劇場公開日 2025年5月16日

「劇場で観てこそ没入できる」ノスフェラトゥ パンダさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0劇場で観てこそ没入できる

2025年5月21日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

ドキドキ

ドラキュラといえば性欲のメタファーで、それを分かる人には分かる絶妙さで描くのが80年代以降のバンパイア映画だった。

しかし本作は実にストレート。「悪鬼の狙いは少女との性交」「少女は抗いながらも、密かにそれを求める」と真正面から描いている。要するに、大人のバンパイア映画。

本作のノスフェラトゥは過去の伯爵達と異なり、スタイリッシュでも美男子でもない。男性の醜さと荒々しさを凝縮したような外見で、しかし放つ言葉には凄みがあり、どこかカリスマ的である。

美しいのは人間側で、なんと言ってもニコラス・ホルトにアーロン・テイラー・ジョンソン。「Xメン」のヒーロー2人が醜い悪に追い詰められるのも現代的だ。

しかし、どうしてこうキリスト教の悪魔というのは圧倒的なのだろう。存在するだけであらゆる厄災をもたらし、銃火器では倒せない。本作のノスフェラトゥも「こんなやつにどうやって勝つんだ」と思わせてくれる。

中盤までは正直、冗長さを感じる部分もある。
しかし終盤、最終決戦に挑む盛り上がりは半端ない。主人公の少女は憑依されて周囲を振り回すが、彼女は自らの劣情に自覚的だった。そこが本作の秀逸なところだったと思う。

パンダ
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