果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
全854件中、801~820件目を表示
子どもが見ても伝わるものを…
先日投稿しましたが、何だかしっくりこず再投稿です。
因みに2回みてきました。細田監督の作品は好きで、作品に対して納得したかったから。でもごめんなさい…今回はハマらなかった。
理由は多々あるものの、一番はこの作品のテ−マがしっかり伝わないからです。
ハムレットが根底にあるんだな…というのは作品を見ればわかるし、ポスターにもそれっぽくわかりやすく書いてある。神曲もそう。でも、子どもが隣にいてこの作品はこの2つの作品を履修してないとわからないんだよ…これはね~と説明しながら見ることはできない…。そんなもの分からなくても、ちゃんと伝わる!子供だから上手く言葉にできなくても。そうであってほしいと思う。観る人がみればわかる、教養がない人には…という書き込みを何度か見かけたが、ちょっと違うと思う。アニメという手法で、年齢制限もなく作品を出しているのだから、大衆に受け入れられるようにするのは当たり前なんじゃないかな。
で、今作。話は単調とは言わないが、ほとんどが死後の世界なのでどうしても単調に思えてしまう。
そして何より、スカーレットの復讐の感覚が日本人にはハマりきらないと思う。あんなに人生のすべてをかけて邁進するなんてこと…。戦争を知らない、対岸の火事状態の国民に…。そんな観客と作品を繋げるために聖がいるんだと思うんだが、彼は今にも自分たちを攻撃しようとしている人間に武器を捨てなさい!と、飛び出したり、最後は自分が武器を取って攻撃したり…と一貫性にかける。何とも観客を混乱させるのだ。
ただ…自分はこの作品は聖視点の方が良かったんじゃないかと思う。頭がお花畑の青年が、自分が理不尽に殺され、そのことに気づかず死者の国に紛れ込み、復讐の亡者の王女に出会う。初めは彼女を止めようとしているが、自分が傷を負い、それがきっかけで自分が殺されたことを思い出す。それで初めて命を奪われることの苦しみ、怒り、悲しみ…そして、死を受け入れなければならない絶望を知り、彼女の気持ちを当事者側として理解できるようになる。そこから…それでも!!と、言えるようになる、そこまでの葛藤をみせて…と思う。
今時子どもでも、世の中が、善意を善意で返してくれるとは限らないことを知っている。命は大事だ。復讐はやめなさい…言葉だけでは通じない。だからこそ、この作品を作ったんじゃないのか。
聖にはただのいい人ではなくて、もっと自分の境遇を嘆いて怒って、血反吐を吐くように苦しんで、スカーレットをみて…自分の家族は今どんなきもちか、復讐を犯人にしようとするだろうか…自分はそれを望むのか?そんな葛藤を経て…初めて彼女にそんな事をしないで生きて欲しい、と伝えて欲しかった。それだけのポテンシャルがあるのだから…。
監督は戦争がなくならず、理不尽に命を奪われる人々がいることや、そんな世界に対して嘆いて、考えて作品を作ったようだが、私には監督が自分なりの答えを出した…とは思えないし、よく分からなかった。難しいテ−マだけど…まとまりがなく、セリフもどこかで聞いたような感じで、持て余しているように感じた。理不尽に命を奪われた人間の代弁者の聖があんな感じだから…。
私見だか、復讐をしてはいけないとは思わない。ただ、復讐は自分を損なうものだと思う。四六時中他者への害意を募らせて、ずっと悪意の中に自分を置いている。自分を愛することができない。他者をゆるすこと、自分をゆるすこともできない。
多分作中ではそういう事を言いたいんじゃないのかな?聖にはスカーレットに自分を愛して、と伝えて欲しかったな…。
因みに…私はほかのレビューにあるような、ダンスシーンを不要だとは思わなない。むしろあっていいと思う。あれはスカーレットと聖の心の交歓だ。スカーレットが今の自分に迷う、心が揺らぐ大事なシ−ンだ。問題なのは、心が深くつながり合うまでに2人が至っていない…ということだ。あのシ−ンに意味を持たせるためにも、聖には上に書いたような葛藤を経てもらいたかった。
そんな聖からの言葉や気持ちを受け取って彼女は自分の世界へ戻ってもらいたかった。
長々と書いたが、細田監督作品を楽しみにしていただけに、何だか残念であり…何だか悔しいのです!
もうそれが一番の感想!
小っ恥ずかしいメッセージ
まず、スカーレットが父を殺された復讐のためにある程度戦って死んだ(負けた)と思っていたのに、ただ毒殺されただけだった。武力がないんだかあるんだか、安定しない。
メッセージはなんかこう“復讐の連鎖が戦争を生むから復讐をやめろ”みたいな感じ。父親からの『許せ』がなにを許すのかわかならくて、結局スカーレットが自分自身を許すことだったのはちょっとよかった。スカーレットが、はっと気づくみたいなシーンが多くて飽きた。聖は名前の通り聖人。通り魔に刺されて死んでいた。敵でも治療する。なんで看護師の必要が?医者でよくない?
スカーレットの復讐相手がなんで死後の世界にいるんだよ…?って思ってたけど
スカーレットが生き返ったら(生き返ったというか死んでなかった?)復讐相手(父の弟)は毒殺されてたんだけど、部下たちみたいのなんで全員死んでたの??ちょっとよくわからなかった。
最後はスカーレットが王女になって、戦争のない国を作ると民衆に約束する。
映画館空いてた
鑑賞後は虚無になった
素晴らしい映像表現だけど稚拙な脚本でなかなか物語に集中できませんでした
復讐劇を軸に展開すると思ってたけどなんだかな…
バケモノの子でわかってたのに予告編の出来が良くて今度はと期待して鑑賞したけど俺はダメでした
唐突なダンスや味のある敵役を目論んでいたのかもしれないけど空回り感は拭えなかった
結局この作品で何を伝えたかったのか?クジラがドラゴンに変わったけど?など不完全燃焼な部分が多いと感じました
鑑賞後深いため息をついて劇場をあとにしました、虚無になったのは俺です
【追記】
高評価レビューが気になり2回目鑑賞してきましたがやっぱり脚本の弱さが作品全体に悪影響を及ぼしてることを再認識できただけでした。
売れ残ってるグッズを見てまた虚無になり足早に帰宅しました
まさに〈虚無〉であります
観ているうちに、これは細田守氏を監督に招聘した、たまに劇場公開している宗教プロパガンダ映画だったかと思い、間違えて来たかと不安になり、「いやいやオープニングで某テレビ局のロゴが出ていたよな…」と思い直す、そんな観賞状態でした。
全般に実写映像(CG?)を撮って、人物だけアニメ作画する作り方なのでしょうか、息を飲むほどの映像、動きがありつつも、時折、アニメ作画の質が安定せず(特にモブキャラ。メインキャラもたまに)、実写的背景との格差が大きいカットも散見し、このクオリティで出すのかと残念に思いました。
また、主人公スカーレットの身長やあの運動性を発揮する筋力、生い立ちなどを想定すれば、もっと太く、しっかりした声になるはずで、違和感を覚え、聞いているうちに慣れるかと思っていましたが慣れずに終わりました。(芦田愛菜さんが悪いわけではありません。好きな俳優さんです。キャスティングの問題かと)
その他、都市開発PVみたいなのが出て来たり、「あんた、いつからいたの?」と思うサブキャラの突然登場や、「王様が処刑された後の王妃や王女の扱いって普通はどうでしたっけ?」などなど、細かい「何で?感」や違和感がいつもより連なる脚本でした。
細田守監督作品は全て、何度も観ております。それぞれにメッセージやキャラも変わり、観る人によって評価の上下はあるかと思いますが、ある程度までの作品品質の維持・管理はできていたはず。それさえ、もはや希薄になられた結果かと、ショックで頭の中が真っ白。まさに〈虚無〉となりました。帰りの運転が危うそうになり、すこし気持ちを立て直してから帰りました。
聖が実は、争いの無くなった遠い未来から来た、「癒し系(慰め系)AIアンドロイド」で、廃棄される寸前、何かの拍子でこの世界に現れた。という設定だったら、彼の行動の矛盾、モヤモヤも「人間じゃないから」で無理くり解消できたかなと思いました。
酷い部分が良い部分を凌駕してしまった...
初日、初回にIMAXで鑑賞しました。
自分は細田監督ファンで、前作の「竜とそばかすの姫」もやや難ある脚本でしたが、それ以外の部分が素晴らしく映画は4回観て、得装版の4Kブルーレイも購入してしまいました。
今作は俳優陣の演技も違和感なく良く、アニメーション、背景美術、音響など、技術面は素晴らしかったのですが、演出と脚本がちぐはぐしていて、登場人物たちに感情移入できませんでした。
中世デンマークが舞台で、その時代の人物(死者)たちが主に存在する「死者の国」に、何故か現代の日本人青年が登場するのですが、彼の存在が違和感ありまくりで、スカーレットが刺客たち殺されそうになって返り討ちにしても「殺しちゃダメだ!」と説教したり、何の躊躇もなく馬に飛び乗ったと思えば敵に集団に向かって「戦いはやめよう!」を宣ったうえ、助けに入ったスカーレットが窮地に陥ったりと、平和ボケにもほどがあります(終盤にはスカーレットを救うため方針を変えるのですが)。
また、スカーレットが窮地に陥った時、突如上空に龍が現れ、電撃で事態を打開してくれる事が何回かあったのですが、これもご都合主義にしか思えません。
予告編にもある現代日本で陽気にダンスを踊るシーンですが、導入に無理があるうえ今作の世界観と違和感がありすぎて、本当に映画館を出て行こうかと思いました。
復讐心に駆られたスカーレットがどうやって憎しみの連鎖を断ち切るのか?というのが今作のテーマの1つで、ウクライナやガザなど今でも戦争が絶えない現代に相応しい題材だったのですが、結局は綺麗ごとで終わってしまい残念です。
スカーレットを始めとした中世の登場人物だけに限定し、ダークな世界観で統一しておけば及第点ぐらいの出来にはなった思うのですが、余計な演出が差し挟まる事で作品の価値を大いに下げてしまいました。
ここまで酷評を書きましたが、今までの作風とは打って変わった世界観に挑戦した細田監督の心意気は素晴らしいと思うので、次回作に期待しています。
【”赦し。そして恩讐の彼方でスカーレット王女が悟った、崇高なる事。”今作は細田監督の”民を想い、争いの無き世に。”と言う強きメッセージを鮮やかな色彩によるアニメで描き出したファンタジー作品である。】
■王である父を、叔父の企みにより処刑されたスカーレットは、幸せだった日々から一転し復讐を果たすために剣の技を磨くも、一枚上手の叔父に毒を盛られ、死者の国へと降り立つ。そこで、看護師の日本人青年、聖に逢い共に旅をする事になる。
叔父も死者の国に居る事を知ったスカーレットは、復讐を果たすべく叔父を追うのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作を観れば、細田監督が争いの絶えない世界の状況を憂い、今までの路線から大きしシフトチェンジし、今作を製作した事が一目瞭然で分かる。
・今作では、劇中でも台詞で出るが、”死とは何か、生きるとは何か、愛とは何か”を雄弁に物語っている。又、権力欲の醜さの象徴としてスカーレットの叔父が設定されている。
・最初は”自分は生きている”と言っていた聖の存在や、叔父が何故に死者の世界に居たのかなども、最後半に明かされる。二人は、全く正反対の理由で死者の世界に居るのである。
<人間は憎しみあっても、それを続ければ現況下のイスラエルとパレスチナ、ロシアとウクライナの関係の如く負の連鎖が続くだけである。
細田監督はその解決策として、キリスト教の”赦し”と言う概念を入れる事で(勝手な解釈であるが、故に舞台と登場人物の造形をロシアとウクライナ、パレスチナをイメージさせる異国にしたのであろうと思うのである。)その負の連鎖を断ち切ることを、強いメッセージとして描いたのだろうと思った作品である。
又、今作の水彩画の様な、鮮やかな色彩をベースとしたアニメーションが、その想いに彩りを添えている点も今作に魅力を与えている作品であると思う。>
映像と音それとやっぱり芦田愛菜ちゃん!
最初から最後まで芦田愛菜の声質がスカーレットと同化する感覚が持てな...
テーマ・・・時代の求めるもの
真摯に描かれ、多くのアニメーターたちが3年も4年もかけて
完成させた真面目で格調高い作品だと思います。
ただ戦略的に考えて物語世界が古臭くないでしょうか?
「ハムレット」を思わせる王の座を狙う叔父により殺された父。
その復讐を誓う
娘である王女スカーレット(声=芦田愛菜)
「死者の国」へ行き、死んだ父王のいる“見果てぬ場所」を目指す。
シェークスピア悲劇によくある死者の亡霊も出てきます。
おまけに、龍のような魔物まで。
(消化不良を起こしそう)
スカーレットを助ける現代から来た看護師の聖(声=岡田将生)
彼と共に2人の冒険の旅は続いていくのです。
爆発的人気の鬼滅の刃、
ダークで予測不能なチェンソーマン、
二つのヒット作に較べるとキャラやストーリーに新鮮味が薄く
凡庸に感じてしまいます。
今の時代が、中世デンマークを舞台にした王女の復讐物語に
新鮮な気づきや興味が持てるでしょうか?
【今みたいのは、これじゃない感】
拭い去れなかったです。
有名俳優を声優に使っても中身の薄さを補えるものではない。
芦田愛菜の熱演も頑張りすぎて痛々しいのです。
いきなりの原作もので、ドラマで積み重ねたようなブランド力がない
オリジナルアニメはよっぽどの画期的新しさ、エグさ、魅力がないと
難しいということが如実に現れた気がします。
「バケモノの子」とか「おおかみこどもの雨と雪」は
今観ても古くない。面白いのです。
決してストリーも作画も悪いわけではない。
ただエンディング曲も芦田愛菜ではなくて、
もっとクオリティの高いプロ歌手の歌うヒット性のある名曲を
聴きたかったです。
この作品はちょっと興行的に厳しいと思います。
かなりお客さんが少なかったです。
「争い」「憎み」「恨む」ことよりも「愛する」「赦す」事が大事だというテーマの映画です
細田監督の映画という事で観に行きました。
・「争い」「憎み」「恨む」ことよりも「愛する」「赦す」事が大事だということがテーマの映画だという事は理解しました(「ハムレット」をベースに細田流にアレンジしています。復讐劇を貫徹せず、赦すというテーマにラストで変貌しますので、エンタメ的には盛り上げに欠ける感じがします。「ダークファンタジー」と呼べます)。
・中世ヨーロッパ「デンマーク」の王権の争いで、父王を殺した叔父「クローディアス」に復讐したい娘「スカーレット」が、現代日本から紛れ込んだ看護師「聖」の献身的な姿勢に心奪われ、「愛する」「赦す」という心に変貌していく様を描いています。
・「愛する」「赦す」というキリスト教的な価値観の映画なのかと思えば、「中世の現実世界」→「死者の国」→「見果てぬ場所」という3つの世界(場所)があるので、独自の世界観になっています。
・「死者の国」で、再度死んだ(?)者は「虚無」に落ちていくという設定もわかりづらいです。空の上から現れる「怪物」が何者なのかもよくわからないです。
・現代日本の看護師「聖」が中世の「死者の国」に紛れ込んで「看護するという善意」を実施するという設定に無理があります。
・映画の全体像が掴みづらいのは「脚本」に原因があると思います。
・芦田愛菜が「きれいに」歌が歌えることはエンディング曲でよくわかりました。
・映像は「暗いモノトーン」な描写ですが、全般的にきれいでした。
擁護出来ない
すみません。なるべくいいところ探したのですがダメでした。
予告でつまらなそうと思った人は絶対つまらないと思います。
一応見れる映像ではありただの落書きではないので星1.5にしてますが、最近で1番つまらない映画でした。
強いて言えばエンディングのテーマ曲が良かったです。
実は面白い映画だったと思えるすごい考察を誰かが出してくれることを願ってます。
設定は無理があって、死後の世界を前提にしてもおかしなことだらけです。
変なことをやったり言ったりするので何回か失笑してしまいました。
映画のテーマと起きる出来事も矛盾だらけな気がします。そんな考えじゃ解決できないのでは?と思うことはご都合で解決してしまいます。色々なシーンで、いいこと言ってるけど結局それかと。
ダメな映画でもなるべくおすすめ出来る人を探したいのですが、今回はおすすめ出来る人はいません…
個人的には満足
前情報無しで見た感想です。
話は綺麗にまとまっていて見やすかった。
無理矢理な展開が無くて結構納得行く終わり方だった。
第一パートは主人公一行の出会い。
ここでは異文化交流や理解し合う心などを表していたと思う正直ダンスパートとその歌はシリアス展開に合わずやらない方がいいと感じた。
ダンスもダサすぎて金ローで放映されたら絶対ネタになるレベル。
芦田愛菜声優あんま向いていないと思う。
第二パートは純粋なストーリーの展開。
主人公が何が重要なのか気付き始める感じ。
ここは文句なし。
第三パートストーリーの締めくくり。
予想はできたがまさかのミスリードで度肝を抜かれたこれ以上は書けない。
作品全体を通してわかりやすい展開になっていた、テーマが大きいだけに迷走するか心配だったがその必要はない。安心して見れた。作画は流石のスタジオ地図レベルが超高い。ただ一つ文句を言うならキャラはCGかアニメーションで固定してくれ、切り替わりに多少の違和感があった。しかし別の世界として際立っていたので自分は好きじゃないがメリハリをつけるのに一役買ったのかもしれない。
ディズニーみたいなミュージカルパートは作品には必要だったかもしれないがもっと別の形あったろ。間違いなく雰囲気を破壊している。
最後にこの作品のメッセージ性は他の細田作品に比べて桁違いに強かったと思います。今の時代の日本ひいては世界に必要な考えをうまい具合に伝えて来た作品という印象です。
完成度が高いのでミュージカルパートのマイナスは満足度で打ち消せるでしょう。
果てしなき虚無への説教
前作の竜そばも大好きだし、これまでの監督作品を概ね好ましく受け止めてきた民として忌憚ない意見を述べる。
4年ぶりの新作ということで、期待して見に行ったが、正直つまらなかった。何も心に残るものがなかった。ハムレットを題材にしているということで、嫌な予感はしていたのだが、実際、自分にとっては何も得るものがなかった。残念な2時間であった。
良いところを述べると、まずは声優さんの熱演。芦田愛菜はハードな芝居をこなし剛柔を使い分けた熱演がとても良かった。周りを固める声優さんも名だたる名優ばかりなので、若干周りに押されている感だったり、拙い演技の部分もあったとは思うが、それでも十分に素晴らしいと感じた。
映像表現はこれまでにないレベルで繊細かつ微細な背景CGが随所に見られたし、竜のCGであったり、落雷のCGであったりと、迫力満点で目を見張るような見事なものが多かったと思う。
ただ、どうしてもストーリーが受け入れられなかった。道徳の授業なのかと思うばかりのくどくて説教臭いセリフ回し。虚無の設定や死に様もあっけなくて心に残らない。辻褄というか整合性を放棄して伝えたい事を優先したのだろうとは思うが、伝わるものがなく虚無感を抱き続けた2時間弱だった。
何が言いたいのかわからない。
何を伝えたいのかわからない。
いったい、細田監督は私たちに何を見せようとしたのだろうか?
時かけと国宝の脚本をした奥寺さんよ。
どうか帰ってきてくれと望むばかりである。
ファンの皆さんごめんなさいm(__)m
IMAXで鑑賞、私は乗れませんでした。
漫画版「風の谷のナウシカ」のクシャナ様的なスカーレットを期待していた私は絶望(笑)。
兄王を処刑しておいて、その娘をそのままにするのは疑問。
復讐心まる出しな剣術の訓練でスカーレットの成長を描いているが、
殺さないまでも幽閉ぐらいするだろ。
兄王に重臣がいないのも疑問。
ストーリー的には、幽閉されていたスカーレットを元重臣達が逃がして、
元重臣の一人に剣術を学ぶ。しかしその元重臣達は次々と弟王に殺されていき
ますますスカーレットは復讐に燃えるのだった・・・
・・・みたいな感じを見たかった私は絶望(笑)。
細かいところをすっ飛ばしすぎで、ちゃんと丁寧に描いてなくて絶望。
民衆を率いて立ち向かうスカーレットを見たかった私は絶望。
でも冒頭で「デンマーク」と字幕で出たので実話かな、実話なら史実にのっとって
描いてるのならしょうがないか・・・
て思ったら!
ストーリーのモデルは「ハムレット」かよ!
で絶望(笑)
そして・・・
主人公のスカーレットが感情的になると
毎回「はぁーーーーーーー」
の台詞ばかりで笑ってしまった(笑)
あ、前の映画でそんな表現あったなって
思い出しました(笑)
シーンでは何かと真っ白になっちゃうし(笑)
そんなに「愛」について描いてないのに「愛」押しで疑問。
「愛」って聖の救護の事かな・・・(笑)
聖!矢を放つんかーーーーい(笑)
で疑問。
最後は取ってつけたような「お涙ちょうだい」の別れのシーン・・・
ドラゴンは何だったの?
おばあさんいらんだろ!
なぜサンバ押し?
弟王の毒殺計画したのに現世に戻ってきて綺麗なベッドで介護されてたの変じゃない?
その他いろいろ疑問が大渋滞でした(笑)
でも芦田愛菜の歌が聞けて良かった!
「3DCG技術はここまですごくなったんだよ」って自慢されているような映画でした(笑)
前作の「美女と野獣」といい何とかしてください(笑)
超絶難しいテーマを扱ったことについて考えさせられた作品
映像は素晴らしい。とくにドラゴンはよかった。最後のモブ戦闘シーンは大迫力だ。
しかし、どうしても問題点ばかりが気になる作品だった。
普段私は作品の良かった箇所の感想を書いている。せっかく見た作品だ。良かったところを覚えておく方が得なはずだ。でもこの作品は、問題点について考えることの方に意味がある作品のような気がする。2時間程度では本当は語れないような「根深い問題」にチャレンジした作品なのだ。
この作品のテーマは「憎しみ」だ。主人公は父を殺された憎しみに囚われて生きている。大事な人を殺された憎しみは、まぁいいか、とはならない。それはときに戦争の要因になる。実際、今も続いているガザの戦争は憎しみの連鎖だ。憎しみは悲劇を生む。そんなのよくない。誰にでもわかる。でも「憎しみの連鎖」はずっと人類が解決できない問題だ。
この作品は、中世デンマークの王女スカーレットを主人公にしている。私たちとは境遇が大きく異なるスカーレットは、私たちと大きく価値観が違っているはずだ。なので普通の作品なら、スカーレットの物語を通して「私たちの価値観」を揺さぶる構成にするのが常套手段だ。でもこの作品は逆なのだ。現代人の「聖(ひじり)」を登場させることで、スカーレットに「現代の価値観」をぶつける。それを「憎しみの連鎖」を断つきっかけとして使う。これは無茶だ。中世の命を懸け戦う王女に、憎しみを捨てろと言わせるのは、現代人には荷が重すぎる。いくら命と向き合う仕事をしていたとしても、スカーレットに比べて言葉の重さが違いすぎる。スカーレットの境遇や苦しみにショックを受けて、聖の方が変わって行く方が自然な構成になっているのだ。なのになぜこの構成にしたのだろうか。
(ここからは私の想像なので的外れかもしれない。)
憎しみをテーマとして扱うなら「許し」を描かなければならない。それにはスカーレットにとって「許し」が如何に難しいか、を描く必要がある。中世の方が私たちより「恨み」は根深くて「許し」は難しかったはずだ。しかしそこを丁寧に描いていると時間が足りない。それだけで一大テーマだ。だからスカーレットを現代人の価値観に近づけた。現代の価値観を知ったスカーレットが「それでも許せない自分」と向き合う。そうすることで、観客が共感しやすくなる。観客は自分の価値観を変えることなく、スカーレットと一緒に「許し」の問題に向き合うことになる。そしてそこまで観客を連れて行ったあとで「許せない自分自身を許すこと」の大切さを描く。そうなっているのではないか。
この私の仮説が正しいなら問題は明らかだ。これだと観客は価値観を壊されない。今までの価値観の延長上に答えがあることになる。確かに「許すべきは相手ではなく自分自身」と言うメッセージは力のあるメッセージだった。それでも、スカーレットの方が私たちの方に寄って来てはダメだ。せっかく彼女の物語を見てきた私たちは、スカーレットの方にジャンプしないといけないはずだ。
この作品の問題点は、言うは易しだ。じゃぁ、どうすればよかったのかなんて私にはわからない。中世の王女の気持ちが、少しでも自分事として「わかった」と思えるためには、そこを丁寧に描く必要がある。それをやりながら、この作品が伝えたかったメッセージにたどり着くには、2時間程度ではぜんぜん無理だ。では、中世を舞台にせずに現代にすればよかったのだろうか?そうすれば共感の障壁は近いはずだ。いや、それだとこの作品の扱うテーマはリアルすぎる。戦争は今の私たちにとってリアルすぎてファンタジーにならないのだ。歴史物語にメッセージを仮託することは必要だったのだと思う。でも歴史物語の主人公が現代の価値観を語っていると、それはどうしても「薄っぺら」の印象になってしまう。
それでもこの作品が目指したところはとても共感する。志の高さは本当に素晴らしいと思う。映像美も素晴らしかった。間違いなく、見てよかった作品だった。
感情移入させない展開に感じる導入でした。
憎しみを捨て愛を知る物語だけに留まらないらしい
聖に出会いスカーレットが変わっていくお話。
近未来の渋谷が何度か出てきますが、それがひとつのサインかと思います。
冒頭、カーニバル風の歌のみが流れ、途中、おそらくは集中治療室にいる聖の場面から誰もいない渋谷の街にカーニバル風の歌が流れる。
そして、スカーレットに未来に流行った歌として聖が歌ったときに、同じカーニバル風の歌が流れスカーレットが近未来の渋谷で自身に似た女性と聖に似た男性が一緒にダンスを踊っているビジョンを観て、復讐しかなかった自身の生き方を見直すきっかけとなり、翌朝、ビジョンで観た女性と同じように髪を短く切る。
聖にビジョンの話をして、ダンスを聖がリードしてくれたと言ったけど、聖はフラを上手に踊れないほど踊りが下手なので、自分ではないと否定。
よくよく考えると、これはスカーレットが女王に即位し世界をよくした結果、近未来の渋谷で、死ぬことの無かった聖とスカーレットの子孫(生まれ変わり)が出会ったということなのだなと思いました。
エンディングの歌詞にも、そのようなことを暗示する歌詞が組み込まれてるので、実は中ほどの近未来の渋谷が真のエンディングなんだなとも思いました。
最後のシーンは、聖が虚無とかすので少し悲しかったですが、まぁ、そうなるよねという印象。
尺の関係で少し話が唐突な部分も有りますが、よくまとまっていると思いました。
小説版では映画で省かれた部分が丁寧に書かれている一方で映画版では小説版にはないアレンジもされているとのことなので、小説版を読んで鑑賞すれば新たな驚きがあるかもしれないと思いました。
まとめサイトによると凄い仕掛けが織り込まれているとのこと。
なので、個人的には、酷評するほどの作品ではなく、良い作品だと思います。
細田守.....またやっちまったか
「竜とそばかす」は「美女と野獣」が安っぽいご都合主義ストーリーに堕していたがまだ観れた。今回は「ハムレット」の出来損ない。やろうとしてること(ハムレットの新解釈のアニメ表現?)は分かるが全く説得力が無い。
ハムレットが男女転換してスカーレットなのは良いが、相方が現代日本人の聖(=平和な未来の象徴か)なのが全く作画的に合ってない。普通に細田キャラの西洋人の未来人ならここまで違和感は無かったと思う。 ハムレットの焼き直しだと分かってないとなんで中世デンマークなのかも分からんで唐突だろう。これも架空の中世ヨーロッパ的世界でよかったろう。
背景が実写動画からアニメ風に変換(またはAI合成か?)したものを多用。そのせいでスカーレットのキャラデザインが従来の細田キャラからリアル寄りになったのか? なんにしろ従来の細田守の世界観を期待した向きは失望したろう。動きもモーションキャプチャー多用でアニメの動きではない部分が多く、従来的アニメの動きの部分と混じって違和感がある。
主演の芦田愛菜は歌も含めて頑張ってたな。それくらいしか見どころがなかった
復讐に囚われた少女が生きるとは何か、愛を知る物語
父の復讐に囚われた少女(スカーレット)が青年(聖)と出会い、人として成長する様が良く描けていた。
復讐を果たして消えてしまいたいと、復讐を遂げることが人生の目的になっていたスカーレットだったが、聖がその心を動かしていく__。
その過程、そして結末に号泣した。
この人生、自分らしく生きることが最も大切だと改めて考えることができた。
復讐がテーマの作品なので終始作品の雰囲気が暗いのだが、聖との別れのシーンや、階段を昇るシーン、現代でのダンスシーン等、美しく明るいシーンも散りばめられていたため、バランスが良く飽きることなく観終わることができた。
ただ、どうしてもスカーレットの声が芦田愛菜さんそのものなので、物語序盤は芦田愛菜さんを意識せざるを得なかったのは少々残念ではあった。
とは言え、中盤からは物語にしっかり入り込めたのでそこからは気にならなくなった。
演技自体とても素晴らしく、劇中曲やエンディング曲は素晴らしい歌声だったと思う。
総じて素晴らしい作品だった。
素敵な作品を創っていただき、ありがとう。
全854件中、801~820件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










