早乙女カナコの場合はのレビュー・感想・評価
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スピードやベクトルが違うから
共感はできないが、どっかにいそうな人たちの話。
冒頭から長津田は、ずっとモテてきたんだろうなぁ、と。
別れてるのに家で待ち伏せしてたり、最後の電話なんかも、相手が自分を好きなの確信してるヤツの行動だ。
まぁそれに惚れるのは構わないし、ダメ人間から離れられない人もいるからそこも気にならない。
しかし「ズキンとするうちは…」とか言ってた真面目なカナコも、彼氏いるのに自分から長津田を家に泊める。
同じタイミングで吉沢も亜依子を泊め、おデコとはいえキスまでするが、それは優しさとは言えませんよ。
内定段階の相手に告白する時点で大概ですが…
大学デビュー感がリアルな麻衣子は、長津田や美奈子にキレるまでは非常によかった。
ただ結局また恋愛脳に戻った上に2ヶ月で破局して、最後はワンオペ育児って、もうよく分からん。
亜依子だけは、カナコへの複雑な愛憎含めて理解できた。
要するに性格や収入といったカタログスペックではなく相性が大事という話でしょうか。
残念ながら自分と相性のよさそうなキャラはいなかった。
演技は主演2人もよかったが、『正体』に続いて恋する乙女な山田杏奈が抜群。
他キャストも隙がなく、平井亜門はもっと見たかったし、吉岡睦雄の使い方は贅沢。
9年前の写真をずっと残してるカナコは長津田好き過ぎ。
長津田が就職もしてて賞も取ったならハッピーエンドなのだけど、応援したくなる感じでもなかったなぁ。
ファーストカットが桜の作品は多いが、窓に映ったものは初めてで、これは面白かった。
試みとしてはよいけど、橋本愛がカリスマ書店員と別人ならクロスオーバーは不要かも。
三千子は家にいなさ過ぎで、女性の名前が全部『〜子』。笑
カナコの指輪が、右薬指→左中指→右薬指と変わっていたのはどういう意味?
染み染みもう一回観たくなる作品
『35年目のラブレター』『知らないかのじょ』、そしてこの映画という恋愛鑑賞3連夜。
すべてがそれぞれの2人の愛のカタチ、それぞれが染みわたる。
さてこの映画、人気作家 柚木麻子さんの小説『早稲女、女、男』の原作では 早稲⽥⼤学、⽇本⼥⼦⼤学、⽴教⼤学、学習院⼤学、⻘⼭学院⼤学の⼥性と、慶應義塾⼤学卒の⼥性を描いているらしい。
今では遠く淡く甘い想い出の大学生活、いいなぁと。
ダメ男だけど一緒にいると明るく楽しく心から笑えるワイルド系イケメンと優しく思いやりがあってまっとうなエリート、でも生真面目なイケメン。
どちらに預けるのか『スピードが違う人』『ベクトルが違う人』とっても深い。
染み染みもう一回観たくなる作品。
刃先はゆるく鈍い
欲しいものはいつもガラスの向こう側
誰もが経験した道に共感しかない。 ただありのままの自分であること、橋本愛が素晴らしい。 予告編がネタバレと思ったのは私だけ?
恋人同士の二人が、大学時代から卒業、就職を経験していく話。
等身大の、あるある満載で共感しかない。
サークル活動、出会ったときのピュアな二人。
二人にしかわからない特別な時間を経て、周りではちゃんと就職活動して次々に内定する奴ら。
彼女も内定先の企業の先輩とつきあい始める。
(現実では、しかも不倫だったりもする。)
それに比べて、まだ社会人成り立て、同学年同年齢で、かなり見劣りする彼。
二人の距離は離れてていく。
痛い痛いだれもが自分の話のようだ。
池松壮亮と伊藤沙莉の『ちょっと思い出しただけ』と近い話だったけれど、違うのは、2022年の「ちょっと~」では、彼女が男と別れて「普通の」結婚生活を選ぶこと。
本作の彼女は、彼を忘れられないまま、再会して、再び結ばれる。
翌朝、部屋を飛び出し走り出した彼女は、世間に流されず、まさに、『早乙女カナコの場合は』自分らしい道を選んでいることだった。
その時の服装のごとく、誰でもない、飾らない変わらない等身大の自分のままでいることだけで、感動した。
性別を感じさせないただ素朴な橋本愛の演技が素晴らしい。
如何にもいそうな口ばっかの脚本・演出家である彼、中川大志、良い人過ぎるOB、中村蒼、可愛い女、山田杏奈、と普通の善人である役者陣もいい。
「私にふさわしいホテル」の有森樹季=のんの出演も、「有森がちゃんとしていて」楽しい。
最後に、予告編でのネタバレが最悪。
シャンパンのシーンを予告で見せないでほしかった。
話が進むうちに、そのシーンが出てこないので、いつ来るかと思って観ていたら、長津田から突然の電話。
その深刻な声に、カナコは嫌な予感がして彼のもとに向かう。
ここで、もうそのシーンが来ると「わかってしまった」。
知らなかったら面白かったのに!
シャンパンを開けたときの音も、もう少しだけ銃声っぽさに近づけたら良かった。
そんなことを想ったのは自分だけだったでしょうか?
共感ください。
以上でした。
絡み合う恋愛模様をシュールな演出で!
魅力的女優
指輪が指から離れている瞬間は、女性が冷静さを取り戻している時間なのかもしれません
2025.3.18 MOVIX京都
2025年の日本映画(119分、G)
原作は柚木麻子の小説『早稲女、女、男(祥伝社)』
ダメ男に振り回される真面目女子を描いた恋愛映画
監督は矢崎仁司
脚本は朝西真砂&知愛
物語の舞台は、都内某所
念願の大学に進学が決まった早乙女カナコ(橋本愛)は、ルームメイトの三千子(根矢涼香)と一緒に暮らし始め、大学生活を満喫しようと意気込んでいた
学内ではサークルの勧誘で盛り上がっていたが、突如謎の女(平井亜門)が男(中川大志)に銃を向けて撃ってしまう
男はもんどり撃って倒れ込み、辺りは騒然とする
偶然、その場に居合わせたカナコは、本当に人が倒れたと思い、救急車を呼ぶように周囲の人に訴えかけた
だが、それは演劇サークル「チャリンクロス」のパフォーマンスで、倒れ込んだ男役の長津田とカナコのツーショットはSNSにアップされて拡散されてしまった
その後、文句を言う為に長津田の元を訪れたカナコだったが、彼のペースに巻き込まれ、徐々に距離が近くなって、交際を始めていく
長津田は脚本家を目指しているようだが、いまだに目が出る様子はない
そんな暮らしが3年ほど続いた頃、2人はペアリングを買おうと約束をすることになった
映画は、この2人の間に様々な男女が入り乱れる様子が描かれ、カナコ以外の男女のやり取りもきちんと描かれていく
なので、印象としては、長津田とカナコを中心とした群像劇のような感じになっていて、主要なメンバーはそれぞれ関わりを持つことになっていった
最初に2人の間に入ったのは、別の女子大の学生・麻衣子(山田杏奈)で、彼女は長津田がサークルの演劇の宣伝ビラを渡した相手だった
彼女は長津田のことが気になってサークル棟まで訪れ、そこから猛アプローチを仕掛けていく
続けて2人の間に入ってくるのが、吉沢(中村蒼)で、彼は内定が決まったカナコの就職先の社員だった
吉沢は営業部内の慶野亜依子(臼田あさ美)と恋人関係にあったが、人生観の違いから破綻していた
吉沢はカナコのことを気にいるものの、カナコはすんなりと彼の元には行けなかった
だが、長津田と麻衣子が一緒にいるところを見たことで、カナコの中で何かが吹っ切れてしまうのである
映画は、『私にふさわしいホテル』を観ていなくても全く問題のない作品で、男に振り回されている女性を描かれていた
大学のノリを引きずる成人、大学のノリの真っ只中にいる学生、適齢期を越えてしまった中年女性
それぞれが自分がどうしたいかで動いていく様子が描かれ、ある決断へと向かっていく
そんな気持ちとは裏腹に男性陣も思うがままに進んでいく様子が描かれていて、その強さと奥にある弱さと言うものが同居していたことがラストで明かされる、と言う内容になっていた
長津田の告白をどう受け止めるかは人それぞれだが、ここでも自分本位のところに長津田のダメなところが凝縮されている
それゆえに、好きだけど、カナコは走り出してしまうのである
女性目線の男性のダメなところを描いている作品だが、若干男性陣にもエクスキューズを残していると言う印象がある
ラストでは、長津田がカナコに追いついて転倒するのだが、その後は描かれていない
冒頭では、そのままなし崩しだったが、ラストではどうなっているかわからない
一度あったことが再度起こるかもと言う希望を抱かせつつも、実際には突き放すのだと思うけれど、そこをはっきりと描かないところが良心なのかもしれない
恋愛はタイミングだとは言うけれど、長津田は自分のタイミングでしか物事を動かせないので、それゆえに誰とも結ばれないまま終わるようにも思えた
いずれにせよ、男にとっての社会的な地位は形になっていないとダメで、その最たるものが指輪なんだと思う
女性にとっても象徴的なもので、それを身につけている「時間」と言うものをとても大切にしている
だが、男にとっての象徴は「そこに込められた質量」となっていて、それが男女間の軋轢を生んでいると思う
カナコは指輪をネックレスにしていて、それは肌身離さずと言う意味合いがあるのだが、長津田はその意味に気づいていないように思えた
指から離れて何年の時が経っているのかはわからないが、それだけの時間「指にいなかった指輪」というのはその役割を失ったただの貴金属という意味に近いのかもしれません
池に溜まるばかりの小石。
大学入学当日、演劇サークルの演技と分からず助けた、助けられたの関係性で出会い、サークル入会をし付き合い始めた、出版社就職志望の早乙女カナコと、就職する気なし大学卒業する気なしの脚本家志望の長津田啓士そんな2人の恋の話。
…時が経ち、新たな大学新入生・本田麻衣子、…長津田にサークル勧誘され恋に落ちる麻衣子の恋、出版社絡みのバイトを始めてたカナコ、そのバイト絡みで出会いカナコに恋をする出版社勤務・吉沢の恋、カナコのバイト…後に知らずに出会う吉沢の元恋人・亜依子で見せる群像劇。
ストーリー感想よりも観て先に思ったのは亜依子演じた山田安奈さんが色気あって可愛かった~が印象的、メイク落としてのスッピン顔も!
カナコと長津田の恋は腐れ縁って感じで、その時その年、別の人と出会って心揺らいだり、前に進もうとしない姿に嫌気がさしたり、心揺らぎながらもやっぱり彼が心にいたり、乾杯はコンビニの発泡酒と惣菜とやっぱ価値観って大事なんですかね~
空港にいる時に貰った電話で察した“死”、駆けつければ長津田の受賞の報告、…何かあのシーンには不意に涙。この2人の関係性、腐れ縁でいる方っていますよね。
カナコ演じた橋本愛さんとノンの話し方似すぎ!作品としても面白かった!
薄っぺらいバカしか出てこない群像劇
かけがえのない大切な人の存在を表現した感じの作品。 今本年度ベスト級。
中川大志&橋本愛&山田杏奈さん目当て。
ロン毛姿で登場した長津田役の中川大志さんは、最初は誰だか全く解らず(爆)
山田杏奈さんのこれまで見たことのない鮮やかなファッションやメイクも新鮮で印象的だった!
のんサンも売れっ子作家としてチョイ役だけど登場。
チョイ役だけど存在感が凄かった。
大学卒業を目前にしても脚本を書こうとしない演劇サークルの長津田。学生時代からの憧れの出版社でアルバイトを経て念願の就職を果たした早乙女カナコを中心に展開するストーリー。
恋人同士の長津田と早乙女。
価値観のずれから徐々に距離が生まれていく感じ。
そんな中、サークルの新入生である麻衣子(山田杏奈さん)と長津田の距離が近づいていく一方、出版社で働く早乙女もまた、会社の上司との関係性を深めて行く展開。
さらに、その上司の元カノが登場。
一気に人間関係が複雑&泥沼化していく予感に引き込まれる(笑)
意外にも恋敵同士である麻衣子と早乙女が、それぞれの想いを語り合い心を通わせていく展開は斬新。
従来の恋愛映画とは違う感じが面白かった!
本作は「替えの効かないもの、人」の存在を描いた作品だって感じ。
長津田と早乙女の関係性を通して象徴的に描かれる一方、毎年同じ手帳を使い続けていた出版社の先輩である上司の元カノが、真っ白な新しい手帳に変わることで、過去を乗り越え、新たな一歩を踏み出す姿も印象的だった。
ラストシーン。早乙女が何かを決意したように走り出すシーン。
一体どこへ向かっているのか?
観る者の想像力に委ねられた感じだけど自分には想像も出来ず(笑)
でも彼女の未来への希望を感じさせる印象的なラストって感じ。
池に小石を投げるシーンのエピソート。
思わず笑ってしまいました( ´∀`)
腐れ縁の恋
普通の恋愛映画
自分の気持ちに素直になれば
自分の気持ちに素直になれないカナコ(橋本愛)と長津田(中川大志)の
非常にまどろっこしい恋愛模様。
長津田を好きになる麻衣子(山田杏奈)、
カナコを好きになる洋一(中村蒼)、
洋一の元カノ亜依子(臼田あさ美)。
いずれの想いも成就しない中、それぞれがそれぞれの気持ちに気づいていく。
その中でも成長著しいのが、自らもダメ男と自負した長津田だ。
カナコへの想いから、ダメ男を脱却していく最後半はすごく痺れた。
ダメっダメな中川大志の演技から、少しカッコいい演技になるところも良かった。
これはビジュアルも含めて。
最後の最後にならないと、カナコも自分の本当の気持ちに気づけなかったか
認めようとしなかったかもしれない。
きっとハッピーエンドなのだろうと思う。
それにしても、たったこれだけの内容なのだが、119分は長尺に感じた。
もうちょっとテンポ良く進行できると、もっと面白くできたかもしれない。
私としては、山田杏奈演じる麻衣子が最もリアルに感じたし、
山田杏奈の演技自体もリアルで、
途中、本作の主役は山田杏奈なんじゃないかと思ったほど。
そのくらい存在感があったし、素晴らしい演技だった。
ちょい役ではあったが、のんの存在感は抜群だし、
吉岡陸雄も良い味を出していて、本作のスパイスになっていると思う。
いろいろと惜しいとこもあるが、橋本愛のこういうキャラクターを見るのは初めてだし、
鑑賞後感も良くて楽しめた。
全69件中、21~40件目を表示