「脚本、コンセプトがぐちゃぐちゃ」果てしなきスカーレット KKKさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本、コンセプトがぐちゃぐちゃ
「父殺しの叔父への復讐に燃え、死者の国から帰還してその先私はどう生きれば良いのか。」に対するスカーレット王女の出した答えは、ラストの民衆への宣言シーンに全てかかっていたはずだけどもあまりに大雑把で薄っぺらに感じた。
ココで観客を魅力できるものがあれば途中のヘンテコは許容できるレベルで重要であったにもかかわらず全く理解できなかったし、共感も生まれなかった。
脚本の詰めが非常に甘く、人物の行動も謎。
「そのシーン躊躇わず撃つ、刺すところなんじゃないの?」や「ダンスシーンは短くていいんじゃない?」に思考が支配されて楽しめる状態に無くなってしまった。
ダンスは二人が惹かれ合う表現というのはなんとなく分かるが唐突だし、観客は全く置いてけぼりで納得できない。それなら、聖が生きる未来の話をして談笑「未来の世界はそうなっているのか、苦しいことも復讐も忘れて、私も聖と一緒の時代に生きてみたかったな」→聖がスカーレットを抱き寄せるくらいのベタなやり方のがまだ着いていける。これなら「赦す」にも繋がりができそう。ベタですけど。
やりとりもクドい。聖に対して「見直した」とか言わせなくてもスカーレットの表情だけで済ませたら十分観客には伝わるし。王の言った「赦せ」の真意は観客でも普通に想像できる範囲内だからセリフのやりとりにするまでもない、観客に想像させる方が作品に入り込めて良い。
セリフを削って描画で表現するところを増やして欲しいし、セリフでやるならもっと言い方で工夫できるはず。他作品を見習って欲しい。
ちょっと良いと思った部分と所感は、
①序盤、死者の国の禍々しさ表現
荒野を引きで映して毛細血管を想起させるような気味の悪さ、雲が荒れ狂い、BGMが不安感を煽る。
この持ち味を活かして欲しかったし、裁きを下す龍をもっとアップで恐ろしく描くなど観客全員を恐怖感、死者の国に引き込んで欲しかった。
②スカーレットが自らの美しい後ろ髪を切る
自分が、未来の人々が、笑って幸せに暮らしている世界に想いを馳せて復讐心に囚われた自分を変える?決意と
女性にとって髪をバッサリ切る、並々でない覚悟を表す定番シーンを重ねて描いてるのは良かった。
(これくらいは当たり前にできて欲しいとも思っている)
この作品を観てない人間に気軽に感想を話せる映画であって欲しかったがその領域に行けてない、オススメはできない。
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