美晴に傘をのレビュー・感想・評価
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ワクワクうきうきちょちょいのどん。一歩進む勇気ということかな。
目を皿のようにして画面を眺めていたのだが、舞台となる土地が特定できず。エンドクレジットを観てようやく北海道余市でロケされていたことがわかる。なるほどワイナリーがあるわけだ。お盆時期でもそれほど暑そうでないことも了解。
さて本作は冒頭1時間近くは我慢しなければならない。漁師の元に四十九日を機として亡くなった息子の妻が子ども二人を連れてやってくる。息子は昔、父親と仲違いして家を出ている。漁師は息子の妻子に会ったことがない。更に長女美晴は自閉症と聴覚過敏症の障害がある。ところが母子は何の前触れも説明もなくいきなりやってきて泊まり込む。漁師は戸惑うばかりだ。さらに母子はいきなりテーブルや椅子の脚にテニスボールをくくりつける。これは美晴の聴覚過敏への対策。そして四十九日法要に透子は場違いなワンピースを来て参列する。これは亡くなった光雄が買ってやった服で、それを着て会いに来てくれと言い残したから。
おいおい、言葉で説明すれば済むところじゃないか、と思うんだけど、そうしないから何かエイリアン的にこの母子が見えてあまりシンパシーを持てない。
さらに、俳句をひねる親父や漁港、居酒屋の仲間たちがやたらと喧しく(吉本新喜劇風とのレビューもあったがそんなにいいもんじゃない。ノイジーなだけ。特に玉岡役の徳岡っていう役者が悪目立ちすぎ)どうしても映画には入り込めない。
状況が変わるのは、後半、ワイナリーと桐生さんが登場してから。ここに至って美晴が変わり始めて彼女なりに一本踏み出そうとする。それぞれがそれぞれに対し、新たな働きかけや距離の取り方を模索し始める、つまり皆が一歩進もうとする姿が映し出され映画としては後味は良い感触で終わる。ただ、どうも最後まで透子さんにはエンパシーを持つことができないんですね。なんか違うんじゃないかと思ってしまう。次女の凛がとても可哀想な気がするんですね。最後の部分も蚊帳の外。取ってつけたような母親のフォローはあるけどね。とてもいい子なのに。グレちゃうよ。
「傘」に込められた幾重もの意味
思いを声に出して伝えたい
優しい言葉が刺さる
心の奥が震える映画だった
心配に…
駄作も良いところ
升毅が良かった 初めてここまで升毅を意識した気がする 正野役、 キ...
升毅が良かった
初めてここまで升毅を意識した気がする
正野役、
キャラも俳優さんもすっごく良かった
そして、
最後の掛け合いは圧巻だった
でも、
美晴の症状の考証が不十分で一貫性がない
美晴をメインにした作品なので、
そこはやっはり見逃す訳にはいかない
お母さんがなぁ
2025年劇場鑑賞24本目。
エンドロール後映像無し。
パンフレット無しなのでマイナス0.5。
邦画くらいの情報量で鑑賞。でもタイトルが障害者を扱っている映画っぽいなぁ、と思っていたらそうでした。
勘当した息子が亡くなって、葬式にすら出なかった父の元へ妻と娘2人が連絡もせず納骨に来てそのまま居座る話。いや常識ねぇな!先にも触れた通り美晴が聴覚過敏の自閉症なのですが、ろくに説明もせず、升毅演じる義父がNG行動をすると怒るし、法事である行為をして止められてもなぜか理由を説明しないし、美晴には障害者の親あるあるではあるのですが何もさせないし、田中美里には悪いのですがずっとこの母親にイライラしっぱなしでした。
当然、父も後悔していて立ち直ろうとする話になるのは予想がつくと思うのですが、そこに驚くほど美晴が関係なくて、いやそこはうまいことからめんかい!と思いました。令和にこんなワードよう出したな、という暴言が出てくるのですが、それについて謝らないまま終わったのもモヤつきます。
良かったのはイヤな人だと思っていた人がいい人だったくらいですかね。
みつお
余市で漁師をする男のもとに、長らく交流がなかった息子の49日の法要と納骨の為に、息子の嫁と孫娘2人が東京からやってきて交流する話。
息子の職のことで衝突し、それ以来疎遠で葬儀にも参列しなかったという状況下、会ったこ ともない息子の嫁と2人の孫娘が連絡もなく自宅にやってきて巻き起こっていくストーリー…太陽丸って船かと思ったw
あらすじ紹介に自閉症で聴覚過敏とは記されているけれど、母親とのやり取りをみるに ID も入っているよね?と思わせる感じだし、序盤は偏屈マヨラーかと思っていたけれど、え っ!?20歳!?あれ、この嫁がずれている?
良い話しだし面白くはあったけれど、本人の頑張りよりも母親のずれの方が引っかかるし、 ちょっとコテコテ過ぎて白々しく、安っぽく感じてしまった。
善次の思いが変化していく所が良かった
北海道の小さな漁村で漁師をしてる善次は、20年以上前、詩人になりたいと言った息子・光雄とケンカ別れしてから一度も会っていなかった。その光雄がガンで亡くなったと連絡を受けたが、東京で行われた葬儀にも出席しないまま日が経ち、四十九日を迎えようとしていた。そんな時、光雄の妻・透子が娘の美晴と凛を連れ、光雄の遺骨を持って北海道の善次を訪ねてきた。初めて会う息子の嫁と孫の訪問に戸惑い、また孫娘の美春は聴覚過敏の自閉症で、接し方もわからなかった。そんな美晴を守るのに必死な透子と、外に踏み出したいと思いながらも不安を感じると布団に逃げ込んでしまう美晴。町の人々とも交流するなかで、善次、透子、美春の3人は光雄の事を思い出しながら、自分自身の中から湧いてくる声に・・・そんな話。
亡くなった光雄を通して、善次、透子、美春、そして凛の思い、変化が見所だった。
親は子の事を思い不安定な仕事だと苦労するから反対する気持ちもわかるが、多くの場合、後悔する事になるのが本作でもわかる。
聴覚過敏な自閉症の姉を持つ凛がひねくれずに姉の手助けをしたりして良い子だなぁ、って思った。
美春のユニークな音を感じる発言、詩集とかに出来ないものか、なんて思って観てた。
善次役の升毅、透子役の田中美里ともに落ち着いた演技が良かったし、美晴役は難しかっただろうと思うが、日髙麻鈴が見事に演じてた。
凛役の宮本凛音の家族を思う自然な演技も良かった。
母の気持ち
私はASD、投薬はされていないが美晴(日髙麻鈴)と同じく自閉症と診断されている。時折見せた美晴の「こだわり」はあるなあと思った。だが聴覚過敏ではないので音への感性は分からない。だから美晴について色々と言えない。ただ終盤になるにつれ、美晴が相手の目を見て話す場面が生まれるのは嬉しかった。
首を傾げたのが母・透子(田中美里)がなぜ耳元をはじめこれだけ自らを飾るのだろうということだった。途中でふと思った。これらは娘を守ろうとする心の装備ではないかと。夫の光雄(和田聰宏)が健康な時からそうだったのかは分からない。しかし夫が癌となり、美晴を守るのが自分だけになるとの思いが装備を強固にしていったのでは、と考えている。この「守る」中に凛(宮本凜音)がどれだけあったかもまた考えるところだが。だからこそラストは、だと思う。
善次(升毅)と息子の関係は起こったことは分かるが場面がないので、善次の苦悩を想像するのは難しい。それがより息子を失い空になった喪失感を表している。ああすればよかった、しかしそれは後悔だけで後悔したところで空白は埋まらない。
善次、透子、そして美晴が交互に言葉を綴るラストはまるで音楽を聴いているようだった。
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