無名の人生

劇場公開日:2025年5月16日

解説・あらすじ

独学で制作した短編アニメ「MAHOROBA」が国内の自主映画祭で数々の賞を獲得した鈴木竜也監督が、個人制作で1年半かけて完成させた長編アニメーション監督デビュー作。

仙台の団地で暮らす、いじめられっ子の孤独な少年。ある転校生との出会いをきっかけに、父親の背中を追ってアイドルを夢見るようになり、思いがけず成りあがっていく。生まれてから死ぬまでに源氏名や蔑称などさまざまな呼称で呼ばれながらも「誰からも本当の名前を呼ばれることのなかった男」の波乱万丈な100年の生涯を、高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争といった社会問題を背景に、それぞれ主人公の「別名」を冠した10章で描く。

ラッパーのACE COOLが主人公役で声優に初挑戦。鈴木監督が原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集を兼任し、脚本をあえて用意せず、章ごとにタッチや色彩を変化させながら変幻自在に描きだす。「音楽」で注目を集めたアニメーション監督・岩井澤健治がプロデュースを担当。

2024年製作/93分/G/日本
配給:ロックンロール・マウンテン
劇場公開日:2025年5月16日

オフィシャルサイト

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映画レビュー

5.0 人生は不思議

2025年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

すごい好きだ、この作品。主人公はずっとある意味で不変の存在だが、周りの人間の受け止め方が変わっていき呼ばれ方もその都度変化していく。せいちゃん、くろ、れいと、神様、ぜん、そして人生などなど。そして、ものすごく数奇な人生を生きていく男の年代記が展開していく。
カメラ目線というか人物はまっすぐにこちらを見ているショットが多いのが特徴だ。登場人物にじっと見つめられるような鑑賞体験になるのだが、絵柄の魅力もあってか、何かそれだけで問いかけられているような気分になる。「お前の人生はどうなんだ?」みたいな。

殺されても生き延びて、終末戦争が起きても生き延びて、100年という長い人生の旅路を濃密に過ごす主人公をちょっと羨ましいと思ってしまう。こんなに濃密な人生をおくり、最後にはなんだか壮大なスケールのあやふやな世界へと突入していく。しかし、「人生ってこういうもんだよね」という、なぜか深い納得もある。
人の一生を奇想天外な形で見事に映像化している。これは隠れた傑作だ。

人生って振り返るとこれくらい不思議なものだと思う。

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杉本穂高

4.0 予想もつかなかった方向へ連れていかれる感覚が楽しくも、不思議な鑑賞感を残す一作

2025年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人形芝居を連想するような独特の作画とアニメーションは、CGとエフェクトを使いまくってる最近のアニメーションを観慣れているとかなり独特な印象を与えます。

幼少期のある出来事のために名乗るべき名前を失ってしまった一人の男の人生を辿っていく物語、なのですが、その道のりは常に観客の予想を超えてきます。特に後半は、あるシュールレアリスム作家の作風をかなり意識したと思われる描写など、徐々に抽象的な世界観が入り込んでくるため、描写の意図をつかみかねて戸惑ってしまうかも。

作中、主人公の男は自分の名前はおろか、ほとんど口を開くことはありませんが、そんな彼に周囲の人々がめいめい勝手に彼に名前を授け、彼の存在の意味を決めて(押し付けて)くるあたり、ちょっと『ガープの世界』(1983)や『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)を連想してしまいました。あるいは主人公が彷徨の人生を辿る、という点などで『マインドゲーム』(2004)に通じるところも。

エンドクレジットで鈴木竜也監督による驚愕するような仕掛けが待っているため、最後までしっかり鑑賞をおすすめします!

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yui

5.0 ドエラいモンを観させて頂きました。

2025年9月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

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デブータ

未評価 良い悪いではなく

2025年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 彩度の低い画作り(真っ赤や黄色は殆ど出て来ない)、多くを説明しない物語、淡々とした台詞回し。どれもが地味や静逸と言うより「低体温」と映った。それが僕には全く合わなかった。良い・悪いではなく、ただただ合わなかった。

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La Strada