「緋色の剣仇」果てしなきスカーレット uzさんの映画レビュー(感想・評価)
緋色の剣仇
細田守は直近2作で懲りたハズなのに、ガラッと変えた画風と作風が気になり鑑賞。
結果として、用意してた『果てしなきスカ/劣等』のタイトルを使うほどではなかった。
とはいえ、やはり作劇に粗は目立つ。
「死者の国」とは言うが、町があったり更なる死の概念(虚無化)があったり、ほぼ異世界転生。
故に多くが“見果てぬ場所”を目指す意義が不明。
人数制限もないのに妨害する意味も皆無で、むしろ斥候代わりに先行させた方がよいのでは。
主人公2人も敵もやられ方が悉く阿呆。
スカーレットが撃たれた時も、雷やんでるのに治療する間は手を出さない。
聖は綺麗事を吐き散らした挙句に自衛で人を殺す。
言葉が通じるのはまだしも、漢字の説明して通じるのかとか、矢のない弓を持ち歩くのも不自然。
弓術や馬術などやたらと有能な背景もゼロ。
龍が消えた理由も謎だし、雷は神の意思的な現象でよかった。(龍出したかっただけ?)
歌に衝撃受けすぎだろ、と思ったら現代の渋谷に飛んでノッペリCGの謎ダンス。
その直後の唐突な集団戦闘はもう訳が分からん。
終始絵の質感がバラバラなのも落ち着かない。
声優の芦田愛菜は割と評価してたが、最初の嘔吐以外は酷かったし、キャラにはまったく合ってない。
小松未可子か長谷川育美なら…いや、無駄遣いか。
やりたい事の詰め合わせ感が強く、整合性や理論性に欠けるのは変わらず。
敵の数も無駄に多く、寝返りおじさん2人もいる?
最後の群衆がそれこそ果てしなくて笑う。
変にエロっぽい表現も…あ、Scarletってそういう?
未来に繋げなきゃいけないのは理解するが、「デンマーク」とか出しちゃって大丈夫?
雰囲気だけで見れば悪くなかったが…う〜ん…
「竜とそばかす」と同様に?シーンがあちらこちらに。クレープの様なものを食してましたが、小麦は何処から仕入れたのか。
人は虚無になるけど、植物や動物が虚無になれば食べられないのでは...
ちなみに焚火をしてたけど木は虚無にならないのか。
パジャマの様なワンピースの何処にデンマーク金貨を入れてたのか等々。粗を探せばキリがないのでこの辺で...
uz様
私はKVと申します。先ほどつたないレビューの感想を頂きありがとうございました。共感頂けてうれしく思います。
おっしゃる通り、映画を見ていた時は、死者の国にクローディアスの家臣達が大量に存在したのは王様になった後に大規模な戦争でも起きてそれに敗れて死んだのかと思っていました。そうであれば、スカーレットの最後が悲劇(現実に戻っても国が滅びていた or そもそも生き返れない)になるものの、「復讐なんて無意味だ」と言えたのだろうなぁと思いました。
正直、スカーレットが16世紀の世界に生き返って「争いのない世界にする」と奮闘しても、聖の死因に関係ない(暴漢に刺された)のが余計にもどかしいですね。
本当、扱う世界観は好みだっただけに残念に思いました。
長文失礼いたしました。
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