果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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ずっと復讐劇
本作品は、いろんな意見があるが、批判的な意見が目立つように思う。同意だ。
本作品は、そういう立ち位置で見るべき。皆は、なんかハッピーエンドに向けてすごいことが起きるのではないかと、期待に胸膨らませながら観ているかもしれないが、起承転結あったか?と疑った。残念ながら、スカーレットの絶叫が続く復の旅路の映画で、たしかに表題のとおりだったので合ってる。
エンターテイメント性は何く、またストーリー性の起伏も皆無だが、画はよく、芦田愛菜の声優としての力のある声は流石だった。
監督は、本作で死に対しても取り組んているように見えるが、結局絵面としては出さなかったのは、コンプラに抵触するからなのか残念である。もっと、ストーリー性があると良かったなあ。
虚無しか残らない
酷評されているので実際にこの目で見て確かめたくて見てきました。
見た後に虚無感が残りました。感情が動きませんでした。
何故なら聖と言うキャラが浮いていて感情移入ができませんでした。
何故一人だけ令和の日本人がいるのか?
単に現代的要素と看護師と言う設定を話に盛り込むために
無理やり入れたからとしか思えませんでした。
良く細田監督は浅いと言われたり、背一定の穴を突かれていますが
テーマを決めてそれを後付けで進めるために無理やり思いついた物を
ぶち込んで行っているだけで、綺麗に整理されている感じが全くありません。
最初は少しワクワク感もありますが
中盤から早く終わらないかなと思ってみてました。
芦田愛菜さんは女優としては好きですが
今回声優としては微妙な感じがしました。
絵は綺麗で表情も豊かですが、瞬きをしない目に違和感を感じました。
ファンタジー要素があるのでリアリティがないのも当然ですが
あまりにも何でそうなるの?と言う疑問が出てくると
物語に没入できなくなります。
今回は映画デーで1200円で見ましたが2000円払ってみたい作品では
ありませんでした。
面白いと感じる人もいるとは思います。
ただそれは子供のような純粋な心で何も考えずに
アンパンマンを見るのと同じ感覚で見ればお話としては完結しているので
面白いと言えるかもしれません。
残念ながら私はそういう見方はできませんでした。
今の時代に届いて欲しいメッセージ
近年稀に見る酷評の嵐
元々見るつもりは無かった
何故なら、PVの時点で面白さはあまり感じられなかったからだ。
じゃあどうして見たのか?
あまりにも酷評が多いからだ。
じゃあ気になるじゃないかということで見に行ってきた。
実際に見てみて思ったのは、
酷評レビュー(ネタバレ無し)がマシに思えるくらいつまらなかった。ストーリーが全然詰められてなくて演出が曖昧で意味が分からなかった。キャラに魅力を感じないほど設定がよわい。
ただ、話の流れや結末はそんなに悪くない。
問題は物語の曖昧さ加減と設定の弱さにある。
自分は、映画を見る時は期待を胸に抱きながら作品を楽しむのだが、今回は期待せずに行った為そんなにドン底に落とされることは無かった。
世界観は良く、ひとつの映像としては非常に良い。
近年稀に見る酷評の嵐。とても残念だ。
美しい!映画館で観ないと勿体ないです!
私も余りにこの作品の酷評が多すぎるのでこちらのIDを作りました。
細田監督作品は「竜とそばかすの姫」を自宅で観て、その独創的な世界観と映像美に感銘を受けたので楽しみにしていました。
今回の「果てしなきスカーレット」は、映像が美しすぎます!アニメーションの映像作品を多く観ているわけでは無いですが、映像表現が「君たちはどう生きるか」や「シン・エヴァンゲリオン」より斬新に感じました。画面が大きければ大きいほど楽しめそうな作品です。このような精緻で迫力ある3D?CGの背景や人物の細やかな汚れ描写は初めて見るのですが、今後、新しい表現としてアニメ史に刻まれるのでは無いでしょうか?不穏な雲や水、龍や馬の動き、そして火山の噴火シーン、などなど素晴らしい映像美が随所に見られます。
美術史では新たな技法が誕生すると歴史に残ります。例えば、レオナルド、ダ、ヴィンチ生み出したのモナリザのスフマート技法のように。アニメ史の新たな表現法を駆使した作品として残るのではないでしょうか?
そして、ストーリーも比較的わかりやすいです。シェークスピアを読んでいなくても十分堪能できます。音楽も良いので私は3回鑑賞しました。1回目より2回目の方がダンスシーン等の意味がより理解でき感動できました。もしかしたら、舞台などをよく観に行かれる方の方が柔軟に楽しめるかもしれないですね。
細田守の新たな到達点:時空を超えたラブストーリーと死後世界の奔放な創造、そして新たな統治思想の融合
細田守原作・脚本・監督による2025年製作(111分/G)の日本映画。配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。劇場公開日:2025年11月21日。
めちゃくちゃ面白かった。特に、主人公スカーレットがたどり着いた「死者の国」の斬新さと美しさに驚かされ、そして感動させられた。
死後の世界でありながら、独裁者や大衆、天国を求める人々、強盗を襲う強盗、雷を落とす巨大なドラゴンまで存在し、死んでいるのに、なおもう一段深い死があるという世界が描かれる。その虚無を恐ろしがる人間たちの姿も含め、とてもユニークで人間の業の深さを見せつけられるようで意味深だった。巨大なドラゴンは突然現れて悪を滅ぼす。一神教の恐ろしい神のイメージを体現した存在なのか。この世界で再度死ぬと、枯葉のように変化し、虚無となって消えてしまうという映像表現が実にあざやかで、本当に消失してしまう悲しみを見事に描いていた。
そして険しい山の頂上には、普通には見えない天国「見果てぬ場所」への階段がある。その透明で美しい階段を登るスカーレット。こんな素敵な映像は初めて見た気がした。そして、登りきったところは大海の底で、そこを潜り抜けると南海風の楽園が広がる。今までの細田守の殻を突き破ったような、とても豊かで奔放なイメージであった。
スカーレットの敵を倒すアクション・シーンも、看護師の聖との出会い時の複数の戦い、聖を救う騎馬戦シーン、群衆の中での闘いなど、いくつか周到に用意されていて、彼女の俊敏さと強さ、剣を使った闘いのスピード感と迫力に大感激であった。
ヒロインの愛する相手が看護師という設定もユニークで、とても良いアイデアに思えた。医師ではなく男性看護師がヒロインの恋する相手という映画は、初めて見た気がした。理想主義者で、スカーレットに「いいこちゃん」呼ばわりされるところも、観客の気持ちに寄り添っていて良かった。そんな彼が、薬やマッサージで痛みを和らげてあげるといった看護技能を用いて、警戒心の強い旅団の人たちの心をたちまちつかむ展開が楽しい。下手くそながら一緒に踊る姿が魅力的で、声優としての岡田将生の優秀さも感じられた。
そしてスカーレットが、かがり火の燃える夜、2034年の渋谷に行くシーン。タイムトラベル表現は月並みとは思ったが、歌と踊りの映像に十分なトリップ感があり、とても素晴らしかった。お見事とも感じた。ただ、宣伝に使わずに伏せておけば、より衝撃的で良かったのではとも思った。
「死者の国」での最後、虚無となってまさに消えゆこうとしている聖に口づけをするスカーレット。アニメとして究極のラブシーンに思えた。消えゆく一瞬の輝きという、なんとも日本的な儚く美しい映像美に唸らされた。
そして、復讐に突き動かされ続けたスカーレットが、その果てに辿り着いたのが「許せ」の両義性。確かに、自分も含め世界中の人々が、今こそ必要としている価値あるメッセージにも思えた。
最後、毒を飲んで死にかけていたスカーレットは目覚め、デンマークの新しい王となって民衆に平和主義的理想を語り、熱狂的な支持を受ける。さすがに、ここだけは綺麗事すぎて少し見ている時は白けた。
しかし、中世デンマークには、映画の提示年代とはずれるが、王女マルグレーテ1世(1353〜1412年)が実在したことを知る。
彼女は1375年に5歳の息子国王の摂政としてデンマークを事実上統治し、さらにノルウェー・スウェーデンと連合したカルマル同盟(1397〜1523年)を成立させ、複数国を一体化させることで北欧全域を安定化させた。同盟は武力によるものではなく、三国の貴族・王族・有力者間の利害調整と協約によるものだった。王権を暴力や恐怖ではなく、交渉・合意・妥協・制度構築によって維持した稀有な統治者だったらしい。結果的にデンマークは、1534年にドイツ・ハンザ同盟の軍事侵攻を受けるまで、他国の侵略を受けなかったという。
戦争だらけの中世欧州でこのような歴史的事実があったとすれば、スカーレットの方針も絵空事ではなく、とても有効な戦略ということかもしれない。細田守の頭の中には、彼女の成功がスカーレットの一つのモデルとして、多分あったのだろう。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守、製作指揮、澤桂一、製作桑原勇蔵 門屋大輔 菊池剛 市川南 齋藤優一郎、製作統括江成真二 工藤大丈 上田太地 小池由紀子、製作総指揮飯沼伸之、プロデューサー齋藤優一郎 谷生俊美 高橋望Co-プロデューサー櫛山慶 佐原沙知 荻原知子、作画監督山下高明、キャラクターデザインジン・キム 上杉忠弘、CGディレクター堀部亮 下澤洋平 川村泰、美術監督池信孝 大久保錦一 瀧野薫色彩設計、三笠修、撮影監督斉藤亜規子、プロダクションデザイン上條安里、衣装伊賀大介、編集西山茂、音楽岩崎太整、エンディングテーマ芦田愛菜、リレコーディングミキサー佐藤宏明、音響効果小林孝輔、ミュージックスーパーバイザー千陽崇之、キャスティングディレクター増田悟司 今西栄介、CGプロデューサー豊嶋勇作、CG制作デジタル・フロンティア、スタントコーディネーター園村健介、スタントアクター伊澤彩織、企画スタジオ地図、制作スタジオ地図。
声
スカーレット芦田愛菜、聖岡田将生、ポローニアス山路和弘、レアティーズ柄本時生、ローゼンクランツ青木崇高、ギルデンスターン染谷将太、少女白山乃愛、老婆白石加代子、ヴォルティマンド吉田鋼太郎、ガートルード斉藤由貴、コーネリウス松重豊、アムレット市村正親、クローディアス役所広司、墓掘り人宮野真守、墓掘り人津田健次郎、年寄りの長羽佐間道夫、宿の主人古川登志夫、波岡一喜、内山昂輝、斎藤志郎、上田麗奈、種﨑敦美。
王女が一人で盛り上がってるなぁって印象の映画だった。
・前評判がとても厳しくてどれほどかと思ったけどそこまでかなって印象だった。絵がきれいだったので観れた気がする。とはいえ。
・16世紀のデンマークの王女が王様である父親を謀略で殺され、その復讐に燃えるが毒殺され、死後の世界でも復讐をとげるために奮闘するという話だったと思うのだけど、色々とわからなかった。
・死後の世界も普通に生きてる感じで、更に死んだら虚無になるっていう設定はもはや、死んでなくていいのではと思った。ドラゴンみたいな怪物が一体いるだけだし、対して変わらないようだったし。
・王女が何かしらの形で殺されて死後の世界にいるんだなぁって思ったら、何故か復讐相手も死後の世界にいたり、部下もまるごといたりして一体なにがあったんだという事が気になった。後半で王女に盛った毒を自分も飲んで死んだっていうあほみたいな死因でなんだそりゃと思った。
・王女が父親を殺した父親の弟を暗殺しようとして眠り薬をもって眠った所を殺そうとするも毒を盛られて倒れていた。その後どうなったんだろうと思ったらそこで死んでいたらしく、その割には軽症に見えたので驚いた。
・死後の世界で多分、現代日本の看護師の青年と会っていた。時空を超えて死後の人たちとが接触するという設定は面白いなぁって思ったら現代の人間が看護師の青年だけっぽくてもっといろいろいていいんじゃないかと思った。
・ラスボスが何で王女の仇なのかが不思議だった。死後の世界で虚無になってない人たちとなってる人の境界線もよくわからなかった。死後の世界で死ぬとなるのか、直行で虚無になるのか。もう一度死ぬということなら世界中で時空も超えるから相当数の人たちがいるだろうし、その頂点ならもっと別の人なんじゃないかって思った。
・天国?へと皆が行きたがっているっぽかったけど、町で楽しそうに生活してるようだった。ちょっとぼんやりしてたせいか、急にクーデターみたいになっててじゃあ、なんで町で暮らしてたんだろうとか思った。
・ドラゴンの存在について何も説明がなくてなんだったんだろうって思った。何故か最後消えてしまっていた。
・四天王っぽい敵があっけなく負けてて驚いた。
・看護師の青年が殺されたんだろうなっていうシーンが三回くらいあって、多いなぁって感じた。
・王女と青年が普通に会話してたのが不思議だった。あと青年が最初から順応しすぎてて不思議だった。
・王女の母親が一番嫌な奴だった。なのに生きてるし最後も悲鳴あげるしで嫌な気分になった。
・キャラクターが全体的に何か薄く感じられた。
・色々と説明がないまま話が進んでいって王女が一人で盛り上がってるなぁって印象の映画だった。
・ラスト、演説シーンで人、多すぎるだろって思った。
見て良かった、おもしろかったですよ。
細田作品は子供と一緒にサブスクで見てる程度です。
芦田愛菜ちゃんが声優とのことで、劇場での予告を見て気になってたものの、公開後の低レビューにひるんでましたが、結論、見て良かったです。
大人向けなのかもしれません。確かに過去作と毛色が違いますが、見応えあって良かったですよ。
圧倒的な映像美、これはスクリーンで見ないと勿体無い!
個人的には、国宝と並んで今年の一本と言える作品でした。劇場で見て良かったです。
「死」によって出会い、「生」によって別れる。
今までにないラブストーリーだなと思いました。
普段はレビューは見るオンリーなんですが、思わず書いてしまいました。
これは見完成品映画なのでは??
発表から楽しみにしてた細田守監督作品「果てしなきスカーレット」を見ました。
父王アムレットが叔父クローディアスの謀略により殺されてしまい、復讐に燃える王女スカーレット。しかし、そんなスカーレットも毒殺されちゃいます。死者の世界でスカーレットはクローディアスも死者の世界にいる事を知り、新たに復讐にまい進するお話。
今までの細田映画と打って変わった殺伐とした世界とフルCGアニメ。しかし、思ってたよりもスカーレットの表情が良く、キャラの見せ方や動きもCGだからというものを差し引いてもとても良かった。また声を当ててる芦田愛菜の声優っぷりも非常に良かった。映像の見せ方はさすが細田守演出だと言ったところだ。
しながら、なるべく情報を見ないようにしていながらもサムネで見えちゃうのは「爆死」「不評」だらけの不穏な言葉。
あえて嵐に突っ込む気で見に行き、見終わった感想は「面白かった」「つまらなかった」よりも「これホントに完成したストーリー?」という事だ。
そもそもにこの死者の世界ってのがフワッとしててホントにここにいる人たちはみんな死んだ人達なの?ってか何でクローディアスやその4人の中ボス達も死者の世界にいるの?とまるで説得力のない導入に???だらけ。そもそも聖の存在も謎に現代人。日本の時代劇に突然説明も無くヨーロッパの甲冑着た外国人が登場するような感じで謎すぎる。
しかし、聖自体はストーリーのギミックにちゃんと噛み合っていて役割もきちんとこなしているので存在価値はある。ただ存在理由が謎なのだ。
この話、細田守の中ではきちんとできていると思うのだが、それを脚本に落とし込めていない未完成な作品なのだろう。
基本的なストーリーは割と王道を行ってて面白いものだと思う。ただ細部までちゃんと作り込まれていないのだ。料理で言うならちゃんとお肉が焼けていないのだ。味付けもできていないのだ。皿の上の見栄えだけはいい料理に仕上がっているのだと思う。スタジオ地図には細田守に意見の言えるスタッフがいないのだろうか??
そう思うとホントに惜しい映画だった。
個人的にはバケモノの子までは楽しめた細田作品。未来のミライ、竜とソバカス姫でコケてこれもコケるとなるともう後が無いのでは、、、
本日サービスデイで料金安い日にも関わらずシアターには10人もいない閑散ぶりでした。
あまりの酷評に初レビュー
面白かった。良いお話です。
小学校高学年から中学生くらいに見せてあげたい。感じるものがあると思います。
好みはそれぞれあるのが当然です。
元々ファンタジーがダメな方が多そう。
「竜とそばかす姫」もわかりづらい作品でした。あと、ハムレットを意識して難しく考える方。
寝ている人がいたとのレビューがありましたが、「国宝」にもいましたし。
映画館のスクリーンで観てもらいたいです。
何か観たいな、時間があるなというなら、是非。
芦田愛菜の歌はもっと聴きたい。
岡田将生は声でなく顔が見たい。
私にとって「ゆるせ」は「恕せ」。でも難しい。
考えさせられることの多い素晴らしい作品でした。私は細田監督作品は「サマーウォーズ」一作しか観ていません。監督に対する先入観や思い入れが無かった分、作品単体として楽しむことが出来たのだと思います。
この作品には、悪が改心したり、復讐が成就して留飲を下げる、といったカタルシスはありません。映画館を出た後も「あれはどういう意味だったのだろう?」と考え込んでしまうシーンが多々ありました。細田監督は、あえて回答を映画の中で示さず「皆さんがそれぞれ考えて下さい」と「問い」を置いて行ったように感じました。
一番印象に残ったのは、父が謀略で処刑される際に残した「ゆるせ」という言葉です。私がこの言葉を聞いてすぐに思い出したのは「恕せ」でした。日頃使わない言葉だと思います。「赦せ」や「許せ」ではなく「恕せ」。私のかつての知人が「恕平(じょへい)」というお名前でした。その意味は「どうしてもゆるせないことであっても、寛大な心でそれをゆるすこと」だそうです。
しかし、人間は本当の意味で復讐の相手を「恕す」ことなど出来るのでしょうか?江戸時代の「仇討ち」は「国家が処罰を行う」ことと引き換えに禁止されました。それは決して「恕した」からではありません。また日本人は原爆を二発も落としたアメリカを本当に「恕した」のでしょうか?ひょっとしたら「恕した」はずの感情は消えることなく、心の奥深くに沈殿しただけで、いつかどこかで爆発してしまう恐れはないのでしょうか?
「復讐と恕し」というテーマを扱った小説では、菊池寛の「恩讐の彼方に」が記憶に残っています。しかし「果てしなきスカーレット」の仇であるクロ―ディアスは、最後まで救いのない悪党のままです。スカーレットは「復讐に取りつかれた自分自身をゆるせ」と解釈しますが、その解釈も今一つ腑に落ちません。この「ゆるせ」の解釈にも本当の正解は示されていないように感じます。
そして議論の多い渋谷のダンスシーンと、それに至る長いワープ。私は戦いに明け暮れる中世から現在までの、人類の戦いを減らすための長い思索の歴史を思いました。スカーレットの時代から聖の住む現代日本までには400年以上の時間が経過しています。その間に誕生した数多の哲学者と人権思想。アメリカ独立。フランス革命。植民地主義。王制から共和制への転換。そして先の戦争を経てのグローバリズムと多様化・包摂の時代へ。その膨大な時間の流れが、あの評判の悪い「長すぎるワープ」に込められていたように私は感じました。
まあ、勝手なことをつらつら書き連ねましたが、あくまで私の一つの解釈に過ぎません。しばらくは「酷評の嵐」はやみそうにありませんが、数年後にこの作品が「細田守監督の隠れた名作」として再評価されることを願っています。
評判通りの感想です
ハムレットをオマージュしていることや、あまり評価がよくないことを知った上で見に行きました。そうは言われてても案外いいかも?という期待を少し持って。
そして見た感想としては、全体的にノリが軽く、登場人物の行動にツッコミどころが満載で、残念ながら全く集中して見れなかったです。画面全体は暗かったり陰鬱な重厚感を醸しているのに、主人公とツレがフワフワしているので、チグハグな印象を与えていました。
CG作品もこのところ多くなっていますし、別にそこは気にならなかったのですが、ゲームの戦闘シーンのように敵がヒョコッと突然現れたり、ご都合主義でやられてくれたり、「えっ????」という場面が多すぎて、気が削がれました。
特に、主人公があまりにも甘っちょろく、表情が大げさで、復讐を誓う王女の威厳が感じられないです。その他の登場人物も、感情が分かりにくい箇所が多かったため、声優さん達はアフレコ大変だったのでは?と要らぬ心配をしてしまいました。
撃たれた傷を処置してもらう時の痛いっ!っていう感じとか、ワンピースのロビンちゃんかよ!っていう箇所とか、芦田愛菜さんよく言ってくれたなぁと感心しながら見てました。声優が豪華だったので、すごく勿体ないように感じました。
ストーリー自体はありがちというか王道なため意外性は求めてませんが、それだけに登場人物の行動理念にリアリティがなさすぎて、何を観てるのか分からなくなりました。(しかもかなり最初の方から)
他の方も書いていましたが、ミュージカルシーンとかワープのシーンは、私もなくてもいいかなと思いました。
根本的な話として、聖のビジュはなんで坊主だったんだろう。素朴な坊主頭とピンク髪の冒険っていうのが絵面としてはまってない。スカーレットは美少女戦士、聖は戦後の少年みたいで、その他おじさんとか兵士とかはハムレットにいそうな感じで。別々の組織が人物イメージ作ったのか?というくらいの違和感でした。
監督に誰も意見できない状況だったのかなーと勝手な想像しちゃいました。
この作品を家のテレビで観るのはあまりにも勿体ないです!
映画が終わった瞬間、
『思わず拍手しようとする自分に気づく』
なんて初めての経験でした。
スタッフスクロールでさえも、心地よい歌声を背景に、作品のひと続きとして感涙し浸りましたね。
是非、観に行くべきです!!
アンチな意見を鵜呑みにして、映画館に行かないと、今後、家のテレビで観たときに絶対に後悔します。
わたしは、ヒロインの声優役が、芦田愛菜さんとは知らないぐらいの、まったく情報無しで行ったのですが、もしも、この素晴らしい作品の、否定的な意見を目にしていたら、映画館にわざわざ足を運んでいなかったかもしれません。
今です!
いまなら、否定的な意見のおかげで、最高の音響と大画面を独り占め?出来ます。
これが話題になってしまったら、こうはいきません。
バリボリバリボリ、くしゃみや貧乏揺すり等々の他の観客に邪魔される羽目になってしまいますから。
すぐに観に行きましょう!
人間本来の核心的な心理世界の深い描写が込められている
細田守監督の作品を子供の頃から見てきて、新作が世に出る度に国内で広く親しみのあるサマーウォーズや時をかける少女よりも、脚本を監督自身が手掛けるようになってからは非日常的描写やファンタジー要素が増していっているのは間違いありません。
そこに、違和感や躓きを覚えてしまう視聴者は多いのは仕方ないのかなと。
その為、ファンタジー要素や今作品の「果てしなきスカーレット」にはシェイクスピアの「ハムレット」や聖書の宗教描写が多く含まれている観点として国内で視聴する日本人には馴染みがないといった理由で、これらの知識や生死にまつわる普遍的な人間本来の苦しみや悩みに直面して向き合った経験に基づいて視聴者として感じる温度差はあると感じました。
しかし、自分は主人公の強く生きようと足掻きながらも真っ直ぐな姿に感動し涙しました。
それから現代よりも少し未来から来た、もう1人の登場人物に関しても同じく、欠かせない人物で無駄な描写は一切無かったと思ったのが主観になります。
むしろ、これこそ極論になりますが果てしなきスカーレットに理解を得れなかったことへの視聴者の価値観は別とし、批評をする方のレビューや呟きを見て、この反映こそが細田守監督が予測して作品に描写込められているものではないかとまで感じさせられました。
作品の中でも主人公のスカーレットが「分からない」と声にしたり悩んだり葛藤する描写があります。
それは、視聴者も本作品の核心を分からなかったのではないのでしょうか。
個人的に、答えは得るものではなくスカーレットのように自ら気付いてこそのものだと思うからこそ価値観は違くとも、酷評のレビューを見て残念に思いました。
前作品の「竜とそばかすの姫」でも現実世界とネットワークが同時に二つ存在していますが、ネットワークの描写では主にCGでの動きと率直で素直な心の声でのキャッチボールのような心の核をファンタジー要素で包み込ませ、現実とは程遠いような違和感を抱かせる作品として描かれてあります。
しかし、疑問で別の視点で捉えたらその違和感こそ違和感ではなくなっていったことが見る視点によって大きく変えてくれる今の現代社会で大事な「踏み留まる」という観点を伝えてくれています。
細田守監督の作品はどれも、理想の未来志向や立ち向かう精神など一貫して含まれており、本作品でも本来の監督の想いを貫きつつ+αで死後の世界では人間の核心に迫った生と死、内面の葛藤、生きていく上で何が大事なのか、をとても率直に描いています。
それから、芦田愛菜さんの歌が素晴らしかったです。
細田守監督は声優を選ぶ時にその人本来在るものを活かせる人を選んでいる気がします。
芦田愛菜さんは哲学的にとても深い観念があられる方だなと以前のメディアを通して知りましたが、だからこそ本作品に関しても難しいテーマの役を演じられたのだと思います。
そして、別作品にはなりますが岡田将生さんと芦田愛菜さんは終止符の難しいかなり好みが別れる「星の子」という映画でも共演されており、お務めされています。
自分はその映画のあやふやな描写に意味を見出すのが面白くて好きな作品でしたので、ある意味でそちらでも共演されて果てしなきスカーレットでも声優として共にされたのが刺激的でした。
本作品に関しては、どちらの台詞もそうですが芦田愛菜さん演じるスカーレットの台詞は本当に少ないんではないでしょうか。
むしろ、それだけ少ない台詞にこれだけ感情を声に込めて出せる声優さんもなかなかいないと思っただけに震える声に感動に感動して泣いてしまいました。
違和感はあってもそこに疑問を抱いてみるととても、面白いだけではなく現代社会でも生きる上ですごく大事なことを教えてくれるきっかけにさせてくれる作品に出会えて嬉しい限りです。
細田守監督には芯を持って世に本作品を出してくれて感謝しています。
予備知識ゼロで観ました
レビューがあまりに酷評で、ネットニュースでも興行収入がコケたと書かれていましたが、自身の目で確かめたかったので予備知識ゼロで観てみました。昨日が12/1で映画が安い日だった事も後押ししてくれました。
結果的に観て良かったです!特に映像美、音楽、効果音、芦田愛菜さんの歌唱が心に残りました。(スカーレットの声優が芦田さんと知ったのがエンドロールだったので、余計驚きでした。)
スカーレットのキャラデザも好きになりました。
最初の地獄の描写がリアルで、叫ぶスカーレットの迫力にすぐ引き込まれた感じです。
ストーリーは粗探しすればアレって感じはありますが、個人的には退屈しませんでした。鑑賞後に他の方のレビューを見てなるほどと思う事も多かったです。
ただ、人の命を救い、お年寄りを癒やし、スカーレットの心を動かした聖が虚無になってしまうのは悲しいと感じます。最初から天国に行って欲しいと思いました。ま、そうなってしまうとスカーレットと会えないんですが…(笑)その点が-0.5点です。
別の方も書いてましたが、大阪万博のように最初低調でも、多くの方が観て、ロングセラーで興収も伸びて欲しいと思います。外国ではヒットしそうです。
自分はもう一度IMAXで観ます。世界観に没入したいので。
まだの方は是非ご自身の目で観て、感じて欲しいと思います。
細田監督はじめスタッフの皆様、素晴らしい映画をありがとうございました。
追記…12/4でIMAXが終わってしまうので再鑑賞しましたが、407席に6人…。劇場に沢山人がいるのは嫌いだけど、ちょっと寂しいものですね。
(静かに世界観に入りたい人にもオススメ)
2回目の鑑賞後、作品の印象が変わりました
鑑賞1回目の後にはかなりの酷評を書いてしまいましたが、本当にそれで良かったのかずっと気になっていました。
2回目を鑑賞した後は、ずいぶんと違った印象を受けました。監督が伝えたかったメッセージは、共感するかどうかは人それぞれでしょうが、理解しがたいとは感じませんでした。むしろシンプルとも言えそうでした。
日本人看護師が登場したり、渋谷駅前と思われるシーンが出たりするのもそこまで突飛な感じはしなく、この作品の話運びのため(かなり独特ですが)こういう表現で見せようとしたのだな、くらいの見方はできたような気がします。
誰にでも勧められるところではありませんが、押井監督の他作品で気に入っているものがある方であれば、1回見ただけでこうだと決めず、もう1回は見直す機会を作っても良いのかもしれません。
何も言っていないのと同じ
作品は公開され、作者の手を離れた瞬間、受け手によって様々に変化するものだ。しかしながら、それはあくまで作者が何かを込めた場合であり、何も込められていない作品はただ空虚である。私はこの作品を前にして言葉が出なかった。決して良い意味ではない。あまりに中身がなく、沈黙が適切であると言えるほどに、この作品は語り得ぬものであった。にもかかわらず、私はその沈黙を破らざるを得なかった。語らなくては感情を抑えられないほどに、この作品は酷いと感じた。
キャラクターは薄く浅く、記号化されすぎていて人間味がなく感情移入ができない。キャラクターの役割も不明瞭で、意味のない設定ばかりが並び、シナリオは平坦で面白みに欠けている。展開が早すぎる一方でテンポは悪く、観客は置いていかれる。そのくせ予測しやすく、意外性も存在しない。有り触れた問い――「生きるとは、死ぬとは、愛とは」――を投げるだけ投げて何も語らない。つまり何も言っていないのと同じである。そもそも死者の国で物語を進める必然性がない時点で、作品の基盤は揺らいでいる。「生きる」「生きたい」という言葉が押し付けのように響くセリフは非常に不愉快であった。
この作品は私にとって耐え難いものであった。私は最も強い言葉をもって、この作品を非難する。
とにかく退屈
絵は綺麗、本当、綺麗。
芦田愛菜ちゃんは本当に凄い女優さんなのは実感。
歌も上手いし、演技力も素敵。
…なのに、なのに、何故か退屈。
女王様、全然綺麗じゃないのにモッテモテ。
我が子より、ゲスなおっさんラブで全く理解出来ない。
スカーレットの「許す」旅に現代の聖さん、全く合わない。過去も未来も混雑するなら、もっと現代的な方が色々いてもいいし、もっと古代的な方がいてもいい。
夢みたいな話だから、なんでもありなんだろし、ハムレット原作知らない民からしたらオマージュ言われてもなぁ。。「復讐」から「許す」に至るまでの旅がもう少しグッとくるものがないと、間延びして退屈なのです。
あの絵と芦田愛菜ちゃんの演技力があるのなら、もう少し感動する作品にはならなかったかなぁ、細田さん。
令和で待ってる。
いや、これ面白いじゃん!
「死者の国」の彷徨。
あらゆる時代からやってきて、死んでもなお、争い続ける人々。『ドリフターズ』か。
再び死ぬと「虚無になる」と言うんだけど、そうなると、いや、それでいいじゃん、もう死んだんだしさ、とどうしても思ってしまう。
これが基調なんで、その後の展開の全てが、この疑問に答えようとする試みに見える。お話としてはよく分かんないし、整合性もないけど、僕は、問いを投げかけ続けてると受け止めた。
そう思うと、しっかり面白い。
死者の国は、荒涼とした砂漠地帯。風景も人も、いつも埃っぽいが、この感じがいい。ウェザリングがしっかりしている。これをアニメーションするのはさぞ大変だったろう。火山、空、海、死者の群像。CGを多用していると思うが、割と馴染んでいる。
全体にとても美しい。
でも、細田監督は、ちゃんと答え出してない、というか出せなかったけど、映画にしちゃったという感じもある(宮崎駿も、同じくらいストーリー分かんないけど、答えを持って映画にしてる気がする)。
まぁ「なぜ生きる」なんて、答えは、さっくり出ないよね。
エンタメ性皆無なんで、そりゃヒットしないと思うけど、見て良い映画だと思う。
…
途中の渋谷のダンスシーンは驚いた。後世に「怪作」とか「奇作」とか言われちゃうんじゃないかしら。映画マニアの間では噂になっているけど、DVDもないんで見れないとかの、幻の作品感。
そしてアレがあると、砂浜に着いた時も、ヘイ!パーティーしてる⁉︎なんて感じで登場するんじゃないかとドキドキした(するわけないんだけど)。
スカーレットがあんまり強くなくて、終始甘ちゃんなのも割と良い。
以上
全855件中、201~220件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。





