「設定とストーリーが雑過ぎる」果てしなきスカーレット aliasさんの映画レビュー(感想・評価)
設定とストーリーが雑過ぎる
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本作は背景描写こそ美しく仕上がっていましたが、それ以外の部分は正直言ってかなり残念な出来でした。
まず、冒頭の言い訳じみた説明にあった、「死者の国」の設定には無理があり、生者がいることもあったり、死者が普通に生活していたり、死者がもう一度死んだりする点などは受け入れ難い上に作品全体を分かり難くしています。また、死者が夢見る「見果てぬ場所」も何なのか分かり難いです。
ストーリー面でも粗が目立ちます。スカーレットが毒で倒れ、それを仕掛けた王までもがその毒を誤飲するという展開は、ご都合主義というより雑さが先に立ちます。仮に二人が「死者の国」へ飛ばされるという展開を飲み込めたとしても、他の主要キャラもほぼ全員が死亡している理由は説明不足で意味不明です。極めつけに、異世界から救命士の聖まで登場するあたりは、もう物語の整合性を放棄したとしか思えません。
そもそも、本作は父の敵討ちを描いた作品な訳ですが、敵はもう死んでいるのに、なぜ敵討ち?
また、作中に挿入される、現代の街で踊り歌うミュージカルシーンも、意図不明で完全に浮いており、ただ白けるだけでした。
さらに、アニメではとても重要だと思われる、主人公の声がキャラクターと合っておらず、また声優としての力量も不足しているため、せっかくの主人公の魅力までも削いでしまっています。
という訳で、冒頭でも触れた通り背景描写だけは評価できますが、それ以外はストーリーも構成も雑で説得力に欠け、非常に残念な作品でした。
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