光る川

劇場公開日:2025年3月22日

光る川

解説・あらすじ

「アルビノの木」「リング・ワンダリング」で国内外から注目を集めた金子雅和監督が、松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を原作に、岐阜県長良川流域の土地・民話・伝承からインスピレーションを受けて撮りあげた長編第3作。

日本が高度経済成長期に突入したばかりの1958年。少年ユウチャは大きな川の上流に位置する山間の集落で、林業に従事する父と病床の母、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化する台風による洪水に脅かされている。ある日、集落に紙芝居屋の男が現れ、集まった子どもたちを前に、古くから土地に伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋の物語を披露する。かなわぬ思いに絶望したお葉は山奥の淵に入水し、それから数十年に一度の割合で洪水が起きるようになったという。物語と現実の奇妙な符合を感じたユウチャは、お葉の魂を解放して洪水を防ごうと山奥の淵へ向かう。

Netflix映画「シティーハンター」の華村あすかがお葉、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の葵揚が朔、子役の有山実俊がユウチャとお葉の弟・枝郎を1人2役で演じた。

2024年製作/108分/日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2025年3月22日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17
  • 画像18
  • 画像19
  • 画像20
  • 画像21
  • 画像22
  • 画像23
  • 画像24
  • 画像25

(C)長良川スタンドバイミーの会

映画レビュー

4.0進化する金子雅和監督作品の自然描写

2025年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

幸せ

さまざまな表情を見せる渓流と山深くの緑を美麗にとらえた映像と、耳に染みわたるせせらぎや滝の音が作品世界への没入へいざない、大自然に溶け込んだかのような癒しを覚える。川は自分の映画に欠かせないモチーフと明言する金子雅和監督が、岐阜出身の作家・松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を映画化する企画のメガホンを託されたのは、たぐりよせた運と言うべきか、人知を超えた縁と言うべきか。金子監督作品に参加してきた撮影監督・山田達也、音響・黄永昌らスタッフとのイメージの共有と連携も良好だったのだろう。川の描写と実在感が過去作からさらに進化した印象だ。

「光る川」という題は小説の第2章からとられたものの、金子監督は原作の物語をエッセンスとして残すにとどまり、当地の民話や伝承も取り入れた。さらに過去の長編2作の物語要素も加えている。具体的には、「アルビノの木」での聖なる地から俗世の里へと流れる川の存在、「リング・ワンダリング」での現世と過去を行き来する幻想譚が、“まるで接ぎ木”されたかのようにこの長編第3作でも反復されている。

金子監督作で重用されてきた山田キヌヲ、「リング・ワンダリング」でもヒロインの父親役だった安田顕のほか、華村あすか、葵揚、子役の有山実俊も作品の世界に馴染んでいる。

悲恋の痛みや奇譚の驚きに伴うカタルシスが、渓流の美麗な画と音との相乗効果を生んでいるように感じた。比較的少なめの予算相応で派手さはないものの、日本古来の自然観を継承しつつ新たな感性と映像表現で刷新しようとする意志を感じた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
高森 郁哉

4.5うっとりするほど美しかった。

2025年8月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

癒される

「アルビノの木」「リング・ワンダリング」の監督さんなんですね。納得の内容と世界観。夢ううつの幻想的ファンタジーが楽しいね。後は、空模様に左右される太陽光の変化がとても効果的だった。暴風雨の最中、雲の切れ間なのか台風一過なのか、いきなりの陽射しで顔が照らされるシーンなど息を飲んだ。この監督さんの作品をもっともっと観たい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
羅生門

4.0少年から見た世界の感じさせ方がとてもリアルに感じた。不思議な体験の...

2025年8月15日
iPhoneアプリから投稿

少年から見た世界の感じさせ方がとてもリアルに感じた。不思議な体験のリアルさも。少年という存在が周りがみるよりも、力強く生きているという事実も。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kp

3.0圧倒的な映像美

2025年8月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

岐阜の自然が美しく切り取られていて永久保存版。
お葉の清純な妖艶さにやられる。
サンカの暮らしを映像で垣間見ることができたのも貴重だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
akazaru