「最近見た幾つかのアニメ映画と比較した感想」果てしなきスカーレット スイさんの映画レビュー(感想・評価)
最近見た幾つかのアニメ映画と比較した感想
細田守作品はほぼ全て観ていたが、初日から始まったあまりの酷評の多さに萎縮。映画館へ向かう足が一度は遠のいた。
しかし、あまりにもな酷評の嵐を見て、自分の目で観ての意見を持ちたいと思い、公開日からまあまあ空いてはしまったがようやく鑑賞。
結果は...、まあ評価値からもお察しの通り残念だったなぁという印象が9割。星1点分は歌声に全振りで捧げます。
Xで、照明の数を数えてましたツイートが流れてくるのを見るたび、ネタなのか本気なのか半々くらいに思ってましたが、これは確かにそういった行動に出る人が出てしまっても仕方がないのかなという感じ。まー作品に感情移入出来ない時間が長い。
歌やダンスを取り入れるのが悪いとは言わない。海外意識が強い感じはしたから、多少その辺のテイストを加えたところまでは全然問題ないと思う。
しかし、そのダンスを投入するタイミングがとにかく酷い。ただでさえ掴み取りづらいストーリーの軸や主人公への感情移入の邪魔になるタイミングで出てくるのがよろしくない。動画のいいところでぶつ切りCMを挟まれるあの感覚を映画館で壮大に味わったような感覚だった。
ストーリー全体への酷評を挙げている人の中には、死生観の表現がわかりづらかったという意見が幾つか見られたが、ただでさえ伝えづらいそのテーマを更に伝えづらくしている要因が歌、ひいてはダンスのタイミングにあると思った。
今年はスカーレット以外に2本、歌やダンスありの映画を観ていたが、そういった間の悪さ、中断されたような感覚は特になかった。正直ダンスはあるなしでこの作品の評価もかなり変わるレベルだったと思う。重ねて言うが、歌やダンスが悪いわけではない。歌も単体で聴けばとても素晴らしいものだった。
書きながら歌以外の良かった点を探してみたのだが、残念ながら特筆すべき点が特に見当たらなかった。残念。映像面での良さを褒める人も一定数いる感じではあるが、それはここ最近の映画では特異に凄いわけではないし、興行収入違いすぎる作品を引き合いに出したくはないが、鬼滅の刃の作画の書き込みに比べたら、どうしても見劣りしてしまう。
作画が綺麗だった、から伝えづらいが許容されるわけではない。
歌が素晴らしかった、からそこに至るまでの観客の置いてけぼり感が帳消しになるわけではない。
死生観は分かりづらく表現が難しい、からストーリーに気持ちが乗りそうなタイミングで踊り出していい理由にはならない。
普段こうしたレビューは見るだけで書くことはほとんどないのですが、それでも書いたのはこの感想をどうしても知ってほしかったから。
細田守作品には大好きな作品が多いので、次回作は先入観なしで楽しめるものが見られることを期待します。
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