光る川

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劇場公開日:

光る川

解説・あらすじ

「アルビノの木」「リング・ワンダリング」で国内外から注目を集めた金子雅和監督が、松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を原作に、岐阜県長良川流域の土地・民話・伝承からインスピレーションを受けて撮りあげた長編第3作。

日本が高度経済成長期に突入したばかりの1958年。少年ユウチャは大きな川の上流に位置する山間の集落で、林業に従事する父と病床の母、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化する台風による洪水に脅かされている。ある日、集落に紙芝居屋の男が現れ、集まった子どもたちを前に、古くから土地に伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋の物語を披露する。かなわぬ思いに絶望したお葉は山奥の淵に入水し、それから数十年に一度の割合で洪水が起きるようになったという。物語と現実の奇妙な符合を感じたユウチャは、お葉の魂を解放して洪水を防ごうと山奥の淵へ向かう。

Netflix映画「シティーハンター」の華村あすかがお葉、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の葵揚が朔、子役の有山実俊がユウチャとお葉の弟・枝郎を1人2役で演じた。

2024年製作/108分/日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2025年3月22日

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(C)長良川スタンドバイミーの会

映画レビュー

4.0進化する金子雅和監督作品の自然描写

2025年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

幸せ

さまざまな表情を見せる渓流と山深くの緑を美麗にとらえた映像と、耳に染みわたるせせらぎや滝の音が作品世界への没入へいざない、大自然に溶け込んだかのような癒しを覚える。川は自分の映画に欠かせないモチーフと明言する金子雅和監督が、岐阜出身の作家・松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を映画化する企画のメガホンを託されたのは、たぐりよせた運と言うべきか、人知を超えた縁と言うべきか。金子監督作品に参加してきた撮影監督・山田達也、音響・黄永昌らスタッフとのイメージの共有と連携も良好だったのだろう。川の描写と実在感が過去作からさらに進化した印象だ。

「光る川」という題は小説の第2章からとられたものの、金子監督は原作の物語をエッセンスとして残すにとどまり、当地の民話や伝承も取り入れた。さらに過去の長編2作の物語要素も加えている。具体的には、「アルビノの木」での聖なる地から俗世の里へと流れる川の存在、「リング・ワンダリング」での現世と過去を行き来する幻想譚が、“まるで接ぎ木”されたかのようにこの長編第3作でも反復されている。

金子監督作で重用されてきた山田キヌヲ、「リング・ワンダリング」でもヒロインの父親役だった安田顕のほか、華村あすか、葵揚、子役の有山実俊も作品の世界に馴染んでいる。

悲恋の痛みや奇譚の驚きに伴うカタルシスが、渓流の美麗な画と音との相乗効果を生んでいるように感じた。比較的少なめの予算相応で派手さはないものの、日本古来の自然観を継承しつつ新たな感性と映像表現で刷新しようとする意志を感じた。

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共感した! 1件)
高森 郁哉

4.0川というモチーフとフィットした作品

2025年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

監督の舞台挨拶付き上映で鑑賞。
原作である「長良川スタンドバイミー一九五〇」という小説の映画化の機運が、十数年前から盛り上がっていたものの実現に至らず、今回、金子監督のところに話が回ってきて、やっと制作された映画とのこと。一本の長編作品を世に出す大変さを改めて感じた。

これまでも山や川をモチーフに、ロケーションを大切にしてきた監督らしく、描き出される映像がとても美しい。山のしっとりした空気感や、木々のにおい、ひんやりとした水の感触までもが伝わってくる作品。
伝承と現代とのつながりという大きな歴史や、その中で繰り返される個々人の生涯史、はたまた豊穣と破壊という様々な面から、川というモチーフはフィットしていて、一つの物語の中でうまくまとめられていた。

公式ページのキャスト紹介でもポスターでも、やっぱり纏っているオーラから華村あすかが前面に出てくるが、自分は、それに劣らず少年役の有山実俊が素晴らしかったと思う。
もっというと、ビジュアルだけでは性別も不明な存在が、一連の出来事を通して、性別の曖昧さはそのままに(仏的な性別を超越した存在として)、精神的に少し大人になるという物語だったと感じた。
これまでスタンドバイミー的な作品は、ある意味、性自認とセットで通過儀礼を経るような印象だったが、今作は、性的なものも全く登場しないわけではないのに、登場人物の成長の力点がそこに置かれず、大切な人を守りたいという一点で貫き通しているところが自分はよかった。
文字情報では、代名詞を使うと性別が割と明確に意識されてしまうところを、映像で見せて、観客に判断させる「映像表現ならではのよさ」の
一つかもしれない。

コメントする 3件)
共感した! 5件)
sow_miya

4.0【フィトンチッドの香り漂うが如き深山の緑が美しい自然を背景にした、里の娘と山の漂泊の民である木地師の男の恋物語。今作は、環境破壊への警鐘を鳴らしつつ、人間と自然との共生を描いた幻想譚である。】

2025年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 6件)
NOBU

3.0自然の美しさを味わう映画

2025年5月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

壮大な自然の美しさを味わえました。

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ももか