異端者の家のレビュー・感想・評価
全90件中、61~80件目を表示
宗教系ホラーっぽいだけ
宗教系ホラーっぽいだけ。宗教の豆知識が諸々あるが、ただそれだけで、作品全体としてホラーかと言われると、ツッコミどころ満載なので、途中から白ける。
冒頭の部屋から出られない、パイの香りはキャンドルだった、というのが最大の怖い点であとは学園祭的なノリの話。精神的に支配された女性が毒パイ食べて自殺しただの、その死体を同じ空間にいる人に気づかれないように別の女性がテーブル除けて、床下の重々しい金属の蓋開けて、持ったまま下に運んで配置した、と思われる下りとかは、心の底からコメディ。
パイの香りはキャンドルだった!の後から逆にあのモルモン教徒の女の子2人でお爺さんをボコボコにして、建物も完全に燃やし尽くしたところで、エルダーなんとかさんとかいう教会の先輩が迎えにくるみたいな、話のコメディにしたらきっと面白かった。
2時間1800円はつらい。学園祭で10分のシナリオで、300円なら許せる。
制作者らもまともな知性があったらあまりの滑稽なストーリー展開に吹き出しながら、作っていたでしょう。
支配‼️
布教活動中の若いシスター2人が、訪問した男性宅で恐怖のゲームを強いられるサイコ・サスペンス‼️空き巣に入った家の盲目の独居老人が、実は凶悪な元軍人だった「ドント・ブリーズ」を思わせますね‼️今作は根底にある「信仰の問題」と、ロマコメの帝王であるヒュー・グラントがサイコパスを演じてる点が新味ですね‼️ヒュー・グラントのあの笑顔が逆にコワい‼️サスペンスの演出としては目新しさはないし、地下室の描写がジメジメして汚ーいので、リピートする気にはなれないですけど、ラストまで緊張感を持続させた演出力は見事ですね‼️
こわっっっ
実はシリアルキラーなんかじゃなくて
単なる説教くさいおじさんでありますようにと祈ったがそうはいかなかった。
ブリジットジョーンズのあとにみてよかった。
印象変わっちゃいそうだもん。
ヒューグランドはそんくらい怖かった。
最後の蝶は幻覚なの?彼女は助かったんだろうか。
唯物VS唯心
唯物的な私としてはリードの見解にほぼ、全て、納得しましたね。只、彼の唯物心はサイコパスの正当化に過ぎないとは感じましたが。心霊スリラーでは無く、サイコスリラーであったのは唯物人間としてはホットしました。唯心恐怖より唯物恐怖が、身に起こる可能性が有るので怖いです。夏にお化け屋敷に入るのは、怖さを求めてでは無く涼しさを求めての私ですから。結局唯心の二人も攻撃は唯物でしたね。「ドライブ·イン·マンハッタン」等最近会話劇が多い様な🤔
ウザくてダークなヒュー・グラント登場!
4月25日(金)
本日初日の「異端者の家」をMOVIX川口で。
コンドームの広告が付いたベンチの上に腰掛けている二人のシスター、パクストンとバーンズがコンドームの話をしている。二人は布教活動中である。
不勉強でモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)信者が「魔法の下着」を着用しているのは知らなかった。
本作では「魔法の下着」が重要なワードになっている。
パクストンは、布教中の街中で若者に魔法の下着を露わにされてしまう。
やっとたどり着いた森の中の一軒家の住人リード(ヒュー・グラント)は、中で妻がブルーベリーパイを焼いているからと二人を家に招き入れる。二人が布教の話をしているとリードはホリーズのレコードをかけ、ボードゲームのモノポリーを出して盗作や複製の話から宗教を否定し始める。ウザくしつこい話でやり込められた二人は、ブルーベリーの香りがキャンドルのものだった事に気付く。妻も姿を見せず、不穏な空気に帰ろうとするが、玄関は時間錠が掛かって開かない。外に出るには二つの扉のどちらかを通らなければ出られないとリードは言うのだが、その扉の向う側には…。
モルモン教に限らず全ての宗教を否定して、宗教は「支配」だと断ずるリード。
最初は凛とした強いバーンズ(ソフイ・サッチャー)とメガネをかけ弱々しく見えたパクストン(クロエ・イースト)の立ち位置が代わるのも面白い。
カメラアングルやフレーミングに凝ったところがあり、編集と併せてナカナカ見せるのだが、ホラー、スリラー、サイコ、サスペンスと色々な要素があって、少々手を広げ過ぎた感もある。
だいぶグロい所があって、そっち系が弱い人は要注意。と、言っても大っ嫌いな「SOW」に比べればカワイイものか。
ラストに流れる「ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア」はソフイ・サッチャーがけだるい雰囲気で歌っている。
主役3人の対談動画3ショットインタビューは観た方が良いと思った。(ニュース欄で見られます)
おまけ
ヒュー・グラントは「エクソシスト」がトラウマでホラーが苦手だそうだ。しかし、本作では充分にコワい。
おまけ2
昔の私の職場にモルモン教の方がいたが、飲み会等でも一切アルコールは取らずにウーロン茶を飲んでいた(ただし、ハンドルを握ると超スピード狂だったらしい)。
あなたにとっての宗教は、思考の対岸にあるものか、思考に包括されるものかどちらだろうか
2025.4.26 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(111分、R15+)
LDSの布教活動を行うシスターと宗教的異端者との交流を描いたスリラー映画
監督&脚本はスコット・ベック&ブライアン・ウッズ
原題は『Heretic』で「異端者」という意味
物語の舞台は、とある町にてLDS(末日聖徒イエス・キリスト教会)の布教活動をしているシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)とシスター・パクストン(クロエ・イースト)が、ポルノの話をしているところから紡がれる
パクストンはポルノの中でセックスを中断せざるを得なくなったカップルの話をして、その時に素になった女性の様子を嬉々と話していた
さらに彼女は、そのシーンにて神がいることを悟ったとまで言い出す
バーンズは「そのようなビデオをよく見るのですか?」と聞くものの、パクストンはそれを否定した
その後二人は、シスター・ホールから指定された家を回っていくものの、地域住民からは色眼鏡で見られ、「魔法の下着はつけているのか?」とイタズラまでされてしまう
そんな折、雲行きが怪しくなってくるものの、二人はリード氏(ヒュー・グラント)が住む邸宅へと辿り着くことになった
リード氏は知性的で紳士的な白人男性で、二人は「女性の同居者がいなければ玄関で話す」と伝える
リード氏は奥で妻がブルーベリーパイを焼いていると言い、それを信じた二人は招かれるままにリビングへと入る事になった
物語は、そこで宗教の話になるものの、バーンズが何らかの異変を感じている様子が描かれていく
不審に思った彼女は、教会から電話が来たと嘘をついて帰ろうとする
だが、この家は電波が入らない作りになっていて嘘がバレてしまい、さらに鍵はタイマー式で朝まで開かないと言われてしまう
バーンズの懸念は現実のものとなり、二人はリード氏の監禁状態になってしまうのである
映画は、宗教を研究してきたリード氏が「宗教が抱えるある根幹を見つけた」と話すところから動き出す
彼は「究極の宗教とは支配である」と言い、布教活動はマーケティングの一環であると言い出す
そして、古くから国民の中で愛されてきたボードゲームを引き合いに出し、宗教は反復を繰り返したのちに、今の形になったと語る
ゲームはある種の元々概念が遊戯化したもので、その構造の有用性に気づいた者が広め方を研究したと言う
そして、それがそこそこ売れた古典のボードゲームと、本質的には変わらない新めの売れたボードゲームとして例えていく
だが、バーンズは宗教を貶める言葉だと思って反発し、それによってリード氏は「宗教における奇跡を再現する」とまで言い出してしまうのである
好きな人にはたまらない感じだが、内容に興味が持てないと一瞬で眠りにつける映画だと思った
基本的に3人による室内会話劇なので、場面転換はほとんどなく、後半に限らず照明が落ちるシーンなどがあって思った以上に暗い
それに反して字幕が明るいので、スクリーンに近すぎると辛いように思えた
内容に関しては、個人的には大好物な部類で、究極の宗教は支配というのも面白いし、個人的には「宗教の対義語は思考」とさえ思えるような愉快な論戦が展開されていた
ボードゲームや有名なパクリ騒動を例に出しているのだが、それらは日本では馴染みが薄めなのが辛いところだろうか
ニュアンスで何となくわかるので、何かしら自分の知っているものに置き換えれば身近に感じられるのかもしれません
いずれにせよ、実は主人公はパクストンだったという方が衝撃的で、この騒動の中で最も変化した人物であるように思う
彼女たちはユタ州出身で、いわゆるLSDの本拠地のために、生まれながらにしてLSDという側面は否めない
いわゆる二世信者的な部分があって、バーンズはそれらを自分の思考と合致させる努力をしてきたし、パクストンはまだ未熟なところがあった
バーンズほど思考と合致してくると布教活動でも色んな言い回しや例え話、相手の疑問に答えられる即興性を持ち合わせられるだろう
だが、映画では、研究者リード氏を否定し、バーンズも奇跡を起こすアイテムとして使われていて、最終的に生き残るのがパクストンだった
彼女は祈りは美しいと言い、それはリード氏のような人物のために祈ることも同等であると考えるに至っている
また、劇中にて「胡蝶の夢」が引用され、この一連の出来事が「パクストンが見た夢」のようにも思える
だが、蝶は実在し、最終的には彼女の手がから飛び立っていくことを考えれば、夢で起きたことも、現実で起きた奇跡も同等に自身の祈りに吸収されていくものと言えるのだろう
そうした理解が深まることこそが宗教の本質であるとも言えるので、本来は「宗教=思考」だったものが、今では「宗教≠思考」に成り下がっているという警鐘を含んでいるのかな、と感じた
竜頭蛇尾
異端者の台詞がよく練られているうえ、それを演じる俳優の演技力も非常に高いため、友好的だが不気味な性質が非常にうまく表現されている。
前半の何気ないシーンを伏線として使う点や、家のミニチュア模型を使った演出も面白いと思う。
しかし、終盤に致命傷を負った登場人物が死ぬ寸前まで無傷時と同等の運動能力を維持して派手に立ち回り、展開を強引に進めて終幕となるため、見終わった後にモヤモヤ感が残る。終盤の粗さが作品を台無しにしているように感じた。
【”唯一絶対の狂信的宗教感に固執した、一見温和な異端者の男に囚われたモルモン教勧誘宣教師女性監禁ムービー。”今作は、ヒュー・グラントの芸風が更に広まった画期的クリーピーホラーである。】
■若きモルモン教の宣教師、シスター・バクストン(クロエ・イースト)とシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)は布教活動のためにアメリカのある州の郊外の一軒家を訪ねる。
玄関先に現れたのは、英国紳士風の笑顔の男性リード(ヒュー・グラント)。"妻がラズベリー・パイを焼いているし、雨も強いので。"と、家に中に招き入れられた二人に、次々に予想外の出来事が襲い掛かるのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
・殆どの人がご存知だろうが、ラブコメの帝王、ヒュー・グラントのマサカのホラー映画初出演作である。が、私は楽しみにしていた作品である。
・宣教師二人に対して、リードが畳みかける様に、モルモン教、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教について、早口で独自の宗教観を語って行くシーンは、ヒュー・グラントの独壇場である。
・さらにそこからモノポリーの元となったランドローズ・ゲーム、そしてファンの間では有名なレディオヘッドの初期名曲”クリープ”の盗作疑惑の元曲ザ・ホリーズの”ザ・アート・ザット・アイ・ビリーブ”の話になり、それらの曲が効果的に流れるのである。
そして、リードが間接的に言ったのは”反復”と言う概念で、分かりやすく言えば”モルモン教なんて、ユダヤ教の反復の結果だろう?”という事である。
彼の考えを知ったシスター・バクストンとシスター・バーンズは、顔を強張らせて、彼の家を辞去しようとするのである。
・だが、正面玄関はタイマー式になっていて開かないと言われ、二人は”宗教””非宗教”のどちらかの扉から家の外に出る様に促されるのである。
この辺りは、じりじり系ホラーである。
だが、その扉を開くとどちらも暗い地下室に繋がっているのである。嫌だなあ。
■ここからが、更に怖いのであるが、地下室に降りた二人はそこでブルーベリーパイを持って来た老婆に会う。リードはそのブルーベリーパイにはトリカブトなどの毒が入れてあり、食べれば死ぬが、我が宗教では生き返るのだ、と宣うのである。
そして、老婆はそのパイを食べ息絶えるのであるが、その後に生き返るのである。
シスター・バクストンは喉をカッターで掻き切られ、殺されるが、生き残ったシスター・バーンズは老婆が生き返った理由を見抜き、且つリードに反撃をし逃げるのである。
リードの唯一絶対の狂信的宗教の教義は、シスター・バーンズが逃げる途中に見た、木の檻に入れられた、水だけ与えられている多数の勧誘宣教師の女性達からも分かるように【支配】である。
ブルーベリーパイを持って来た老婆が、死ぬのが分かっているのにブルーベリーパイを食べた理由や、彼女の代わりに”行き返った”老婆がリードの意のままになっていた事も分かるのである。
<今作は、”唯一絶対の狂信的宗教感に固執した、一見温和な男に囚われたモルモン教勧誘宣教師女性監禁ムービー。”であり、ヒュー・グラントの芸風が更に広まった画期的クリーピーホラーなのである。いやあ、ナカナカでありました。>
唯一絶対の宗教の「正体」にガッカリさせられる
人懐っこい笑顔が「不気味」としか思えなくなるような、ヒュー・グラントの怪演が堪能できる。
ボードゲームやポップミュージックを例に挙げて、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の関係性を説く宗教論も興味深い。
ただ、彼が、2人の若いモルモン教の宣教師を家の中に閉じ込めて、一体何がしたいのかがよく分からない。
既存の宗教を「偽物」だと否定してみたり、唯一絶対の宗教を見つけたと豪語したりするところを見ると、議論を吹っかけて論破したいだけの宗教ヲタクのようにも見えるし、死者が蘇るところを見せるくだりからは、新興宗教の教祖にでもなろうとしているのかと思えてしまう。
ところが、終盤になって、彼の正体が、女性を監禁して「支配」したいだけの、単なる変態だったということが判明して、何だか肩透かしを食らってしまった。
あんなに何人もの女性(おそらく、宗教関係者)が、家の周辺で行方不明になっているのに、誰も彼を怪しまないのは不自然だし、いくらマインドコントロールされているとはいえ、女性たちが、比較的自由に行動できる状況でも、彼の言いなりになっているところには違和感を覚えざるを得ない。
蘇った死者によって異端者が倒されるラストにしても、「神の存在」よりも「ご都合主義」の方を強く感じてしまった。
アクションによって決着を付けるという作劇上の「定石」に異存はないものの、オープニングの宣教師たちの赤裸々トークや、「モノポリー」の例え話などが面白かっただけに、こうしたネタを活かした「心理戦」や「頭脳戦」をもっと見てみたかったと、少し残念に思ってしまった。
地下室怖い
典型的な日本人なので、
宗教にとても疎いから
宣教師の存在もあまり理解できないなぁ。
でも布教活動は大切なんだろね。
宗教絡みだし「異端者の家」という
タイトルだし(邦題がだけど)
神とは真逆の存在を信仰している者で
もっと邪悪さ全開を予想してたけどなんだか違う。
とはいえ、
美しかったヒュー・グラントの
(モーリスでは恋するほどだった)
不気味で邪悪な役も似合うなぁ。とか思い
ゾワゾワしながら観ていたけど
種明かしされれば
なーんだ。とがっかり展開。
いやぁそもそもあの家の界隈で
あんなにたくさん宣教師が
行方不明になっていたら
問題になるのでは?とか
彼女たちをどうしたいのか。
作中では読み取れませんでしたねぇ💦
ちょっとおばかっぽいシスターが
急に賢くなるのも「へ?」ってなった(笑)
蝶のゆくえ。
布教のため街を歩くシスターのパクストンとバーンズ、…が訪れた森の奥にある一軒家に入ったことで起こる話。
家主リードに妻は中にいる“ブルーベリーパイ”で釣られ、部屋に入れば「どの宗教も真実とは思えない」からと宗教について語りだし、何か様子のおかしな家主に恐怖を感じ、家を出ようとする2人だが…。
タイマー式の扉で開かないから始まり閉じ込められたと気づき…、帰りたければどうぞとは言うものの選択肢は地下へと続く通路(迷路)のみ。ホラー作品というよりホラーベースで部屋替えありの会話劇って印象。
ホラー好きの私にはもの足らなかったかな。
冒頭のベンチに座りあんな真面目な顔して下トークの方が印象的だったかも。
雨と音とヒューグラントと
家に誘い込むのに、「雨」というのは古典的な手法。「ムカデ人間」そうだったよね。
それに、自転車とか時計の音を意味ありげに響かしているのも導入としてはいいね。
個人的には冒頭の2人の無駄話が好みだなあ。タランティーノっぽくて。ヒューグラントの語りも意味があるようでなさそうで、でもなんか説得力あってよかった。
あのラブコメの帝王がねえ!あのキャスティングはほんとお見事!そしてその期待にしっかり応えるヒューグラントもお見事!
今回はパンフ購入しましたよ!しかーし、★は4.5なぜ、0.5下げたのか。
やはり、ラストだよねぇ。死んだと思ったシスターBが釘角材でぶんなぐるの、意味あった?あのままでもリード氏はアウトだったはず。なんだかんだで全員死亡がよかったのになあ。ファイナルガールとなるシスターPも途中から聡明な人にキャラ変しちゃうし、そこが弱くなってた。それに、「支配」というのなら、リード氏はシスターを絶対に傷つけないでほしかった。中盤までは、全く傷つけず不安で縛っていく流れがよかったのに。カッターで切り付けていくのは、普通の殺人者だよね。
あと、2人を探しにくる同僚の男の存在感が皆無。あれなら名無しの郵便屋でもよかった。あそこら辺もやるならもっと絡ませないと。
家の仕掛けも改めて考えると全然脱出不可能じゃないしね。キャスティングと作品コンセプトはよかったけど、
やっぱ、ラストがなあ
A24にしてはラストが、、、、でもパンフは買いたくなった!
2025年劇場鑑賞21作品目(22回鑑賞)
宗教の本質を問う異端者
冒頭の
シスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)と
シスター・パクストン(クロエ・イースト)の会話や異端者の家に向かうまでの道中で
二人のキャラクターを印象づけているのが、後半実に効いてくる。
そして、異端者ミスター・リードの家が教会っぽいのも効いてくる。
ミスター・リードに宗教の本質を問うような議論をふっかけられ、
両シスターの信仰をゆらがせつつ、家の中で仕掛けをつかいながら、どんどん追い込んでいく。
この辺りからホラー要素を交えつつ、リードの歪な宗教観を具現化した
囚われの女性たちが登場し、実に陰鬱な気持ちになった。
一方、シスターたちも負けてはいない。
バーンズは強く凛とした佇まいでリードと対峙、パクストンの支えにもなっているが
後半よもや殺されるとは思わなかった。
パクストンは弱々しい印象だった前半とはうって変わって、バーンズが死んでから覚醒!
特にメガネをとってからは、どんどん逞しくなっていくパクストンに惚れた。
リードとのラストバトルも秀逸&まさかのバーンズが一瞬蘇生するのも予想していなかったが、
伏線回収をちゃんとしていてスッキリした。
が、教会から二人を探しにきた神父?は、かなり肩透かし。大空振りだった(笑)
すごく思わせぶりなまま、大空振り三球三振的な?すごい脱力感。
でも、それ以外は面白いからOK。
リードを演じたヒュー・グラントの
優しくも不穏で不気味で冷酷なサイコキラー演技がすごい。不気味すぎて怖すぎる。
顔の皺が余計にリードを怖くしていると感じた。
バーンズを演じたソフィー・サッチャーの凛々しい演技も良かったし、
何よりパクストンを演じたクロエ・イーストの徐々に強く変化していく様を演技で
見事に体現していたのが私にはもっとも刺さった。すごい。素晴らしい!!
ラストショットのパクストンも神々しくて魅入ってしまう終わり方で大満足。
宗教とは何ぞや?というのも大いに考えさせられ、ただのスリラー作品ではないなと感じた。
パンフレットを買った(A24のビニールバッグ付でお得な気分に!)ので
じっくり余韻に浸ろうと思う。
本日レイトショーで鑑賞したが、品の良さそうなおばさま5人組が、鑑賞後にめっちゃ怖かった〜と
感想を言い合っていたのが微笑ましかった☺️
論破王
「洗脳」・「支配」
日本でもよくカルト宗教にのめり込む信者達へ使われるこれらの言葉は実は全ての宗教を信仰する者へ当てはまるのではないか、と狂った宗教研究家?に詰め寄られるモルモン教布教中のシスター達の悲劇のお話。
全米でスマッシュヒットしたらしいが、アメリカのエンタメは何事にも優先されるという事かw
抗議もあったそうだが、なかなかの寛容ぶりに驚く。
家に閉じ込められ、布教や戒律(避妊の否定や服装・食事等の制限)だけでなく、日常の大小様々な選択でさえ実は自らの意思で決めていないのでは?それはまさに支配されてることと同意でしょ?と詰められ、信仰心を疑いそうになりながらも必死に逃げようとするが、用意周到に何重にも罠が張ってあり、お望み通り信仰を否定してやっても解放してくれない気満々な宗教オタク役のヒュー・グラントが恐ろしくもハマり過ぎて面白かった。
キリスト信仰の宗教のオリジナルはユダヤ教でそれ以外は派生したものだが、モルモン教が世の中に広く広まっているのは布教活動をしたから、というのをモノポリーを例に論じるシーンは凄く納得。
一夫多妻制は教祖ジョセフ・スミスの個人的な趣味?・・・確かに聞いたことはあるが大丈夫かw
そう言えばユタ出身のケント・デリカットもモルモン教徒だったっけ。
シスターズがだんだん魅力的に見えてくる不思議。
避妊インプラントって初めて見たけどあんな場所に設置するとは驚き。
学生時代、自分の周りにもただ議論したいだけの面倒くさい奴っていたなあ、と懐かしく思いながら観てた。
またまたKnockin' on Heaven's Door
復活のシスター・バーンズ を演じてたSophie Bathsheba Thatcher
がエンドロールで聴かせてくれる、この曲
作品にもあってて彼女の声が最高です。
ホリーズの
The Air That I Breatheも聴けます。
狂信者のタワゴトやストーリー、それにホラー表現に目新しいところは感じませんでしたが、
3はマジックナンバーですね、三人の演技で、作中に引き込まれてました。
映画館、行ってよかったです!
イカれたおっさん劇場
キリスト教と宗派
世界に24億人いるキリスト教徒
だが聖典となる旧約聖書の解釈
イエスを産んだマリアの方が偉い
というマリア信仰
何なら新約聖書など
様々な宗派がありおおまかには
全世界のほぼ半数を占める
先日逝去されたローマ教皇を
中心としたカトリック
その次に多いのは
16世紀にルターの宗教改革以後
生まれたプロテスタント
である
今作はその宗派における
(プロテスタントとする定義もある)
「末日聖徒イエス・キリスト教会」
かつてはモルモン教と言われた宗派の
の布教活動を行うシスター達が
軽いノリで訪れたおっさんの家に
入ったが最後トンデモな目に
遭うサイコスリラー
どうだったか
ブラピほど突き抜け過ぎず
さりげないナイスガイの代表格
だったが今はいいおっさんになった
ヒュー・グラントのイカれた
演技は最高でしたが
どうしてもテーマがテーマ
宗教観からくる受け取りが
どうしても日本人にはなじみにくく
会話劇も本国の人らの方が
もっと面白いんだろうな~と
感じてしまうところがあった
二人のシスター
バーンズとパクストンは
家に入る前に確実に嫌な予感がして
独身男だったらさっさと帰るよと
決めた者の
「奥さんいますか?」と聞くと
「いるよ!(ウソはついてない)」
と答えられたりして
結局どんどん引き入れられてしまう
ご都合的に通じないスマホの電波
なんだそれはと笑ってしまう家の
わけわからんギミック
A24系特有のいつものチープ感と
合間って怖いと言うよりギャグに
なっていました
「一夫多妻制は認める?」とか
それあっちの宗教じゃんと
誰もが思ったり(笑)
ラストも投げっぱなしな感じで
多分すぐ忘れそうな映画だが
まぁたまにはホラーもね
ってホラーじゃなかったけど
演技力
終盤に動きはありますが、それ以外はほぼワンシチュエーションの会話劇です。また、題名からも察せられるように、その会話の内容も宗教についてが殆どで、宗教に興味がないと退屈に感じるかも知れません。それに、驚くようなオチが用意されている訳でもないです。
ただ、ヒュー・グラントの目的が分からず、先の展開が読めない事に加えて、三人の役者の演技がとても上手いので、緊張感と怖さは伝わってきました。という訳で、人に勧めるかと聞かれればNOですが、観て良かったと思います。
追記
ブリジット・ジョーンズの日記を鑑賞したばかりだったので、ヒュー・グラントのことがそれとダブって変に見えるかなと思ったのですが、そんな心配は無用でした。それだけ演技が良かったのだと思います。
文句なし!魂が震える程の余韻があった!!
ラストのまばゆく神々しい光の光景に魂が震えました。
ソウ系の脱出劇を予想していましたが、宗教の小難しい会話劇が多めです。しかし、その会話劇も苦にならず、宗教の本質に迫る内容です。ポイントは「支配」と「祈り」です。
リードが序盤に多妻婚を話し、それを支配によって望みを叶えていることなんでしょう。
神が本当にいるのかは誰も証明できませんが、少なくとも私達は、神に祈ることによって救われる奇跡があると感じた映画でした。
奥が深く、秀作だと思います。
全90件中、61~80件目を表示