劇場公開日 2025年4月18日

「癌という病気への見方が変わった」ハッピー☆エンド かずぼんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0癌という病気への見方が変わった

2025年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

NHKの群馬枠で紹介あり、前橋の緩和ケアが舞台という事で妻と視聴。
全編ドキュメンタリーで、映画というよりもNHKのドキュメントを見ているような作り。
癌治療というのは非常に大変で苦痛を伴うというのは聞いたことがある。
初期段階では効果もあろうが、ある程度進行してしまっていると効果が薄い場合もあり、数か月か一年かの命を延ばすために苦痛な時間を過ごす人も多くいる。
そこで延命治療を諦め、穏やかに終焉を迎えられるように手助けをするのが「緩和ケア」である。
人というのはいつか死ぬが、その「いつ」が解らないがためにその現実を見て見ぬふりをしている。
作中で萬田先生は言っていた。
「癌というのは死ぬ準備ができる。そういった意味ではとてもいい病気だと思う」
いまこの言葉を聞いても実感がわかないだろうが、この作品を見るとその意味が解る。
残された時間が少ないことを知っているから、残された時間を大切にできる。そして家族と、友と、別れを言う時間がある。
その時間があるという事が貴重で尊いという事が解る。
癌は日本人の4人に1人と言われる。
癌になったらおしまいだ。癌はつらい病気だ。そんなイメージがある。
だけどこの作品を見て考えが変わった。
この作品で登場する患者さん達は誰もが良い終焉を迎えたように見える。
勿論全患者さんが彼らのように良い終焉を迎えられる訳ではないだろう。
しかし少なくとも作中の患者さんたちは考えられる中で最善の終焉を迎えたように見えた。

当たり前と思っていることが当たり前じゃなくなったとき、見えてくるものがある。
自分は最期の時何を思うのか。
彼らのように笑って逝けるだろうか。
「人生観」というものに向き合う良い作品と出会いました。

かずぼん
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