「雰囲気は抜群にいいのに…」ノスフェラトゥ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気は抜群にいいのに…
ホラーは苦手なのですが、予告の雰囲気に惹かれ、ゴシックホラーなら多少マイルドな描写なのではないかと思い、公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、不動産業者トーマス・ハッターが、老朽化した城の売却をしたいという大口契約のため、遠方に暮らすオルロック伯爵のもとに商談に向かい、そこで恐ろしい目に遭う一方、残された妻エレンは不安から夫の友人宅で過ごしていたが、彼女もまた悪夢にうなされるようになるというもの。
ホラーではありますが、とりあえず思ったほど怖くなくてホッとしました。冒頭のジャンプスケアがいちばん怖かったかもしれません。ゴシックホラーとしても、雰囲気たっぷりの演出やエレンの妖しく美しい魅力が花を添えています。中でも、影の演出が印象的で、カーテンに映る実体のない影、街を飲み込むように伸びていく影など、登場人物や観客の心のざわつきを情景描写で巧みに演出しています。
こんな感じで雰囲気は抜群にいいのに、残念ながらストーリーにはいまひとつ惹きつけられません。終始絵面が暗いのは物語の性質上しかたないのですが、誰が何をしているのかがよくわからず、夢と幻覚と現実の境界線も曖昧で、少々わかりにくかったです。加えて、抽象的で説明的なセリフの多さに撃沈してしまいました。
仕事帰りに「ガール・ウィズ・ニードル」に続けてのハシゴ鑑賞であったため、集中力が持続しなかったせいもありますが、イマイチ乗れなかったのは残念です。機会があれば、きちんと覚醒しているときに改めて観たいと思います。
キャストは、ビル・スカルスガルド、ニコラス・ホルト、リリー=ローズ・デップ、アーロン・テイラー=ジョンソン、エマ・コリン、ウィレム・デフォーら。
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