「ハムレットと神曲を読んでから観たけど」果てしなきスカーレット 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
ハムレットと神曲を読んでから観たけど
公開から3週たって、ようやく観られた。
「前提」とされるものを
観て読んでからにしたかったので。
その結果、どれも「前提」ではなかった。つまり、
前もって観たり読んだりする必要性は、とくになかった。
もちろん、無意味だったわけではない。
「未来のミライ」と「竜とそばかすの姫」では
細田脚本の性質がわかったし、また
クジラか竜のどちらかがデフォルトだとわかったし、
「ハムレット」では、主な登場人物の役割がわかったし、
「神曲」では、地獄と煉獄と天国の雰囲気と、無茶な展開が続くのがわかった。
それらが下敷きになっている以上、
観て読んだ意味はあった、
んだろう、
と思う。
が。
「ハムレット」とは、
台詞も全然違うし、死に方も全然違うし、
死ぬ人まで違ったりするし、
「神曲」も、
大まかなアイデア(と若干の断片)が同じだけだし、
知らんでも全然OKだな、これは。
でもまあ、これを機会に
有名な著作を読めたので、そこは感謝。
* * *
で、映画の話。
台詞の面白味の薄さは、やはり今回も。
その点は「サマーウォーズ」(の中盤まで)にはかなわない
(最後はちょっとアレだけど)
でもそれは、すでに織り込み済みだったし。
あと、
劇中歌は「竜と…」同様、
ワタクシにはイマイチだった。とくに曲。
台詞と同じく、感動にも面白味にも欠けた。残念。
「渋谷のミュージカル」も、歌さえよければねぇ……
現状では「トイレ休憩タイム」にしかならんなぁ。
(「神に捧げるフラ」は、まあまあよかったけど)
でも映画全体としては、けっこう面白かった。
「神曲」の無茶な展開を考えれば、多少の飛躍は気にならず(やっぱ役に立ってる?w)
ゲームの軽薄さもなく、
細田監督作品の中では、いちばん気に入った
といってもいい。
――200人以上入るハコに観客2人でも
上映を続けてくれてた映画館に感謝。
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