「何も言っていないのと同じ」果てしなきスカーレット れいさんの映画レビュー(感想・評価)
何も言っていないのと同じ
作品は公開され、作者の手を離れた瞬間、受け手によって様々に変化するものだ。しかしながら、それはあくまで作者が何かを込めた場合であり、何も込められていない作品はただ空虚である。私はこの作品を前にして言葉が出なかった。決して良い意味ではない。あまりに中身がなく、沈黙が適切であると言えるほどに、この作品は語り得ぬものであった。にもかかわらず、私はその沈黙を破らざるを得なかった。語らなくては感情を抑えられないほどに、この作品は酷いと感じた。
キャラクターは薄く浅く、記号化されすぎていて人間味がなく感情移入ができない。キャラクターの役割も不明瞭で、意味のない設定ばかりが並び、シナリオは平坦で面白みに欠けている。展開が早すぎる一方でテンポは悪く、観客は置いていかれる。そのくせ予測しやすく、意外性も存在しない。有り触れた問い――「生きるとは、死ぬとは、愛とは」――を投げるだけ投げて何も語らない。つまり何も言っていないのと同じである。そもそも死者の国で物語を進める必然性がない時点で、作品の基盤は揺らいでいる。「生きる」「生きたい」という言葉が押し付けのように響くセリフは非常に不愉快であった。
この作品は私にとって耐え難いものであった。私は最も強い言葉をもって、この作品を非難する。
ジャッキーチェンでも鬼滅の刃でも先に味方がやられて復習とかありきたりでもその間の展開の面白さとか演技の迫力とかエンタメは踏襲してますが、本作はそこが弱すぎてどうしたの?という感想です。
復讐する主人公を現代の男性が止めようとして最後は平和主義?な展開で渋谷のダンスもあれ実は聖の脳内のどうたらこうたらという話も見受けましたが、それは復讐を止めるきっかけとさしてはあまりにもお粗末でそれよりは異文化や中世と現代の発想の違いが近づく描写ならそこをしっかり描かないと観客には伝わりませんよね。
どうでも良いところだけ説明台詞多くていやいや、そこを映像や演技で見せてくれないとドンガラのシナリオ読まされたのと同然だなと思いました。
最後の呆気ない結末もカタルシスすらなかったなと思いました。
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