「極めて今上映されるに相応しい映画」セプテンバー5 デビルチックさんの映画レビュー(感想・評価)
極めて今上映されるに相応しい映画
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1972年のミュンヘン五輪で起きたテロ事件を描いた映画。事件の当事者ではなく、事件の報道をするテレビクルーの視点で描かれています。
で、その視点こそ、この作品に対する好みが分かれるポイントじゃないかなと思います。描かれているのは、事件の犯人でも被害者でも、警察でもなく、その家族でもありません。報道するテレビ局です。だから基本的に事件を外から見るだけ。「外野じゃねえかよ」と思う人や、人質に感情移入する人は共感できないかもしれません。
奇しくも先週公開された『ショウタイムセブン』に続き、メディアのあり方を問う作品を2週連続で観ました。片方は現在を舞台にした作品。もう一方は生まれる前の事件を描いたもの。断然1972年のこの映画の方が、今この時代にマッチした映画だなと思いました。
メディアのミスリードが世論や事件の結果を変えてしまう。その危険性について、僕たちは改めて考えねばならないのではないかと思いました。
日本の大手映画会社ではほとんど作られないタイプの作品だと思います。こういう作品がたくさんの人に見られて、日本でももっと作られるようになればと願います。
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