果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
全844件中、1~20件目を表示
報復の連鎖を止めるのは「赦しと愛」。 ――細田守監督が作品に込めた想いとは
本作は、復讐劇の元祖とも言われるシェイクスピアの「ハムレット」をモチーフにした作品だという。
この背景を知ってから観るのと、知らずに観るのとでは、作品の受け取り方は大きく変わるのではないかと思う。
細田守監督によると、本作の制作が始まったのはコロナ禍が明けた頃。
しかしその一方で、世界ではさまざまな争いが次々と起こるようになっていた。
その光景を目にするうちに、
「報復が連鎖した先には、いったい何があるのだろうか」
そう感じたことが、作品誕生のきっかけだったという。
深い遺恨や復讐心が生まれ続ける世界。
「決して平和とは言えないこの世界で、“復讐”というテーマをどう描くのか」を考え続けながら作られたのが、本作なのだそうだ。
原典である「ハムレット」では、亡霊となった父親が息子ハムレットに「許すな」と告げることで、復讐劇が始まる。
しかし本作では、その問いが反転する。
もし、父親が「許せ」と言ったらどうなるのか。
自分の父を殺した相手を、人は本当に赦すことができるのか。
「赦すべきか、赦さぬべきか」
――それが問題だ。
テーマは明快だ。
けれど、その選択はきっと身を斬るような苦しみを伴う。
「汝の敵を愛せよ」
新約聖書にある有名な言葉。
悪意を抱く者に対して、慈愛をもって接しなさいと神は説く。
そして時に、最も深い悪意とは“無関心”なのかもしれない、と私は思う。
どうしても許せない。
絶対に赦せない。
穏やかだった血と肉が、一気に沸騰するような怒りが湧いたとき、
人はどう振る舞うのだろう。
そのとき、スカーレットが抱えていた、身を引き裂くような苦しみを、
ほんの少しだけ想像できた気がした。
「赦す」という行為は、なにも大げさなものではない。
それは、ほんのわずかな「想像力」。
そこにはいない誰かを、
ほんの少しだけ慮る時間。
私自身、シェイクスピアに詳しいわけではない。
それでも、この作品が投げかけてくる問いは、十分に伝わってきた。
より深く味わいたい人には、
戯曲「ハムレット」や「マクベス」を事前に知っておくのもいいと思う。
演出はやや戯曲的で説明も多く、そこを冗長に感じる人もいるかもしれない。
一方で、小学校などの道徳の授業で、
「生きるとは何か」「赦しとは何か」を考えるための材料として上映するのには、
これほど、最適な映画があるだろうか?宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」とあわせて多くの小学生に観てもらいたい作品であると個人的には思う。
評価は星3つ。
ただし、作品全体を勇敢に背負った芦田愛菜さんの大いなる奮闘に、プラス1。
彼女の苦悩が、終始スクリーン越しに伝わってくるようでした。
愛菜ちゃん、お疲れさまでした☕️
歌も、とても素敵でしたよ♪
所々荒さはあるものの、色々考えさせられた
細田守の映画は賛否両論になる傾向が強いですが、個人的にはその独特な作風が好きなので、今回もそれを期待して観に行きました。
前作から大胆にテイストを変えており、すごく野心的なものに仕上がっていました。「死者の国」の描写は、デザインが2Dアニメなのに実写のようにリアルな映像美に圧倒されました。通常上映での鑑賞でしたが、IMAXに負けないぐらい十分迫力がありました。
所々で脚本の荒さが目立っていたので、低評価している人たちの気持ちを理解できました。衝突にドラゴンが登場したり、敵がいきなり心変わりするなど、急展開な場面の多さに私も戸惑いました。
それでも、今の社会情勢を反映させたテーマに考えさせられました。復讐に囚われたスカーレットが「生きるとは何か」「許しの意味」について彼女なりの答えを見出せたときは、なぜか涙腺にきてしまいました。これは、強きものだけが生き残り、弱きものが存在を失う現代社会に違和感を覚えた細田監督の答えかもしれないと解釈しました。
色々と惜しい箇所はありましたが、新たな表現に挑戦した細田守はすごいなと思える映画でした。
画にストーリーがついてこれていない気がした
実際観た人ではないと、映画の評価は付けちゃいけないし、批判もしちゃいけないと思うので、自分の目で確かめてみようと鑑賞。
結果、ここまで酷評するほどの作品ではないが、酷評してる人たちの気持ちもわからなくはないなーと思った。
とりあえず画はトップレベルで、凄まじいのは確か。それを観るのは一見の価値あり。
これはもう実写なの?というぐらい荘厳な自然や生き物や建物描写は圧巻で、視界から入る情報は凄まじいし素晴らしいの一言。
監督がこの作品を通して伝えたいことや、描きたいことはなんとなくわかる。
しかし、話がそこについていけてなくて、観ている人の置いてけぼり感がすごい。
例えるなら、見た目はとても美しく芸術品かと思うような料理なのに、口に入れたら味が薄くて、食べられないわけではないけど美味しい!とテンションが上がるものではなく、無言になってしまう感じ。
やっぱり主人公を応援したいし、愛着を持って観たいのに、スカーレットに愛着が持てない。だからのめり込めない。頑張ってのめり込もうとしてみても、ノイズになるセリフや描写や展開があるから、ストップかけられてしまう。これが結構つらかった。主人公が泣き叫んでも、どうも冷めた目で見てしまう。
キービジュのコピー文も果たして「愛を知りたい」であってるのか?
観た後だといまいちしっくりこない。
主人公は少なからず父親には溺愛されていたわけだし、愛を知らないわけではないと思うから…。
それよりも、欲望や憎しみの連鎖を止め、許す気持ちから平和は訪れるという、簡単なようで未だ人類ができていないことを、改めて壮大なストーリーを通して伝えることは良かったから、そっちの方面でのコピー文が良かったのでは?と思った。
このクオリティの画だからこそ、ストーリーが面白ければ凄いことになりそうなだけに、勿体無いなーと思った作品だった。
以前の脚本家さん…戻ってこないかな…。
赤いピアス
お姫様の耳に飾られた赤いピアスが印象的でした。ピアスと言えば、「ミツバチのささやき」という映画でも、主人公の耳にピアスが輝いていた。それが幼い彼女を少年に見せない、女性らしさを表した象徴でしょうか。
映画として、とても面白かったです。本当です。よくある復讐劇かと思いきや、いきなり主人公と一緒に(冒頭で前振りはあったけど)死後の世界に放り込まれる、その仕掛けはとても面白かった。あれれ? お姫様は死んじゃったのかな? なんで? と、それを知るまで目を離すわけにはいかなくなる。
矢継ぎ早に(字、あってるかな)現代看護師の聖くん登場。もうポカンとなりました。中世とかそういう時代の話だと思っていたのに、SFか、はたまた異世界もの的な演出なのか。矢継ぎ早といえば、聖くんは弓使いでしたね。きっと高校とかで弓道部で慣らしたんでしょう。素人には弓が引けないと聞きます。
それはひとえに、未来の都会で踊るお姫様のシーンを描きたかったからなのか。看護師として現代医学で活躍する面白さもあるんでしょうけど、それが、復讐に生きるお姫様に、「もっと色んな人生があるんだよ」という可能性を示唆するための使いなのでしょう。
使いといえば、あれはなんだったんだろう。天空から襲来する龍の雷。仙人めいた達人のおばあさん。(ここから大きなネタバレですが)そもそも、何故、お姫様は生きながら死後の世界に落ちたのだろう。「仮死状態だから」という理由付けも考えられるけど、「世継ぎの女王様に課せられた試練」みたいに考えれば、「本当だった初代女王の伝説」みたいで面白い。
そういえば、アレと似てますね。「西遊記」で三蔵法師様が天竺に旅立つきっかけは皇帝陛下の地獄巡り。目を覆うほどの世の乱れに悲嘆したお釈迦様は(孫悟空の天界荒らしが収まってから)皇帝陛下を召喚したエピソード。こうして地獄巡りを経たお姫様は、新たな女王としてスタートを切る結末だったのですが、この映画はそこで終わりだったので、行く末は祈るほかはないでしょう。
最後の民衆に向けた演説で、不信感で顔を歪めた民衆に女王は演説。それを聞いた民衆は笑って新女王を讃えるんですが、なんでしょう。「しょうがねぇなあ。そう云うなら、まあ良いか」という苦笑いにみえたんですよね。なんていうか、あっけらかんとした流れだったし。そりゃ信用できる訳はないけど、前の前の王様は良い人だったし、なんとかなるかな? というところでしょうか。
文頭でも書きましたが、やっぱり自分の一番の印象は、耳の赤いピアス。あれをしっかり見せたシーンは腕に銃弾を受けて聖くんの治療を受けるシーン。脱がされそうになって「恥ずかしい」と思わず云ってしまったところとか。
そこまで復讐の鬼、男勝りの戦士っぷりだったのが、ふと少女の頃に戻ったような振る舞い。昔、優しい父親と過ごした明るい少女の頃の象徴が、あの赤いピアスだったと思う。映画が進むにつれ、戦い続け、傷ついて、いろんなことが起きる中で、ふと、少女の頃の彼女が顔を現しはじめる。如何に復讐に魂を燃やそうと、その少女の頃の彼女の本性は変わらない。その本性に逆らっているからこそ、お姫様は辛く悲しく不幸な道に歩んでしまっているのではないかと。復讐しなければ前に進めないけど、もしそのことを「許す」ことが出来たなら、本来の幸せな自分を取り戻すことができる。「色んな人生の可能性」も「都会で踊るシーン」に示唆されているけど、「本来の自分に立ち返る」というのも自分がこの映画に感じた根幹であると思います。
後は「生きたいと云え」とお姫様に訴えた聖くんの言葉でしょうか。もしかしたら、看護師として患者を励ます手段だったのかも。だとしたら、災害の現場で奔走するような、筋金入りの看護師だったのかもしれません。
ちょっとこの映画の評価が低いのが気になりましたが、個人的には十分楽しめたつもりです。割高のドルビーだったせいか、数人しか観客がいないがら空き状態。流石ドルビー、エンディングの澄んだ歌声が実に素晴らしかった。
日本のアニメは世界に迎合しなくてもよいと教えてくれる
細田 守
「サマーウォーズ」で、オレは「こっ恥ずかしい」、「架空の(本人は経験していない)ノスタルジーに添加物を盛り込んだだけで中身は、大人向けとは真逆のもの」
と書いた。それ以降の作品も全くかっていない。いつも日常からの非日常(異世界)の転換が、ヤッパリおっさんの思考(嗜好)から逸れていく。
前作「竜とそばかすの姫」も日常の一幕で、細田監督はすごい映画たくさん見てるんだなあ、とハッとするカットも多かったのだが、竜の正体探し(ネットであなたは誰?はナイな)が一応のサスペンスにはなるんだけど、竜の正体はお父さんのほうが絶対面白いんだけどね。と。どうも、自分を成長させるには、他人を救わないといけない、それが自分の映画の作家性であることの意識が強すぎるのか。
というか、鑑賞者を少し下げて観てるんじゃあないか、まで思えてしまう。語らず映像で見せる演出はすごい上手いのに、セリフはチープって、結局そういうことなんだと思う。
それがオレのようなおっさんはターゲットにないよ、というのであれば、その通りなんだろうけど。
「果てしなきスカーレット」
・
・
・
前作もそうだったかもしれないが、本作、まごうことなき「世界市場」を意識した作品。
そのため、ベースが「ハムレット」、物語の進行が地獄 → 煉獄 → 天国と精神的な上昇を描く「神曲」であるように、超普遍的な寓話性をもって、自身の訴えたいことを強く押し出した野心作、であることは分かる。ビジュアル表現が明らかにフランスや北欧アニメ映画に寄せている。それが「死者の国」(地獄、煉獄)の背景ともなるのだが、これまで日本で過去作を見てきた「肥えた」観客には、違和感に留まる。ましてや、神曲をモチーフとした作品群に慣れていないとなおさら。
また、「神曲」の、人間の弱さ、過ち、赦しのテーマが、描かれはするものの、「時空を超えた」平和と愛のメッセージをたっぷりと盛り込みたい思いが強すぎて、例の「歌」からの「ダンス」シーンがただ浮いて見えてしまっている。「歌」に「力」があることは、誰でも知っていることなのに、この「歌」でそれはない、と観る側に思わせるのもつらいところ。
今回は少し「世界市場」への取り組み方にいくつか問題、不運があったように思う。直近の「鬼滅の刃」、「チェンソーマン」は「続編」だ。これらは、世界に「理解されるために」作られた作品ではない。これらの世界での大ヒットが証明するように、「迎合」しなくても、ファンが世界中につく時代となった。本作の製作期間4年。4年前に比べると圧倒的に「アニメ」は世界において市民権を獲得し、ハリウッド映画より「利益の出る」と言われるようになった。
スタジオの規模に依存する作画期間や段取りの課題、構想の練度もあっただろうが、「挑戦」の結晶が完成、公開するタイミングが悪かった。
アクションシーン含め、個人的にはハッとするようなカットはここにはなく、剣を持っているくせに、必要のないおちゃらけキャラが出てきたり、前作に続き「歌」で失敗してたり(これは前作が自身最大のヒット作になったことも影響しているか)、今どきあそこで「キス」が世界市場なのか?と残念な点も多い。
しかし、前作よりも「挑戦」を感じることができ、地獄の音(音響)はとてもよく、なかなか「飽きない」作品だったので、「楽しく」見ることはできた。
なんだけど、ラストの演説はやっぱり帰りたくなった。
追記
オレはあのダンスシーンは結構好きだったが、先に「罪人たち」の「歌」による素晴らしい「時空、文化の超越」をみているからなあ。
満足度や完成度は決して高くないが
映画を観ている間、細田守の苦悶の声がずっと聞こえてくるかのようだった。壮絶な産みの苦しみとでも言おうか。世界で無慈悲な殺し合いが続き、手段を選ばぬ為政者が跋扈する現代にいかなる物語を放つか。満足度という意味では明らかに低い。ストーリーのまとまりも高くない。が、おそらく細田監督はこの「世界との対峙」を通じて泥に潜ること抜きには前に進めなかったのではないか。「ハムレット」の要素を取り入れつつも(「寺に行け!」という台詞には思わず笑った)、何かしら別次元にある存在が一つの場所で結びつき合うという構造は従来の細田作品と変わらない。そして「生きろ」というかつて『もののけ姫』のキャッチでも世に浸透した言葉が約30年後の今、照り返してくるようなくだりも、やや叙情的すぎるが印象を刻む。作品としてお勧めはしない。が、これまで細田作品を観続けてきた人なら、好き嫌いは別として、多少受け止める意義はあると感じる。
映画としての満足感、肩に力を入れずに見ると、丸
評価3.0と言うところで観ました。
私としては、4近くつけてもよい出来と感じました。細田守と言うことで肩に力が入ると、確かにと思いますが、戦争や恨みを世代を越えさせるな、今を生きろ、と言うテーマ(私はそうとらえた)としたら、秀逸であったと思う。
まずは、アニメならではの戦闘シーン、かっこよかったです。最後のキスシーンも良く、映像美が盛りだくさん。見ごたえがありました。死後の世界という設定も面白かったです。映画館で特有の満足感を得られました。ふと、隣を見ると、一緒に行った方は不満そうでした。
CG感が消しきれてない
現代戻ってきて、王が死んでなかったらどうするの?隣国に逃げるの?王の側近は何で死後の世界に来てるの?いい意味でも悪い意味でも芦田愛菜感がすごい、など
確かにその通りだけど、まあ、映画としては楽しめた。私は○です。
最高に素晴らしい作品です。何回見ても涙が止まらない。
今まで観てきた中で生涯、忘れられない素晴らしい作品です。
あまりに世間一般の評価が良く無くて、まだ観に行ってない方に知ってもらいたくて初めてこの映画.comに登録して書き込むことにしました。初レビューです。
気が付けば公開されてから毎週、通い、昨日で5回目を観に行きました。
最初はネットの酷評の嵐に観に行くのやめようかな?って思いましたが、本当に行って良かったです。
風景の映像が本当に細やかでまるで絵画の中を人物がかけめぐっている感じです。
効果音も、なんかリアルすぎて臨場感が伝わってきます。
父親への深い愛情と強い正義感で復讐を誓うスカーレットの生き様に心を打たれました。
死者の国に落ちて復讐の悪鬼と化したスカーレットが、やがて聖と出会い行動を共にして本来の優しくてかわいい自分を取り戻していくのですが、中盤以降は、もう感動しぱなっしで後半は、もう涙が本当に止まらない。
後半の亡き父のアムレット王の言葉に苦しみ悶絶する姿は、胸が熱くなり本当に泣けましたし私自身が、その言葉に救われ気持ちが、軽くなりました。
ラストシーンも見てられないくらい悲しいのですが、未来の約束の場所、そう、あの渋谷のダンスシーンを夢見ての別れだから悲しいけれど、笑顔になれた。
初めて観た時は、このダンスシーンは、何?って思いましたが、2回目以降は、もう泣けました。もう一人の自分、現実未来の自分、スカーレットと聖だ!って。
やはりこんなに涙があふれて止まらない理由は、なんといってもスカーレットを演じる芦田愛菜ちゃんの声と歌です。
セリフのひとつひとつ、息遣い歌声が最高にたまらない!
エンドロールで流れる歌と映像は、泣き疲れて虚無となった自身の心にいつまでも鳴り響いています。
劇場で公開され続けている限り、また観に行きたいと思います。
ブルーレイ絶対に出して欲しいです。買います絶対。お願いします。
最高な作品を作り上げて下さった監督さんと全てのスタッフさんに感謝です。
本当に夢中にさせてくださり、ありがとうございます。
支離滅裂だったが、テーマが薄い分前作よりマシに感じた。
【鑑賞した経緯】
年に新作映画は多くて3本(うち一本はコナン)とかしか見ないのだが、お盆ごろに行った「鬼滅の刃」、たまたま見に行った「チェンソーマン レゼ篇」が良過ぎて映画熱が加速し、ファンである「おいしい給食」で更に加速した。その勢いのままの視聴。
本作は、いずれの映画でも予告で流れてたし、「爆弾」「国宝」と迷ったけど、「国宝」はめっちゃ長いし、とりあえずで選んだ。たしか視聴日は、本作の公開2日目。
【事前の印象】
細田守の映画は一通り視聴済みで「竜とそばかす」も友達と観に行った。個人的には、どの作品にも含まれている、ある種陳腐な説教臭さが嫌いではなかった。一方で、前作でのセンシティブな問題を取沙汰したくせに、主人公の行動や周囲の対応の不適切さに、とても落胆を覚えてしまい個人的ワーストだった。今回は、その印象を払拭したいがために視聴したとすら言える。
【感想】
観た直後の感想としては、「高熱の時にみる夢みたいな支離滅裂さだったな。我慢はお金かけてそうだったけど。」。タイトルの通りで、内容の矛盾点・支離滅裂さは他の人やYoutuberがたくさんレビューしてるので割愛。途中からはハイセンスギャグなんじゃないかと思うことで、退屈や憤りを抑えてた。某シーンは領域展開やんこれ!思ってたらレビューにもそんな感じの内容が溢れかえっていた。
今作は前作ほどのテーマに対する矛盾や齟齬は感じなかったが、単純に取り上げるテーマが陳腐なものだっただけなのかもとも思う。
以上、散々な評価だが、コナンやチェンソーマン、鬼滅の刃など原作付きと比較して、オリジナル映画は世界観の刷り込みが必要だから難しいよなと感じる(それ加味してもガバいが…)
自作があるのかはわからないが、今作の評判を受けて改善されることに期待。
良いところも悪いところもある映画
良いところ
◯世界観、美術、音響
◯主人公の内面の描き方
◯主人公のアクションシーン
◯主人公のキャラクター
◯登場人物のビジュアル全般がアニメしすぎてない
悪いところ
◯音楽のチョイス(現代の曲)
◯CGの人の動きのぎこちなさ(特にダンスは動きと構図が世界観に合わない)
◯設定や世界観に裏設定があるのかないのか、考察する余地があるのかないのかよくわからないところ。老婆もよく分からんって言っちゃってるし。
◯主人公の声が体格や性格と合わない違和感。芦田愛菜は悪くない。声のトーン指導をした監督が悪い。特にラストシーンのあたり。シーンに対して子どもっぽすぎると感じる。
◯雰囲気がずっと重くて暗いので、ライトに楽しめる映画ではない。(これは観る側の心構えによっては問題ない)
悪いところ多めには書いていますが、実際そんなに悪い出来の映画ではないです。
良いところは、普通のアニメ映画よりもずっと良い。
悪いところは、『ここが何とかなってたらもっと良かったのにな〜!』という惜しい部分。
監督がもっと周りの色々なアドバイスをよく聴いて判断してたら、完成度かなり高くなったんじゃないですかね。
内部事情は知らないけど、自分みたいな一般人が観て、違和感を覚える部分くらいは修正可能だったと思います。
せっかくこんなにお金と時間をかけて作ってるんだから、変更可能な点はとことん話し合って、詰めて詰めて作ったら良かったのになー。もったいない。
果てしなき(・∀・)
とても良かった
お恥ずかしながら監督とか、前作とか、ハムレットとか、声優さんが誰とか知らずに見た者です。ネタバレになりますが
死を身近に感じている人にとっては非常に苦しいスタートでした。
主人公の表現やアニメの人物表情が少し稚拙に感じました(若い人たちが作成したのかな?と感じました)が、それでも監督が伝えたかった事はしっかり伝わったと思います。
テーマは許しです。単純ですが重いテーマとも言えます。最後は涙が止まりませんでした。みんなで幸せになりたい。
個人的にはとても良かったです。
思ったほど悪くはなかった。
謙虚さの欠如を感じる作品でした
賛否どちらの評価も色々と読んだ上で、フラットな気持ちで鑑賞したつもりです。
Dolbyで観たいとは思ってなかったのですが、同日に別の作品も鑑賞したかった都合上、時間が合うのが他になくDolbyで鑑賞。
広いシアターに私を入れて3人でした。
まあ、その状況は思っていた通りなので、特に驚きもなく。
とても率直な感想としてか書かせてもらいます。好みとは別の視点で書いているつもりですが、やはり感性や感覚というものも介在するとは思いますので、そこはご容赦ください。
まず前提として
ハムレットやダンテの新曲の知識はありません。
アートの世界はかじっていたので、ものづくりに対する思いはあります。
ーーーーーーーーーーーーーーー
出来上がった作品というのは、その過程や裏側がどうなっているのか、意図せずも現れてしまうと、基本的に感じます。
前作の興行収入もあり、時間や資金は十分にあったと思うのですが、それを存分に活かした映像美と豪華キャスト陣による演技は、この作品を映画館のスクリーンで観る価値あるものにしています。それは間違い無く思います。
ですが、それらを台無しにしてしまうぐらいシナリオが破綻しています。
そこを指摘しておられる方はたくさんいらっしゃいますが、私もそう思います。
どうしてそんなことになってしまったのか、というところに、シナリオを書いた方の傲慢、謙虚さの欠如、そういったものを感じて、少々嫌悪感を憶えます。素人が観ても、もっと表現の仕方があると思わせてしまう場面が多々ありました。
ハムレットや神曲に準えている(と私は他の方のレビューで知ったもの)部分も、それが元ネタの知識がある方だけが「あれね」ってなる、それ自体は別によいのですが、それがちゃんと「果てしなきスカーレット」という物語の中に意味あるものとして落とし込まれていないと、ともすれば、単に「偉大な歴史的作品のエッセンスを入れてるのですよ」ということを誇示しているともなりかねません。「地獄の入口云々」の石碑?をキャラクターにわざわざ読ませるシーなどはそういう感覚になりました(私は)。
また、悪役の設定も、「自ら作った毒薬を誤って飲んで死ぬ」というストーリーは変えなくても、ご都合主義な茶番劇にならないようにするための見せ方はあるでしょう。王女に毒を盛ったはいいが、そこからの他者との関係によって疑心暗鬼になっていく様などを上手に描き込めたら、悪役としての威厳も保たれ、より魅力的な設定に出来るかも知れません。スカーレットの母も、最後はあのようではなく、形勢が変わると手のひら返してすり寄ってくるぐらいの方が、悪役としては魅力的かも知れません(これは私の好みかも知れませんが)。それにしても一時とはいえ国王であった者の遺体が無造作に寝かされているのは不自然に感じます(観間違いでしょうか?)。
とにかく、台詞にしない方がよいと感じる台詞や、変な解釈を呼ぶリスクのある台詞が多くて、それらを決めた方が他者の意見を謙虚に取り入れていない(あるいは、そもそも他者が意見出来る状況がない)、また作画の力や、演者の力を信頼していない、また鑑賞者の深い洞察を信頼していない、そう感じられてあまりに残念です。
最終的に「生きるとは、死ぬとは、愛とは」というナビゲーター役(でしかない)の老婆の台詞に、個人的には衝撃的にドン引きしました。これが、ハムレットや神曲に準えていたとしても、もう何というか、名画の上に人権かなんかのポスターの標語を書いちゃったみたいな感覚でした。「はいそのことについて考えてくださいね」と。
また、キャラクターデザインについても、広く見識ある方の意見は聞かれずに決められたと感じます。
申し訳ないですが、スカーレットは、第一印象が、世界的にファンの多い日本の忍者アニメのヒロインに似て見える人は少なからずいるでしょう。私も息子も、初めてスカーレットを観た予告で、「ん?サ○ラちゃうの?」と思った次第です。こちらのキャラクターは数年前に世界規模で行われた同忍者アニメのキャラクター人気投票で、主人公より順位が高い、非常に人気と知名度のあるキャラクターですので、そんなことわかっていて似てるとしか言いようがありません。自らの髪の毛を刃でバッサリと切るシーンは、上記の有名なキャラクターの有名なシーンの1つですから、意味する所が違っても、重なって見えてきます。わざと寄せてるの?と思ったので。
ヒジリというキャラクターのデザインも、あえて短髪なのでしょうが、なかなかのチャレンジではありますが、名前や「殺してはいけない」といだた発言から、日本の僧侶が連想される可能性は十分あるので、東洋と西洋の融合とか、ジャパンクールとか、そんな感じを狙ってのことなのでしょうかと、勘ぐってしまいます。謙虚な姿勢でオリジナリティのあるデザインを模索しているのと、作為的に狙ってる感じというのは何だか違う気がします。私はアニメの研究者などではないので、あくまでも印象ですが、日本ではおおよそ短髪の男性キャラクターは好まれにくい、戦時中とか今もなおある所にはある体育会系の強制的な髪型にマイナスイメージがあるからかも知れませんが、避けてるのかなというほど、日本の主人公あるいは準主人公の男性アニメキャラはたなびく程度の髪
の長さがあります。多分その方が好まれるビジュアルということかなと感じます。別にそういう観客の好みに媚びる必要はないですが、この監督さんのファンの方が求める男性キャラクターのビジュアルでないことは言えそうに思います。そもそも、今回は細田守さんの作品のちょっと抜けた感じの柔らかなキャラクターデザインを無くして、竜そばのベルの方の世界のデザインを全面に持ってきたわけですが、それはシリアスな内容に合わせたとはいえ、なかなかの冒険だとは思います。それが、チャレンジとして好意的に受け取られる可能性も確かにありますが、(やはりシナリオのまずさがすべてに関わるとは感じますが)支えてきてくれた足元を見ないで世界とってやると狙ってるような、そんな風に感じさせる部分がキャラクターデザインにもあると感じます。
でも、結果を見ると、日本の観客は騙されないのですね。監督がまるで作中の悪役のように見えてくるのが皮肉なところです。市場はまるで空に蠢く龍のように、容赦なく雷を落とした形となったということでしょうか。
幸いスタジオジブリのゲド戦記で原作者が激怒したように、シェイクスピアが激怒するということはないですが、謙虚さを欠くと作品はダメになる。ワンマンでも作品が素晴らしくなるためには、とんでもなく天才でないと無理なんだろうなと思います。
素人の長文、失礼しました。率直な感想です。失礼承知で書きました。実際の監督の人柄は知る由もないので。でも、一観客にそう見える作品であったということは、事実です。
こんな気持ち、初めて。
初めて映画を観て“苛立ち”を覚えました。
まず、アニメーションはいいと思います。
作画も素晴らしいと思います。
ただ、問題は物語の方で、本当に退屈です。
まずヒジリという男。マジでムカつきます。
“争いは争いしか生まない!”みたいな、まあ良くいる典型的な平和主義者みたいな奴ですが、こいつ、終盤に普通に人を殺めます。「嘘でしょ?」って、マジで言いかけました。
あとは渋谷でのダンシング。
苦笑アンド、苦笑。なんじゃそりゃって感じです。これも結局、特に伏線とかでもありませんでした。なんだったんだ、あれ。幻覚か?
あとは展開がちょくちょく飛びます。
夢オチだから、って声もありますが、それは最後に分かる要素なので、初見の観客にとっては違和感でしかないと思います。そこもうーんでした。
最後に。
何回あくびしたか分かりませんが、なんとか終盤まで来て至った結論が「父の仇を許し、隣国と友好関係を築く」だと。うーん。スカーレットちゃんは可愛いけど、ほんとに薄っぺらいな!!!
政治的なこと言って申し訳ないけど、隣国ったって話が通じない国もありますからね。非武力!話し合いで解決!って結論は、僕には合いませんでした。俺なら親の仇は簡単に許せませんし。
初めて、クレジットを観ずに席を立った映画です。
細田守版『ハムレット』
本作は細田守版『ハムレット』です。
観る前にシェイクスピア『ハムレット』の内容を予習しておく事をおすすめします。
その上で、とても良い作品だと感じました。
テーマは「復讐」「生と死」「愛」。
ストーリーは概ね『ハムレット』です。
違いは「救いがある」こと。
主人公のスカーレットが生と死の狭間「地獄」のような世界で復讐を目指すも様々な出会いや対話を通して人間として成長し、未来に繋げていくという話。
主人公・スカーレットの不器用さと無念、叫び上げたくなる魂を芦田愛菜がどストレートに表現していて引き込まれました。
ディズニー映画のような後味と、映像としても臨場感に溢れていて見応えがありました。
「生きる」とはどういう事なのか、
「今を生きている自分」は何をどうやって「生きていくべき」なのか。
そもそも「生きる事」は「無念」の連続。
どんなに努力をしたとしても報われない事が多い。
タイパ・コスパの世の中では泥臭く生きる事を避け、手っ取り早く「正解」を手にしたくなる。
それは解る。
解るんだけど、味気なく感じてしまう日々に心が付いていかない。
この作品を観て、改めて立ち止まり、不恰好だけど泥に塗れてでも、我武者羅に魂の思うままに生きてみよう、愛を叫ぼう、そう思えました。
良い作品と出会わせてくれてありがとう。
全844件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










