「こわかった」ニッケル・ボーイズ 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
こわかった
今日から、アマゾンプライムで見られるというので早速鑑賞しました。
予備知識を入れずにただ「アカデミー賞」ノミネート作品だから見ておこうかなあ…と軽い気持ちで見たんです。ノスタルジックに少年時代を振り返る黒人男性の話か思ったら、全然違ってて、予想外の展開で、怖かったです。
映画として、技術的なうまさが際立つ映画的な作品だと思いました。
主人公の名前はエルウッド。彼が少年院に送られてしまう話です。彼のおばあちゃんが孫に話かけるとき、エルウッドの名を常に愛おしそうに呼びかけるので、「エルウッド」という単語がスイートに耳に媚びりついて、なんとなくブルースブラザースのブラックミュージック大好きなエルウッド・ブルース(白人のダンエイクロイドさん)を想起して、楽しい話のような予感がしてたのに、全然違っていて、1960年代の公民権運動が盛んになっている米国でまだ黒人差別が横行している時代の差別の実相を描いた作品で、キツかった。
人って割と平気に残酷なことができるんだなあと、寂しくなりました。人が嫌いになりそうで、でも、劇中で「エルウッド」という名前を呼ばれるたびに、ダンエイクロイドさんの笑顔が思い浮かんで、絶望の沼に沈まずに、どうにか最後まで見続けることができました。
少年院でエルウッドが友達になった、シドニーポアチエに似ているターナーがとても印象的な若者で、彼とエルウッドの会話を聞いてると、勇気が沸いてくるのですが、なんかどうも奇妙な感じがしました(個人的には妄想の実在しない人物なんじゃ?と思いました)。
私は1960年代に沖縄で生まれ育ったのですが、小学生の時(70年代)に、黒人を差別して汚物のように扱う白人(大人)をみたことがあります。人種差別発言をする人は白人の中でもごく一部の人で、ほとんどの白人さんは差別的な考えは持っておらず、肌の色を問わず、皆と仲良くしている人が多かったです。
日本人は名誉白人……とかいわれますけれども、実際に有色人種にヘイトの言葉をあびせかける人は、ぶっちゃけ内心ではアジア人もアレだと考えてる風があって、こころある白人さんたちがヘイトをやってる人の前に立ちはだかって、「彼らは大変優秀で、誠実で、真面目で、心優しい人たちで、肌の色は関係ない」と頑張っておられました。この作品を見ながら、思い出してしまいました。すみません、話がわきにそれました。
人種、民族、出身地、もしくは資産の量などで、自分の優位性が保証されるという発想で、差別意識丸出しでマウントポジションをとってる人、たまにいるけど、ナチスと同じで、みっともないと思う。日本人同士でも、いじめっ子が同じことしてるけど、あれも、かなり、かっこわるいと思う。