「光州事件は悲惨な話でした。さてこの映画は?」1980 僕たちの光州事件 コーヒービートさんの映画レビュー(感想・評価)
光州事件は悲惨な話でした。さてこの映画は?
映画全編に渡って時々挿入される当時の写真・動画の方がこの事件や、前後の政治状況ををよく写して緊迫感がある。肝心の映画だが「再現フィルム」以下の出来てガッカリ。まあ評価出来るのは立てこもった反乱勢力も武装していたのをちゃんと描いている。非武装の反乱勢力を一方的に虐殺する「ウリナラファンタジー」映画もある中で事実を描いている。鎮圧軍の描写もそれなりにされている。残念ながら相変わらずの韓流ご都合主義の脚本にはウンザリさせられたが。
光州事件を語るとき鎮圧軍側の証言が少ないことが気になる。勿論かの国のことだから「証言」等すればたちまち事後立法で悲惨な目に遭うから沈黙を余儀なくされているのだろうが、鎮圧軍側の兵士も還暦を過ぎている現在、ウリナラ御都合史観でなく、ちゃんとした史的検証に足るルポタージュ、映像化を国家の手でしてほしい。そういうルポタージュ、映像作品が既に有ればこの場で教えて欲しい。まぁ御都合史観の教育を受けている韓国人に言っても、ないものねだりだが、歴史の都合良い改竄はそろそろ止めて頂きたい。光州事件の映画としては皮肉にも1980年代後半に早くも作られた、「五月 夢の国」が、本作同様低予算だったが今でも1番出来が良いと思う。
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