劇場公開日 2025年4月25日

「布教訪問って正直怖いなって思っていたら、まさかの訪問先が怖すぎた!」異端者の家 somebukiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0布教訪問って正直怖いなって思っていたら、まさかの訪問先が怖すぎた!

2025年5月6日
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鑑賞方法:映画館

みなさんはご自宅に布教訪問されたことはあるでしょうか。
いきなりインターホンでピンポーンってやってきて、玄関開けると聖書を持った人がいるってやつ。
最近は少しずつ見かけなくなってきたけど、飛び込み営業みたいで、正直不気味だなって不安感を抱くことも多いです。

本作ではその布教訪問する人ではなく、逆に訪問された側の人の主が実はヤバかったって映画です。

いわゆる、舐めてた相手がヤバいやつだったの最新作。

「クワイエットプレイス」の脚本を担当していたスコット・ベックが監督を務めていることもあり、音のない緊張感の演出はかなり良かった。

なんといっても「ノッティングヒルの恋人」「ラブアクチュアリー」など出演し、ロマンティックコメディの顔であったヒューグランドが今回恐ろしい悪役を演じていただけで大満足。

また、布教活動する2人の少女には「ブギーマン」や「エクソシスト」などホラー作品に出演し、今注目されているソフィー・サッチャー。「フェイブルマンズ」にも出演しているクロエ・イースト。2人の健気に布教活動に取り組む姿、徐々に罠にハマっていく姿が辛い。

前半、宗教観を軸に繰り広げられる会話劇によるスリラーから後半、脱出できないし、何が襲いかかるかわからない良い不気味な展開までも面白かった。

単純なホラー映画とはいえない、まさにA24が放つ新感覚ホラーと言ってもいい作品。

ジャンプスケアも比較的多く無く、基本は対話や思想について描かれていく。

いきなり見せずに想像させる猶予がまた怖い。
ブルーベリーの香りするキャンドルに気づいたとにに、キャンドルとカメラが一緒に回るためすぐには視聴者は見えない。
扉を開ける際にも、空いた扉側からのカメラカットになり、一体何があるのかが、すぐには見せてくれない。
このちょっとした猶予が恐怖を煽る。

本作の魅力の一つなのがリードが住む家。さまざな奇妙な仕掛けが用意されており、しかも不気味なのが、微かに気づけるように仕組まれていることである。

気が付かない仕掛けなら意外に怖くないが、気がつく仕掛けほど不安感を抱く罠はない。

オープンに議論しにくいテーマを選んだらしい。それが「宗教」らしい。
たしかに、本来宗教は人を支え、導くもの、救うものから、他のもので例えるさまは非常に興味深かったし、共感する部分も多かった。

神様からの助言であればもともと受けたお言葉が最も正しい助言になるはず。
ただ、実際は時代や生き方に合わせて変化しているのは、結局のところ人の解釈によって調整している気がする。
ようは都合よく人間が解釈しているのでは。
しかも、いろいろ派生していいとこ取りみたいなのって違和感である。
ここに関する疑問視や着地の思想については映画表現として興味深かった。

ただ、本作でもう少し見たかったのは、なぜリードがその思想にたどり着いたのか?
リードは宗教について関心があり、かなり勉強をしていた、ただその結果、信じていた思想が違うと否定された瞬間があったはず。
その結果、本作のリードが生まれてしまったのだと思う。

そのリードが生まれたきっかけをもう少し深く知りたかった。

まさにエスターのエスター0みたいな内容がいずれみたいと思った。

somebuki
大吉さんのコメント
2025年5月6日

リード0いいですね。是非みたい。

大吉
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