秋が来るとき

劇場公開日:2025年5月30日

解説・あらすじ

「焼け石に水」「スイミング・プール」など数々の名作を生み出し、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭の常連でもあるフランスの名匠フランソワ・オゾンが、自然豊かなブルゴーニュを舞台に、人生の秋から冬を迎える老齢の女性のドラマを描く。

80歳のミシェルはパリでの生活を終え、いまは自然豊かで静かなブルゴーニュの田舎でひとり暮らしている。休暇で訪れる孫と会うことを楽しみに、家庭菜園で採れた野菜で料理やデザートを作り、森の中を親友とおしゃべりしながら散歩する日々を送るミシェル。やがて秋の休暇を利用して娘と孫が彼女のもとを訪れるが、ミシェルが振る舞ったキノコ料理が引き金となり、それぞれの過去が浮き彫りになっていく。後ろめたい過去を抱えつつも、人生の最後を豊かに過ごすため、そして家族や友人たちのためにも、ミシェルはある秘密を守り抜く決意をする。

フランスのベテラン女優エレーヌ・バンサンが主人公ミシェル役を務め、ミシェルの親友マリー=クロードをジョジアーヌ・バラスコ、その息子ヴァンサンをピエール・ロタンが演じた。また、リュディビーヌ・サニエが「スイミング・プール」以来、21年ぶりにオゾン作品に出演した。

2024年製作/103分/G/フランス
原題または英題:Quand vient l'automne
配給:ロングライド、マーチ
劇場公開日:2025年5月30日

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(C)2024 – FOZ – FRANCE 2 CINEMA – PLAYTIME

映画レビュー

どこまで掘り下げて観ればいいのだろう

2025年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 フランス・ブルゴーニュの自然豊かな村で一人暮らしを送る老女の周りで起きる人間関係のさざ波を繊細に描いた物語です。人々の判断は決して「善き事」ではないのだが、人の心の安らぎは善悪の向こう岸にあるのかも知れない・・と結論付ける事もできます。いや、そうした物語として観ても、十分厚みのあるお話です。しかし、もっと意地悪く観れば、人間の暗部がパックリ口を開けた更に恐ろしいお話なのかも知れないとも思えました。でも、作品は具体的な事は何も語りません。そうして、観る者を知らず知らずの内に当惑に導く手腕がさすがフランソワ・オゾン監督は巧みだなぁ。

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La Strada

4.5ある意味、理想の老後生活では〜美少年好きは必見!

2025年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

驚く

ドキドキ

フランソワ・オゾン氏の作品は最近の作品で「私がやりました」と
数年前の「彼は秘密の女友達」の2作を鑑賞済みなので
一筋縄では行かない監督との認識はあったけど

いや〜〜〜!!なんちゅう作品なんだよ!!(絶賛してます)

サラっと観ることもできるけど、よく観れば本当に
なんと言うことでしょう〜〜的な中々に深い映画です。

美しいブルゴーニュの景色とちょっとしたサスペンス的な
ハラハラ感をぜひぜひ、劇場で堪能してくださいませ。

で、月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては

主演女優さんが多分撮影時に80歳だったのかもしれないけど
80歳の老婦人が、今、10歳くらいの孫が生まれる少し前まで
とある、訳ありの職業婦人だったという設定はちょっとキツく無いか?

まあ〜そこを突っ込む映画じゃ無いけど〜〜

最初、大きなアクシデントが起こる。それは私は偶然と捉えたが
キノコのアップとそれを図鑑の写真と見比べると言う
意味ありげなワンシーンをここぞとばかりにブチ込んで来る
オゾン監督の意地の悪さと言うか、曲者感が冒頭から炸裂していると思う。

話が進むうちに娘さんがなぜあんなに実母を毛嫌いするのかがわかってくる。
そのくせ、毛嫌いしているその母のお金はちゃっかり当てにしているし
住んでいるアパートも母から譲り受けた物だと分かる。
正直、厄介な存在の娘。
でも孫は可愛いし、孫の方もおばあちゃんには結構懐いている。

この孫を演じるガーラン・エルロス君!!
二十一世紀の「ビョルン・アンドレセン」決定!!
美少年好きは絶対観て!

やがて親友の息子が刑務所から出所してくる。
なんの罪で服役していたのかは描かれないがその後の彼の行動から
単に性悪なのではなく、彼の大事な人を誰かに侮辱されたことに
激昂した結果に見える。

可愛い孫と、何かと力になってくれる頼もしい男手と
ある意味、理想の老後では〜〜。

言葉で語らない分、様々な情報を映し出す映像から
想像が次々に湧き上がって来る、観た後に観たもの同士で
語りがいのある良質な映画でした。

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星のナターシャnova

4.0マグダラのマリア

2025年6月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

こういう切り口の映画(フランス映画に多いイメージ)は、キリスト教絡みが多く、冒頭の場面でほぼあらすじを解説してくれている事に後で気付いた。
ルカの福音書のマグダラのマリアのくだりと考え合わせると、主人公のおばあさんは多くを愛し(感謝し)多く赦された気がする。
このおばあさんだけでなく他の登場人物(娘、友人、友人の息子、孫など)がこの観点(赦しと愛)で見たらどうなのか気になったけど、よくよく考えて見れば、他の登場人物の行動や発言を通して『あなた自身はどうですか?』と言う監督からの問いかけも若干あったのかもなと言う気持ちに今はなってる。
後、娘を評価はしてないんだけど、事件後の演出は、娘の姿をしたキリストという演出なのかもしれないとも改めて思った。
キリスト教徒じゃないから分からん事が多いけど、考えさせられた。

最後に、あの孫がミステリーだなって下世話な感情を書いてお茶を濁しておく

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Mackintosh

3.5人は自身の過去しか背負えない

2025年6月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

人はどう足掻いても自分自身の過去以外の事柄を背負うことは出来ない。それはあたかも神の定めに拠って生きることしか許されぬように。昔のことだけではなく、昨日も1秒前も同じく過去。私達は今この時も刻々と過去を積み重ね続けている。故に「良かれと思うことが大切」と言わないと自分も他者も許す、許されることができずに生きる枷を負う。
優れた劇伴は鑑賞者の感受性を高めてくれる好例。ピアノが印象的なのは個人的に好みでもある。

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くつむし