかさん!