「居心地悪い…薄気味悪い…ヤバい、この人!」異端者の家 ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
居心地悪い…薄気味悪い…ヤバい、この人!
恐ろしい仕掛けのカラクリ屋敷に閉じ込められる話かと思ったら、恐ろしいのは人間でした。
信じる事の怖さや強さ。また、基本的な考え方が自分とは全く違う相手には嫌悪感を抱いてしまったりするのだなと思いました。
若い女性が、女性のスカートを"公衆の面前で"下ろすなんて酷い事を、どうして出来るんだろう。やられた相手の気持ちもだけど、自分が軽蔑されるかもという思考は無いんだろうか。その感覚が気持ち悪いです。
そのショックから立ち直れぬまま、布教活動に向かったシスターパクストンとバーンズ。正反対のキャラクターでどちらもキュートです。が、バーンズが布教の話を始めると、宗教に疎い私は奇妙に感じてしまいました。むしろ、すべての宗教を否定して持論を展開するリード氏の例え話の方が受け入れられます。しかしリードも、一方的に話題を変えたり、大声は出さないものの、時に強い口調になったり、急にキャンドルを吹き消したり、次第に不気味に見えて来ます。そして、2人を帰す気が無いと分かった時の恐怖。
「君たち2人のうちどちらかが嘘をついている」と言いながら、騙していたのはリードの方で、2人の反応を見て楽しんでいたのでした。
R15ですがホラーとしてはそれ程怖くはなく、それより、話が全く通じない気持ち悪さがあります。
ここからネタバレです。
屋敷には玄関以外に出口は無く、どちらのドアを選んでも地下室行きでした。正しい選択をすれば出られるのに、リードのミスリードによって間違った方を選ばされてしまう、という方がお話的には面白いのにな、と思います。
地下に閉じ込められていた女性たちの檻は動物用で、長く生かす気は無さそう、それなのに何人も居るからこれまでにかなりの犠牲者がいたと想像できます。バレないの?
リードの狂気は恐ろしいですが、彼の言う「支配」は心の支配ではなく物質的な支配でした。
自ら毒を食べた女性は、洗脳されたというより、解放されたくて自殺したのでは?と思いました。
玄関のドアのロックのタイマーも解除不可能も噓だから、脱出劇としては、見事解除する方向が望ましかったですし、リードがこっそり抜け出した出入り口も実はあったはずなので、その辺の種明かしは欲しかったです。
トリックにはちょっと無理があったので、脱出劇には重きを置いていないです。3人の演技はとても良かったです。
コメントありがとうございます。
復活は、作中で何度も言及された“奇跡”ということなのでしょうね。
ろくに栄養も与えられてない女性が、という部分も確かにムリがあったと思います。
(2人が階段に移動したタイミングを狙い、叫び声に音を隠して、とかなると余計に)
机の足が扉にかかってたかや、扉が天板に当たらないかなどは確認できてませんが…
泥かなにかで扉が隠れてたのは有り得なかったかと。
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