長崎 閃光の影で

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劇場公開日:2025年8月1日

解説・あらすじ

1945年夏、原爆投下直後の長崎を舞台に、被爆者救護にあたった若き看護学生の少女たちの姿を描いたドラマ。原爆被爆者の救護にあたった日本赤十字社の看護師たちが被爆から35年後にまとめた手記をもとに脚本が執筆された。

太平洋戦争下、看護学生の同級生で幼なじみの田中スミ、大野アツ子、岩永ミサヲは、空襲による休校のため長崎に帰郷する。久しぶりに地元へ帰って来た3人は、それぞれ家族や恋人との幸せな時間を過ごすが、1945年8月9日、原子爆弾が長崎に落とされたことにより、その日常は一変する。一瞬にして廃墟となってしまった長崎の町で、彼女たちは未熟ながらも看護学生としての使命をまっとうしようと奔走する。

スミ役を本作が映画初主演となる菊池日菜子、アツ子役を小野花梨、ミサヲ役を川床明日香がそれぞれ演じた。自身も長崎出身の被爆三世である松本准平が監督、共同脚本を務め、長崎出身の福山雅治が主題歌のプロデュースとディレクションを担当。また、原案となった「閃光の影で 原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記」に体験を寄せた元看護学生のひとりである山下フジヱさんが特別出演しており、その山下さんの思いを、10歳の時に長崎で原爆を体験した美輪明宏が語りとして声で表現する、

2025年製作/109分/G/日本
配給:アークエンタテインメント
劇場公開日:2025年8月1日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
松本准平
原案
「閃光の影で 原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記」(日本赤十字社長崎県支部)
脚本
松本准平
保木本佳子
製作
岩本炯沢
吉田尚剛
荒木宏幸
髙田旭人
川村英己
関顕嗣
川畑年弘
福山雅治
企画
中村佳代
エグゼクティブプロデューサー
岩本炯沢
荒木宏幸
プロデュース
鍋島壽夫
マーク服部
プロデューサー
関顕嗣
ラインプロデューサー
木村和弘
撮影
灰原隆裕
照明
川井稔
録音
紫藤佑弥
大竹修二
美術デザイン
丸尾知行
衣装
森口誠治
ヘアメイク
清水美穂
特殊メイク
百武朋
造形デザイン
百武朋
特殊視覚効果
泉谷修
サウンドデザイン
紫藤佑弥
編集
藤田真一
音楽
小野川浩幸
主題歌(作詞・作曲・編曲)
福山雅治
主題歌(編曲)
井上鑑
主題歌(歌唱)
スミ(菊池日菜子)
アツ子(小野花梨)
ミサヲ(川床明日香)
助監督
新谷和弥人
キャスティング
岩瀬恵美子
制作担当
小沼秀剛
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(C)2025「長崎 閃光の影で」製作委員会

映画レビュー

3.0 彼女たちが捧げた青春と命を見て私たちにできること

2025年8月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原爆投下直後の長崎で、命を救おうと奔走していた日本赤十字社の看護師たちによる手記「閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―」を原案に、当時看護学生だった少女たちの視点から原爆投下という悲劇を描いた作品。

映画のクオリティという点を見れば、とても粗が目立つ。
予算の少なさからか、2時間ドラマのようなCGや、作り物とわかるようなリアリティのないセット、様々な手記のエピソードを繋ぎ合わせたからか、とっ散らかった印象のある脚本。

正直先週公開となった戦争映画の「木の上の軍隊」を先に見ているだけに、どうしても比べてしまう。

しかし、戦後80年経った今、当時10歳だった人も今では90歳。この先いつか訪れる、戦争経験者がいない世の中になったとき、代わりに語ってくれるような映像作品はたくさんあるに越したことはないと思う。

どうしても原爆といったら広島の方が大きく捉えられがちになってしまうが、あと1週間降伏が早ければ多くの命が助かったと思わずにはいられない、長崎の原爆に対してのやり場のない気持ちに胸が締め付けられる。

なぜもっと早く降伏できなかったのか。
なぜこれほどまで国民の命を犠牲にする道を突き進んでしまったのか。
彼女たちが捧げた青春や命の分、現代の私たちはこの「なぜ」を考え続けなければいけないと思った。

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共感した! 15件)
AZU

4.0 不安、痛み、勇気、献身。被爆者を救護した彼女らの魂が80年後の私たちに届く

2025年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

少ない予算ながら、高く尊い志が伝わる力作だ。

被爆直後の長崎で救護にあたった女性たちの証言をまとめた「閃光の影で 原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記」を原案とし、やはり長崎の被爆を題材にした劇映画「TOMORROW 明日」(1988年)の製作を担った鍋島壽夫、長崎出身の被爆三世である松本准平が監督と共同脚本、さらに保木本佳子も脚本に参加。看護学生3人の視点で、原子爆弾が投下され爆発した瞬間の衝撃や、直後の状況、次々に運び込まれる重傷者たちの救護に献身する姿を描き出す。

愛国少女的なアツ子(小野花梨)、カトリック信者のミサヲ(川床明日香)、純朴なスミ(菊池日菜子)という具合に、主要キャラクター3人の背景や言動の傾向に差異を出すことで、限られた本編尺の中でさまざまな視点からのエピソードのバリエーションが生まれている。証言のすべての要素を盛り込むことは不可能で、取捨選択は当然ながら、たとえば敗戦後も民間人を見下して威張り散らす軍人に言い返したり、助けを求める朝鮮出身者を拒絶したりといった短い描写に、美談にするのではなくネガティブな面も避けずに語り継ぐ姿勢がうかがえるのもいい。

まだ原爆そのものが一般に知られていない時代、誰も経験したことのない市街の壊滅と膨大な死傷者に直面した彼女たち。恐怖や不安、痛みと喪失を抱えながらも、懸命に勇気を振り絞って救護にあたる姿、その心持ち、魂が80年の時を経て私たち観客に確かに伝わってくる。とくに若い世代に届くといいなと願う。

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高森 郁哉

3.5 不穏さを増すこの現代世界に伝えるべき記憶

2025年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

80年前の記憶を伝える本作は、言うなれば正解のない映画だ。あの日の惨状をどれだけ詳述しても十分過ぎることはなく、かと言って、それだけに留まると観客の胸に届くべきドラマ性が薄まってしまう。おそらく題材を掘り下げれば掘り下げるほど描くべき要素は増えるばかりで、何をどう削ぎ落として作品を紡ぎ上げるかは葛藤の連続だったに違いない。その末に生まれた、3人の新米看護師を視座に据えた物語構造を私は評価したい。10代の少女にとって現実は過酷だ。あの日あの時、彼女らは何を見て、何を感じたのか。私の祖母も当時ほぼ同齢だったことに鑑賞中ふと気づき、胸に込み上げるものがあった。また、本作は惨状を描くだけでない。生き残った者が明日を生きようとする。そうやってこの広い空を繋いでいく映画でもあるのだと感じた。日々、不確実性を増す世界で、本作が心と理性の防波堤となって、人々に何かを感じるきっかけをもたし続けることを願う。

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共感した! 28件)
牛津厚信

4.0 長崎の原爆の悲劇を若い看護師目線で描いた良作

2025年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

・長崎原爆投下直後から、看護活動に従事した若い看護師の1か月間の物語。
・命を救うはずが、見取りとなる患者が多数となるなか、懸命に看護する姿が感動的です。
・若い看護師に対する看護婦長の姿勢が高圧的で、戦後間もない頃の看護現場の状況がよく伝わってきます。
・「はだしのゲン」のように目を覆いたくなるような被害者の状況を描くのではなく、抑えめに描いており、グロ描写が苦手な方も見やすいようにしてあります。
・被害者である「浦上カトリック教会」(浦上天主堂)の信者の様子も描かれており、10月にバチカンでも上映される予定です。

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天空住人