「いったい、なにがどうしてこうなった?」果てしなきスカーレット グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
いったい、なにがどうしてこうなった?
あまりの駄目さ加減に呆然となりました。
細田守監督の映画って、こんなんだったっけ⁈
と昔の自分のレビューを見直したら、
「あまりの出来の悪さに心配になってしまう」
と、2018年公開の『未来のミライ』のレビューでも書いてました。あれまっ!
SFでも、ファンタジーでも、死後の世界だろうがなんでもいいのですが、こんなにはじめから作品の世界観に入り込めない体験は初めてです。
実写でもアニメでもそこに展開される〝架空の世界〟には、それなりの成り立ちやルールみたいなものがあって、そこに入り込んでしまうきっかけとか、そこから脱出するための条件とかは、具体的な説明がなくても、物語中のエピソードや主人公が遭遇するトラブルなどから想像できるようになっている。だから、我々鑑賞者も、それをしては危ない!とか、はやくそこに辿り着いて!とかハラハラドキドキしながら登場人物と共鳴できる。
この映画の世界は、それらの努力や工夫はすべて取っ払って、何もかも取ってつけたように唐突に現れる。しかも、そういうことなのか、という納得感のようなものもない。だから、見ているうちに、もういい加減にして!と疲れることになる。
そんな状況で、〝復讐心や怒りに駆られた自分をもう許してあげて〟とか教条的に説教されても少しも響いてこない。
たぶん、争いの絶えない困難な時代において、人としてのあるべき振る舞いとか寛容さについて、今一度みんなで考えてみようよ、という映画なのに、素直に感動できない自分のほうがおかしいのだろうか?
という思いもしなかった罪悪感を背負わされたみたいで、とても困惑しています。
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