ニッケル・ボーイズのレビュー・感想・評価
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カメラの前に立つことのないPOV 撮影(一人称視点)を目の当たりにする。
"trauma porn" という言葉は、差別される側だけでなく人々を不安にさせる。 そして...
Keep your nose clean... と、そうはさせない、お行儀の悪さはコケージョンの方が!?
メディアにおいて黒人に対しての暴力、差別、偏見など繰り返される苦痛の描写を "ブラック・トラウマ・ポーン" と呼んでいる。これらの映像シーンが商業ベースにのることで黒人の方々は追体験という二次被害に遭う事を認識しなければならない。
それに沿って、もっと重要な事は、黒人の実体験と映画が強く絡み合うことで人種差別による残虐行為が日常化や標準化することで、日常茶飯事で当たり前な事のようになり彼らの死への消費がより行われてしまう。(ブラック・トラウマ・ポーンとよく似た言葉として障害者権利活動家ステラ・ヤングによる "インスピレーションポーン" がある。語源は、皆さんがよくご存じの?ポルノから来ている言葉として、差別される側の人を客体化し、健常者は喜びと満足を得る。)
映画も始まり、決して登場するとは思わなかった一人称の少年エルウッドが、監督の遊び心なのか、被写体があるものを借りて一瞬だけ映し出されていた。それは、同じような事がテレビドラマのリメイク『12 Angry Men (1957 )』の冒頭にテレビ版では登場しなかった裁判にかけられる容疑者の少年の姿が、この時も一瞬だけ映し出されていた。その後も色々の形で映し出される。しかし、それは残念なことに本作では...
ポータルサイトAOLの2022年5月19日の記事より
Jerry Cooper, who fought for White House Boys abused
at Dozier school, dies at 76
ピューリッツァー賞のフィクション部門で受賞をしている映画題名と同じ『The Nickel Boys』(※正確には小説には"The" がある) 原作の元になったのは、1961年、16才の実在の人物のコケージョンの少年が題材になっていて、その学校では10年間で81名の方が亡くなっている。その亡くなった記録があるにはあったが、遺体をどこに埋めたかは未だ謎とされている。同じような事がお隣の国カナダでもあって、教会によって運営されていた元寄宿学校から墓標がなく虐待が原因とされる遺体が、その寄宿舎の地下室や敷地内から2000体以上の先住民の子供達の遺体が見つかっている(寄宿学校は一校ではない)。けれども詳細な事は何もわかってはいないし、解決の見通しは立ってはいない。
話を戻すと
そうこうしていると、♪ Long gone... で始まる護送中の黒人の歌声が画面から聞こえてくる。
Stanley Kramer
Presents
A
United Artists
Release
Tony
Curtis
Sidney
Poitier
The
Defiant
Ones
本作に映るある映画のオープニング・クレジット... 何故?載せたかというと、昔、二大ハリウッドスターが共演したパニック映画の走りものがあった。その当時、人気を二分する程の二人が、どちらが先にクレジットに登場するかが話題となった。それは、
POV撮影は、エルウッドからターナーに視点をシフトする。そしてまた、彼に戻ったりもする。特に人の背面からのカメラアングルにしているのは、分かるけどあざと過ぎる。それに付け加えるように物語は時の流れがランダムな非線形で語られたりもする。それが上記の映画が突然現れるシーンで、差別に対する包括的シンボライズされた印象に残るテーマとなるシーンとなっている。
"showcase ni*ger" とは!? (※差別的言葉があります。要注意)
個人的には私的には『ニッケル・ボーイズ』この映画が、そう呼べると思っている。
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