「ミステリー路線はいいのですが・・・」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) airomemさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリー路線はいいのですが・・・
今年はここ数年のコナン映画の「ド派手なアクション!恋愛!いっけー!真実は一つ!」から脱却を目指したのかミステリー路線で小五郎が活躍する脱劇場版テンプレコナンな作風は評価するのですが、やっぱりしがらみを断ち切れてない印象を受けました
まず伝えたいテーマがあってそれに沿ってコナン風に肉付けしていくといった工程でストーリーが作れてるのでなく
・小五郎の銃による活躍
・敢助と由衣の恋愛要素
・衛星アンテナを使ったド派手なアクション
・安室さんを絡めた公安の絡み
・犯人は警察官
・最後は警察官としての志でどや
・次回作以降の伏線であろう高明の弟と安室さんの関係
などなど最初からストーリーに組み込まないといけない部品が決まっていてそれらの点を無理やり線で繋ぎましたってのがこの映画な気がしました
そしてミステリー路線なのはいいのですが謎解き要素が後付けが多く関連性も希薄なため「実は犯人はこの人でした意外でしたか?」と言いたいだけのストーリーで推理に参加できません
「ワニ」に反応しなかったというのが犯人特定のポイントだと思うのですが、ちょっと安易すぎるしストーリー理解してなくてもここだけ気づけば犯人わかっちゃのは推理とは違う気がします
あとここ数年毎年言ってますが、犯人の殺人動機が軽いというか納得できないです
恋人を殺されて復讐心を抑えきれないならわかるのですが、強盗犯の2人を素っ飛ばして司法取引改正が許せないってちょっと共感できないですね
あと自殺した娘も父親に結婚を報告しようとするぐらいの恋人が居たにも関わらず足を怪我して選手生命絶たれて自殺ってのもうーんって感じです
足を怪我した後父親に結婚の話する機会はあったんじゃないですかね
恋人の警官も彼女を支えること出来なかったなら責めるべきは司法取引改正ではなく自分では
敢えて強盗殺人ではなく間を空けてからの自殺という設定にした意味はなんなのかと
犯人の警察官も街中でぶっ放したり他に目撃者が多数いるなか殺害しようとしたり計画性無さ過ぎて無法過ぎるでしょ
あと強盗犯が自殺した娘の墓に花供えるってのも私には理解できませんでした
そんな繊細な人が強盗する?
てっきり恋人が花を供えに来てるかと思っていました
犯人をすぐ特定されないよう複雑にしてるのかもしれませんが筋が通ってない継ぎ接ぎだらけのストーリーに感じました
謎解きに関しても敢助がフラッシュバックして犯人を思い出してそれを聞いたコナン君が小五郎のおっちゃんにメールして解決
サブタイトルの隻眼のフラッシュバックってまんまそういうこと?!
「真実は聞いてメール!」
流石に雑すぎるやろ・・・
あと気になってるのがここ数年コナン君の名探偵っぷりを感じられません
正直今回の内容であれば元太君でもいけちゃいますよね
安室さんに電話しまくってヒントもらうのもなんだかなーと
今回であればサブタイトルは眠らない小五郎にして
ストーリーは小五郎の警官時代をじっくり掘り下げワニと捜査した未解決事件だったりをメインテーマにして、コナン君が名推理で真相に迫るもあと一歩解決できなかったりピンチになったりを小五郎が過去の経験や事件の記憶を元にカッコよく解き明かすみたいに小五郎も決める時はバシっと決める的なストーリーでよかったのでは
やっぱり色々欲張って結局全部中途半端になってる気がします
そういった映画ならではの特別感や登場人物の過去や知られぜる真実みたいなのが今回無かったのも物足りなさを感じた理由のひとつです
それと周りの登場人物がもうコナン君を子供扱いしてないのも違和感を感じます
「見た目は子供、頭脳は大人」は内緒の設定だから意外性があって面白いですよね
コナン君自身も今回全然隠す気ないですしね
最後の犯人追い詰めるシーンの壮大な衛星アンテナの目くらましも、とりあえず衛星アンテナ使って派手なアクションぶち込んどけ的な無理やり感が
コナン君のスケボーといっけーを毎回無理やりねじ込むのではなく、ドラえもんじゃないですが阿笠博士の新しい発明品を使ってコナン君が活躍した方が観てる側は楽しめる気がします
といった感じで変化というかミステリー路線回帰は感じたのですが上手くかみ合ってない印象でした
やはりド派手なアクションを期待されている方、登場人物たちの恋愛模様を期待してる方、本格的なミステリーを期待されてる方
それら全員が満足できる内容というのは難しいと思いますが、もうちょっと頑張ってほしいところです
次回作も期待しています!
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