クスノキの番人のレビュー・感想・評価
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アニメ化で魅力増した物語
物語と演出でしっとり見せるよくできた作品だ。派手さはないから、SNSで切り取りづらいのだけど、終始丁寧な日常芝居で人の心の機微をしっかりと描いていく。伊藤智彦監督の演出力の高さを証明したと思う。
物語は、母親を亡くし天涯孤独の青年が罪を犯し、叔母の千舟から代々伝わるクスノキの番人に命ぜられることから人生を再生させていく様を描く。
クスノキには願いをかなえる力があると言われており、その不思議な力を求めてさまざな人が集まってくる。そんな人々とせっしていくうちに主人公は成長し、千舟とクスノキの秘密も徐々に知っていく。
原作を先に読んでいたのだけど、正直そんなに面白い話じゃないと思った。しかし、これはアニメの画の力で大きく魅力を引き上げたと思う。クスノキの幻想性がインディー作家を起用することで説得力を増していたし、アニメ向きの原作だったのだろう。アニメで引き上げられるポイントをしっかり見極めて、なおかつ人間をしっかりリアルに感じられるように等身大の日常芝居を忘れない作り。
日本アニメにもこういう作品がもっとないといけない。千舟のキャラクターデザインも良かった。漫画家の山口つばさの起用は正解だったと思う。
原作の内容も加味して難しいところ
内容が少しオカルト入っているので、アニメにする方が適していたのだとは思うが、やはり所々何故?って思うところが沢山あった。
このあたり原作だと脳内補完されると思うが、
映像化すると唐突感や現実的かどうかなどを感じてしまう。
神秘な作品
身寄りの無いいわくつきの生活をしてきた主人公。突然現れた叔母から任...
この木何の木〜
「旅をした甲斐が」
わざわざアニメーションで、こんなにも回りくどくて分かりづらい描き方をする必要はあったのだろうか?
まず、主人公が、どうして「クスノキの番人」に抜擢されたのか、その理由がよく分からない。
次に、彼が管理するクスノキにどういう効用があって、夜な夜な「祈念」に訪れる人々が、クスノキの洞で何をしているのかも分からない。
彼を抜擢した伯母は、それを見ることを禁止しておきながら、「自分で分かるようになれ」と言うのだが、そうなると、「祈念」をした人に直接尋ねるぐらいしか、謎を解く方法はないのではないだろうか?
その「祈念」については、ごく一部の人にしか知られていないようで、どのようにして、その秘密が守られているのかも分からないのだが、伯母は企業グループの役員だし、「祈念」に訪れるのも、建設会社の社長だったり、菓子製造会社の御曹司だったりするので、財界の名士による社交クラブのようなものなのかとも思ってしまう。
やがて、主人公は、父親の不審な行動に疑念を持った社長の娘に協力する形で、クスノキの謎を追うようになるのだが、父親が通うマンションを突き止めたり、彼女の親戚が入居していた介護施設を訪れたりするだけで、特に「謎解き」の面白さに引き込まれることはない。
クスノキの洞での「隠し録り」がバレた主人公が、「自分には価値がない」と思って番人をやめようとしたところで、ようやくと、伯母からクスノキの秘密を教えてもらうのだが、どうして、それまで、そのことが隠されていて、このタイミングで、それが明かされたのか、その理由もよく分からなかった。もしかしたら、将来に希望が持てず、人生の選択を「運まかせ」にしていた主人公が、主体的に生きようと心を入れ替えたことが、その理由なのかもしれないが、その「心変わり」そのものが、唐突すぎて説得力が感じられなかったし、ここで流れてきたラップも、耳障りなだけで歌詞が頭に入って来なかった。
誰かの「思い」を記録し、それを血縁者にのみ届けるというクスノキの能力にしても、そんなに回りくどいことをしなくても、自分の「思い」を遺書とか手紙とか楽譜とかにしたためて、相手に渡せば済むことなのではないかと思ってしまう。
そういう能力であるならば、建設会社の社長が、「祈念」のことを、どうして家族に隠したのかが不思議に思えるし、娘も娘で、はじめから、父親に、何をしているのかを尋ねればよかったのではないかと思えてならない。
主人公が、伯母の出席する役員会議に、自分も出席するために、わざわざ、彼女の手帳を盗む必要があったのかということも疑問に感じられたし、彼が、何をしようとしているのかが理解できなかったので、伯母が認知症を患っているというサプライズも、その効果が薄まってしまったとしか思えない。
伯母の「思い」がこもった箱根のホテルは、廃業に追い込まれるほど、採算が取れていないようには見えなかったし、伯母が、主人公を、渋谷のホテルに宿泊させた理由(社長の挨拶を読ませるためだけ?)もよく分からなかった。
主人公が、不当な理由で解雇された菓子製造会社の御曹司が、クスノキの「祈念」に訪れるという「偶然」にしても、それが、物語に活かされていたとは思えなかった。
結局、多くの「謎」が、最後まで「謎」のままで終わってしまったことには、フラストレーションを感じざるを得ないし、話の運びの回りくどさと、物語としての分かりづらさには、わざわざ、そうする必要があったのだろうかという疑問が残った。
登場人物を見る視点がグルグルと動き回るシーンや、キャラクターの輪郭が太くて力強くなるシーンのように、アニメとしての見どころはあるし、冒頭のススキを撫でる手のシーンや、主人公が、クスノキから、伯母の「思い」を受け取るシーンのように、手描きアニメの魅力が感じられるところもあるのだが、この物語を、アニメーションで描かなければならなかった理由も、最後までよく分からなかった。
やや薄味か
原作未読です。
それぞれ人間ドラマが描かれていて、面白いと言える作品であったが、気になる点も多い。
好評も多かったので、今回は気になる点を中心にまとめることにした。
1.クスノキが、物語の中で「木」過ぎる問題
オープニングで、神々しいクスノキが登場し、どんなファンタジーが始まっていくのだろうとワクワク。
しかし、結果としてクスノキは物語の中で、かなり「木」であった。
もっと、クスノキの神秘性とかそういうのもっと感じたかったなあ。
初めクスノキの意味が伏せられていて、ミステリー×ファンタジーでいい感じやんって思ったんだけど、、、なんか叔母に本渡されて、急にミステリー部分解決してるし、、、
2.突然のラップ問題
これはちょっと面白かった。レモンチューハイ飲みすぎて、おかしくなってコインぶん投げたのかと思った
3.クスノキの番人の仕事が主人公を変えたの?問題
正直あまり、充実して働いているような描写そこまであっただろうか。説得力が弱いような。うな重は美味しそうだった。
4.ヒロイン行動唐突問題
あれは天然?誘惑?
前半でキャバ嬢との絡みのシーンを見せている以上、視聴者が、ああゆう行動は誘惑と捉えてしまうのは自然な事よね。でも、ストーリー的に誘惑とも思えないし、うーん。
5.目の前の壁をこわす!問題
目の前の壁をこわす!って宣言した直後、主人公は何をしたか。そう、机をずらしたのだ。壁ってそれか!!もちろん比喩なのは分かるが、宣言した直後にそういうシーンが入ると少し、、面白い
気になる点も多かったけど、見た事は後悔してないし、おすすめも出来ると思う。ありがとうございました。
ちぐはぐな演出
クスノキの秘密
原作、あらすじ未読
愚かね…
原作未読。天海祐希さんの声はとても素敵でした。主人公は私的には少しだけ微妙。でも、そこまで気にはなりませんでしたが。
人は誰しもが、多かれ少なかれ様々な悩みや困難などを抱えて生きている。そんなことを考えさせられるストーリーでした。
現実世界ではおそらく、ほとんどが気が付かないまま過ぎてしまうであろう人の思いが、クスノキという神木を媒介に受け取る事ができる…。はじめからこの種あかしがされている訳ではなく、終盤にかけ「祈念」の意味が明かされてからの、主人公をはじめ、それぞれの若者たちの葛藤や悩み、抱えていたものなど、家族のストーリーが収束に向かう感じは見事でした。
見終わったあとは、なんとも言えない充実感がありました。とてもよい作品であったと思います。是非、原作も読んでみたいです!
ただ、少し残念なのが主人公の描写。運任せで生きてきた自分の人生を断ち切り、自分の意思で考え、生きようとしたその過程が、少しだけ弱かったかなぁ、と。まあ、私の理解度が追いつかないだけだったのかもしれませんが。途中で時系列も見失いかけてしまいましたし…。もう一度鑑賞しなければいけないかな(笑)。
ご参考になれば!
ちょっと共感しにくい。
元々は見る予定ではなく、時間調整として見てみたんですが。。
仕方なくクスノキの番人になった経緯はいいとして、でも出会ったばかりの、こっそり祈念場所に侵入していた女の子に急に協力したり
不当解雇された最悪の元職場の社長の息子に何故か頑張れよ!的な手助けをして過去20年分のデータを調べてあげたり。。え?何でそんなことしてあげるの?不当解雇されて(その後まぁ不法侵入はしてるけど)最後の月の給料を未払いにした会社なんかの社長の息子になんでそんな親しい気持ちでいられるの???と疑問が拭えず。
クスノキ自体に神秘性があるのは構わないんですが、人間のほうに真実味が薄いというか。。
あと脚本がぶつ切り?ちょっと場面の繋ぎが粗くて、話にのめり込んで行けませんでした。
映像化の無理が出たのかもしれませんが。
主人公は叔母の思い入れのあるホテルを存続させたい、という気持ちになったのはまぁ良いんですが、でもクスノキの番人の仕事がある以上、ホテル経営のほうを継ぐことは出来ない現実もあるし結局ホテルのほうは存続していったとしても彼が何か関われるのか??とか。。よく分からないまま映画が終わってしまいました。
クスノキの神秘だけでなく、登場人物まで現実味が無くて、全部がフワフワした綿菓子のような掴みどころの無い物語でした。。(だいぶ残念でした)
思いを託す
原作の複雑な3つの家族の物語をきっちり描き切る見事な脚本と編集。
原作から入っています。3つの家族、それぞれの人間関係が複雑でそれを果たして限られた上映時間内で描き切れるのかどうか、少し心配でしたが・・全くの杞憂。
東野圭吾原作の映画作品としては初めてのアニメによる表現でしたが、とても素晴らしい。むしろ実写だと、1) 心象風景を含む内面の描写、2) 3つの家族の重要な役割を果たす3人の若者に強く求められる演技力、大きくこの2つから、本作のような感動や余韻を引き出すのは難しいように思われます。
自分のレビューでの作品評価は、好みのバイアスがかなりかかっていて、⭐︎5をつけていても必ずしも推しを意味していませんが、本作に関しては推しを含めての⭐︎5評価。東野圭吾ファンとして、また映画ファンとして、こうした作品が作られたことをとても嬉しく思います。
(これまでの約60の鑑賞レビューの印象の項目で、癒されるや幸せにマークしたのは、本作が最初になります。)
天海祐希さんの声が美しい♡
原作を読んだことがなく、まっさらな気持ちで鑑賞しました。
私は天海祐希さんの大ファンと言うこともあり、千舟さんに感情移入し、千舟さんの抱える悲しみに深く共鳴しました。
声優としての天海さんの声は、今回初めて拝聴しましたが、感情表現がとても豊かで素晴らしかったです。
星5の評価にしなかったのは、千舟さんのその後についての描写がほぼないまま、映画が終わってしまったからです。
原作を読めば分かるのかもしれませんが、映画のみの鑑賞では、そこから先の物語が観たかったのに、と感じました。
それはそうと、この作品は人と人との愛に満ちた物語であり、万人におすすめできる映画だと思います。
初めてジブリ映画を見たときと同じ感動
原作の東野さんは有名な小説家の方だとは存じておりましたが、こんな上質で上品、素晴らしい作品を作れる方だとは思いませんでした
アニメーションの多彩な表現と、ストーリーの緩急とキャラクター性が非常に丁寧に描かれていて本当に満たされた時間を過ごさせていただきました
ジブリ映画やヒューマンドラマが好きな方はぜひとも見ることをおすすめします
【”様々な想い残しを解きほぐす不思議なクスノキ。”今作は未来の夢無く無気力に生きる青年が不思議なクスノキの番人になる事を叔母から命じられ、その過程で少しだけ成長する物語である。何だよー。】
ー その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。
その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。ー
■不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。
同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となる。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。
依頼人に心当たりはないが、彼は保釈金を積まれ依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母と告げる。そして彼に「あなたにしてもらいたいこと||それはクスノキの番人です」と命令するのであった。ー
◆感想
・今作では様々な”想い残し”をしつつ、現世を生きる人達が描かれる。玲斗は、思い残しというか、未来に夢もないコイントスでしか進む道を選べない無気力な青年として前半は描かれる。
■450ページ越えの原作を、二時間に満たない時間で映画化するには、高度な脚本能力が必要とされるが、今作ではそこが決定的に弱いのである。
主人公の玲斗、千舟を始め、多くの登場人物を原作そのままに登場させたが故に、登場するキャラクターの描き方が弱くキャラが立っていないのである。
且つ、原作を読んでいないと物語の展開についてくるのが、難しいのではないかなとも思ったのである。
・最初は厳しかった千舟自身が抱える問題が明らかになった時点で、彼女は弱弱しく過去に悔いを残す人物として描かれる。
又、千舟が統括する会社の実権争いに絡む登場人物達も、最初は悪人のように描かれつつ、後半は中途半端にトーンが変わって来るのである。
・重ねて書くが、今作を観ると映画における脚本の重要さと、アニメーションにおける絵柄に魅力さを如何に持たせるかが大切かを再認識した作品である。
とりわけ感じたのは、千舟の描き方である。一昔前の少女漫画『ナンチャラ』に出てくるオバサマかと思ったぞ!
■だが、玲斗は千舟を含め様々な思い残しや、生き方に迷いを持つ『たくみや本舗』の”後継ぎ”との交流で、少しづつ自分だけが生き方に迷っているわけではないと悟り、成長していくのである。
<今作は未来の夢無く無気力に生きる青年が不思議なクスノキの番人になる事を叔母から命じられ、その過程で少しだけ成長する物語である。>
感想
全28件中、1~20件目を表示
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