ブルーボーイ事件

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劇場公開日:2025年11月14日

解説・あらすじ

高度経済成長期の日本で実際に起きた「ブルーボーイ事件」を題材に、性別適合手術の違法性を問う裁判に関わった人々の姿を描いた社会派ドラマ。

1965年、オリンピック景気に沸く東京。警察は街の国際化に伴う売春の取り締まりを強化していたが、性別適合手術を受けた「ブルーボーイ」と呼ばれる者たちの存在に頭を悩ませていた。戸籍は男性のまま女性として売春をする彼女たちは、現行の売春防止法では摘発対象にならないのだ。そこで警察は、生殖を不能にする手術が「優生保護法」に違反するとして、ブルーボーイたちに手術を施した医師・赤城を逮捕し裁判にかける。一方、東京の喫茶店で働くサチは、恋人にプロポーズされ幸せの絶頂にいた。ある日、赤城の弁護を担当する弁護士・狩野がサチのもとを訪れる。実はサチには、赤城による性別適合手術を受けた過去があった。サチは狩野から、赤城の裁判に証人として出廷してほしいと依頼される。

主人公・サチ役のキャスティングにあたってはトランスジェンダー女性を集めたオーディションを実施。ドキュメンタリー映画「女になる」に出演経験はあるが演技は初挑戦の中川未悠を、主演に抜てきした。サチのかつての同僚たちをドラァグクイーンのイズミ・セクシーとシンガーソングライター・俳優の中村中、弁護士・狩野を錦戸亮が演じた。監督は「フタリノセカイ」などトランスジェンダー男性というアイデンティティを反映させた作風で国内外から注目を集める飯塚花笑。

2025年製作/106分/G/日本
配給:日活、KDDI
劇場公開日:2025年11月14日

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(C)2025「ブルーボーイ事件」製作委員会

映画レビュー

4.5 答えの出ない聲、そしてその意味…

2025年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

「素人役者さんも含めた演出でしょ… 映画として成り立つの?」
そんな感情を持っていた自分の頬を引っ叩きました

各俳優さんの全霊の演技、セリフに頼らない背景表現、必要最小限にして的確な編集、
「映える」なんて陳腐な言葉では無い「伝える」事の必死さが心に刺さる

年度末にかけてなんて凄い作品を捻じ込んでくるのか

年代的にはカルーセル 麻紀さん辺りが当該となるのかと感じながら
中川未悠さんを始め当事者としての出演を決意頂いた方々に感謝の念を抱きました
飯塚花笑監督を始め皆様の活動が何らかの身を結びます事を心から願います

事前知識がまったくない状態で予告だけを見ての鑑賞でしたが
主役だけでなく「嫌なキャラ」は嫌な印象を「サブキャラ」は地味ながらの存在感をといった細かい演出が出演者全員を本作の主軸として成り立たせていると感じました
ラストシーンの切り取り方も美しく、そして決して見て残念な気持ちになる作品ではありません

生きていくための水商売そして売春、生活する場所どころか出生・性別すら「無い」ものとされた方々がどのように扱われてきたのか
保護してくれと言っているわけじゃない、危害を加えると脅してなんていない、
只、「普通に生きたい」 それが叶わない現実がかつて実際に有った

そして現在、それは「過去のもの」ですか?

LGBTQX当事者の方々が自ら表舞台に出てきて、時にはわざとらしいくらい派手な行動をしなければ話題として取り上げられない
その事による負担は計り知れないものが有る

本作の主義は「感じ・考える事の提案」ではないかと思います
法律が変わったとしても世間の「見方」は変わらないかもしれない
では「それ」を規定しているものは何なのか?

「治療」でなければ施術出来ない 「障害」でなければ認められない
医療界としての限界、法曹界としての限界、そして「判断を下されるだけ」の当事者達
「変わるのは自分ですか?」「それとも環境ですか?」
答えは今でも…

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鈴吉

4.0 観て良かったです。

2025年12月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

昔の人は本当に困難でなかなか理解もして貰えず大変な時代だったと思います。
偏見な目で見られたり暴言も多かったと思うし凄く生きづらい世の中だったと思います。
中川さんの演技もとても素敵でした。

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たつや

4.0 切々と胸に迫る

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

力作。
トランスジェンダーの人々が置かれた環境は今も昔も厳しい。誰にでも幸福になる権利があるのに。
切々と胸に迫るものがあった。

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Kei

5.0 静かに穏やかに生きることの難しさ

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

LGBTQのようなカテゴライズや特別扱いは、
本当に望むものから離れていて、
多くの人は、性別へのこだわりなく、
自然でいられる素直な自分のまま、静かに穏やかに生きていきたい。
これが作品の全編を貫くテーマだと感じた。

主人公のそのような思いとは裏腹に、
世間からは常に目立つ存在になってしまうが、
それは主人公の姿が周囲に対して相対的に大きく見えるような
ローアングルの多い構図がさらに強調している。
また接客をしている彼女たちの衣装は総じて赤系の色身で鮮やかだが、
粗めの画面の質感と、置かれた厳しい境遇も相まって、寂しく、悲しくみえる。

後半の主人公と弁護士の強い意志の込められた法廷の語りのシーンと、
ラストの遠くからのフォーカスをぼかした幸福な二人のシーンの
余韻が素晴らしく、深く印象に残った。

歌以外に控えめで主張しすぎない音楽もよかった。

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HK