「【悲劇】メッセージ性の奴隷となったスカーレットたち」果てしなきスカーレット アホウドリさんの映画レビュー(感想・評価)
【悲劇】メッセージ性の奴隷となったスカーレットたち
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★ポイント
・スカーレットが可愛い(唯一の良い点)
・スカーレットの感情の揺れ動きが無理やり過ぎる
・聖に人権が与えられていない(特大マイナスポイント)
私が一番許せなかったのは、
自分でも意外なことに聖というキャラの扱いについてでした。
彼は一人の人間のハズなのに、作品内で彼の人生について語られる場面は非常に少なく、「本当にこの世界に生を受けていた?」と聞きたいほどにキャラの背景がペラッペラ。唯一、『看護師だから善人も悪人もみんな助ける!』というアイデンティティがあるのみです。
にもかかわらず終盤、そのわずかなアイデンティティさえも脚本都合のためだけに細田守にむしり取られてしまいました……。
細田監督は、聖の人間性をなんだと思っているのか?
メインキャラのたった一つの個性すら尊重できないのかと、割と本気で怒りを覚えました。
また、スカーレットの感情の動き方が無理やり過ぎるのもイマイチ。
それまで数年単位で激しい復讐心に燃えていたハズのスカーレットが、唐突に父親の遺言の意味を熟考して聖と意見交換を始めたり、乙女に目覚めたり、恋愛感情を抱き始めたり……。
いや、そうはならんやろ。
というくらいコロコロと感情を変えさせられていってしまいます。
聖もスカーレットも、あまりにもそのキャラの在り方が脚本に依存し過ぎに感じました。
彼らの存在意義はもはや「復讐は自分の番でやめよう」というメッセージを観客に伝えるためだけに用意された奴隷……言葉は悪いですが、そう思えてしまうほど。
スカーレットはとても可愛いのに。
それだけに、キャラ軽視とも言えるこの作品の出来栄えを非常に残念に思います。
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