「ボクシングの話だけどそれだけじゃない」Welcome Back iccoさんの映画レビュー(感想・評価)
ボクシングの話だけどそれだけじゃない
今までみたボクシング映画の中で1番面白かったかもしれない。
ベンのテルへの妄信にも狂愛にも見える崇拝、テルのベンへの傲慢な信用、二人のある種共依存的な関係が一度の敗退で変化して行く。
絶対的な存在が自分の中で絶対でなくなった時、人はどのように気持ちに折り合いをつけるのか。
弟分からあれだけ信奉されたら、プレッシャーでおかしくなりそうだけど、俺様何様テル様だったうちは旨味成分くらいで特に負担でもなかったんだろうなあ。
でも彼は嫌なことから逃げがちで残念なとこもあるけど、心の痛みと向き合って自分の弱点に気づく強さもあったのがよかった。
それにしてもファイトシーンがすごくリアルだったわ。
色々足したり弄ったりしてない感じが余計に臨場感があったというか。
パンチのスピード感がすごくてハラハラした。重い音も痛そうで怖かったし。
ボクシングの話だったけど、背後に隠れている信奉者とその対象の関係の変化がものすごく面白かった。
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