「誰もが経験した道に共感しかない。 ただありのままの自分であること、橋本愛が素晴らしい。 予告編がネタバレと思ったのは私だけ?」早乙女カナコの場合は ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もが経験した道に共感しかない。 ただありのままの自分であること、橋本愛が素晴らしい。 予告編がネタバレと思ったのは私だけ?
恋人同士の二人が、大学時代から卒業、就職を経験していく話。
等身大の、あるある満載で共感しかない。
サークル活動、出会ったときのピュアな二人。
二人にしかわからない特別な時間を経て、周りではちゃんと就職活動して次々に内定する奴ら。
彼女も内定先の企業の先輩とつきあい始める。
(現実では、しかも不倫だったりもする。)
それに比べて、まだ社会人成り立て、同学年同年齢で、かなり見劣りする彼。
二人の距離は離れてていく。
痛い痛いだれもが自分の話のようだ。
池松壮亮と伊藤沙莉の『ちょっと思い出しただけ』と近い話だったけれど、違うのは、2022年の「ちょっと~」では、彼女が男と別れて「普通の」結婚生活を選ぶこと。
本作の彼女は、彼を忘れられないまま、再会して、再び結ばれる。
翌朝、部屋を飛び出し走り出した彼女は、世間に流されず、まさに、『早乙女カナコの場合は』自分らしい道を選んでいることだった。
その時の服装のごとく、誰でもない、飾らない変わらない等身大の自分のままでいることだけで、感動した。
性別を感じさせないただ素朴な橋本愛の演技が素晴らしい。
如何にもいそうな口ばっかの脚本・演出家である彼、中川大志、良い人過ぎるOB、中村蒼、可愛い女、山田杏奈、と普通の善人である役者陣もいい。
「私にふさわしいホテル」の有森樹季=のんの出演も、「有森がちゃんとしていて」楽しい。
最後に、予告編でのネタバレが最悪。
シャンパンのシーンを予告で見せないでほしかった。
話が進むうちに、そのシーンが出てこないので、いつ来るかと思って観ていたら、長津田から突然の電話。
その深刻な声に、カナコは嫌な予感がして彼のもとに向かう。
ここで、もうそのシーンが来ると「わかってしまった」。
知らなかったら面白かったのに!
シャンパンを開けたときの音も、もう少しだけ銃声っぽさに近づけたら良かった。
そんなことを想ったのは自分だけだったでしょうか?
共感ください。
以上でした。