劇場公開日 2025年2月21日

ノー・アザー・ランド 故郷は他にないのレビュー・感想・評価

全52件中、41~52件目を表示

5.0全人類が観るべき、心震えるドキュメンタリー作品。青年たちは、この不条理な現実を変えることができるのか。

2025年2月23日
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泣ける

悲しい

怖い

ひどい吐き氣に襲われるわ

胸はえぐられるわ

目眩がするわ

あまりの現実の惨さに

目を背けたくなる

現在進行形でくり広げられる不条理な現実に

なすすべもなく

ただただ涙をこぼすことしかできない
無力な己に絶望を味わう

この流した涙で、現実を変えることができるのならば、涙など枯れるほどくれてやる

77年という長い歳月からしたら、95分という、パレ スチナ人が味わってきた苦悩のたった一片でしかないが、その一片から見えてくる、私たちひとりひとりが、人間として直視しなくてはならない

ー世界のリアルー

を痛いほど突きつけられる、すばらしい映画だった。

ーそれでも僕たちは この現実を変えたいー

と語った青年たちの会話がこだましている。もう、ずっと。この先も、現実が変わるまで、ずっと、ずっと。

これは、映画の中のお話だけではなく、彼らだけの問題ではなく、私たちひとりひとりの問題であると問うてくる。

私には、なにができるだろうか・・・

まずは、この映画を多くの人に観てもらい、この不条理な世界の現実を「知る」ところから。そこから、今よりもほんの少しだけましな世界になってゆくのではないか。

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毎日

5.0世界は狂ってきている

2025年2月23日
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鑑賞方法:映画館

いまや、世界で何が起こっているのか、分からないようで、さまざまなツールのおかげで、克明に分かってしまう。しかし、破壊は終わることなく、続いていく。世界は、完全に狂ってきているのか。考えさせられる作品。シビア。

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DnaH

5.0感想が無限に湧いてくる。誰かと見に行ってたくさん話がしたくなる映画。

2025年2月23日
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鑑賞方法:映画館

先祖代々暮らしてきたパレスチナの村の、パレスチナ人の家。「この辺は軍の訓練場にするから」とイスラエルに勝手に決められてしまい、ブルドーザーがやってきます。「まだ娘が中にいるの!」と叫ぶお母さん。洗濯機とかマットレスとか家財道具を引っ張り出してきた住人たちが、自分たちの家がブルドーザーで壊されるのを涙を流しながら見ている。壊された家を建て直そうとすると、今度は大工道具や発電機を奪おうとする。パレスチナ人を追い出そうと、こんなことが何十年も続けられている。重装備のイスラエル軍に対して、この映画の監督の一人でもあり主人公でもあるバーセルの武器はカメラで、イスラエル軍が暴力的な行いに出るたびに「撮っているぞ」と叫びながら、「これが僕の村で今起こっていることです」と(観客である私たちに)語りかけながら、イスラエル軍に向かっていく。

2023年10月以前からこんな不条理なことがずっとずっと続いてきた。
これが普通の映画だったら、こんなふうに抑圧されている人たちは救われるし、こんな酷いことしてる側にはなんらかの罰があるだろうが、これはドキュメンタリーで、イスラエル軍が丸腰の市民を(自分たちの発電機を取り返そうとしていただけの男性)を撃っても、罰されることはない(イスラエルの軍人が丸腰のパレスチナ人を傷つけても99%以上不起訴だそうです)。
パレスチナ/イスラエル問題に詳しくなくても全然大丈夫です。何が起こっているかを真っ直ぐに伝えてくれる映画です。
観たらきっと誰かと話したくなるから、誰かを誘っていくことをおすすめします。
(色々な人の感想を聞きたくなる映画でもあるので、ぜひレビュー書いてください)

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Mejiro

4.5テレビや新聞では報道されない、パレスチナでのイスラエルのダークサイド

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

パレスチナ人の『バーセル・アドラー』は
自分の生まれ育った土地「マサーフェル・ヤッタ」に侵攻するイスラエル軍を
幼い頃から映像で世界に発信してきた。

しかし、自分の行いは認識されているのか、
または世論を動かすことができるのかを常に自問している。

イスラエル人ジャーナリストの『ユバル・アブラハーム』は
彼の行動に共感、二人はタッグを組み撮影を続ける。

しかし『ユバル』にしても、
パレスチナ人からは最初猜疑の目で見られ
心無い言葉をぶつけられ、
イスラエル人からは売国奴と非難をあびる。

そうした二人の葛藤を、正面から見据えるのが本作、
95分尺{ドキュメンタリー}の特徴の一つ。

とは言え、
やはり主軸となるのは、イスラエル軍とイスラエル人入植者の非道な行い。

「ジュネーヴ第四条約第49条」で
自国市民を占領地域に移住させることは禁止されているようだが、
イスラエルは国際法などお構いなし。

パレスチナの領土に対しイスラエルの法を持ち出し、
武力をちらつかせながら強固な態度で臨む。

演習場にするとの名目で、
個人の住宅はおろか学校に至るまで重機で破壊し更地にしていく。

しかし実際には、軍に随伴している入植者たちが、
自分たちの家を建てるのだろう。

こうした強権の発動は、現首相の『ベンヤミン・ネタニヤフ』が
政権を掌握した2009年よりとりわけ顕著になってきたよう。

言葉で抵抗するパレスチナ住民に向かって、
逮捕や時として発砲で威圧する。

映像は、そうした理不尽な顛末を余すところなく
眼前に晒す。

パレスチナの問題はニュースや新聞で
概略を理解した気になっていた。

とりわけ、直近の「ガザ侵攻」は
メディアで取り上げられない日はないほどの報道密度。

が、本作を観てしまうと、
それでもまだまだ甘かったと、
慙愧の念に苛まれる。

そこに先住している人々を
理解不能な理由を付けて追い出す、
或いは住めない状態にすることを、
後から来た者が平気で推し進めることの理不尽さ。

勿論、ミサイル一発の恐怖はありつつ、
真綿で首を締めるようにじわじわと攻めることも恐ろしい。

その怨嗟の声は、
手をこまねいている国際社会にも向けられている。

一般的に{ドキュメンタリー}と言うと、
回り出した瞬間から、
被写体はカメラを意識し、
撮影者の主観も入るのでは?
本当の素の状態を捉えるのは難しいのでは?と
常々思うところ。

しかし今回我々がスクリーンで目にするのは、
あまりに容赦のない行いの数々。

わけてもイスラエル軍は、
そうしたことなどお構いなしに冷徹な顔を見せつける。

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ジュン一

5.0どうしたら力になることができるのか、知っている人がいたら教えて欲しい。

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

観てしまったら、何もしないことが偽善のような気がして、パレスチナのために何かしなくてはと、気持ちが焦る。
何かしても偽善なのかもしれないけど。
でも何ができるのか、どうしたら止められるのか分からない。

村から人を追い出すのは、都市に人口を集中させるためと言っていたが、それって、都市部を爆撃して効率良くジェノサイドを行うため?
どうしてこんなことがまかり通る?
今人が住んでる家をブルドーザーで潰したり、子どもたちが勉強していた校舎を、子どもたちの目の前で破壊する?
どうしたらそんなことができるんだ?
どうやって生きてくるとそんなことができるの?
ましてや丸腰の人間を至近距離から撃つなんて。
これのどこに正義や正当性が存在できるのか分からない。
家を破壊する重機に「HITACHI」の文字があって、HITACHIに罪は無いけど、悲しかった。

パレスチナ人のバーセルとイスラエル人のユヴァル。
私には彼らの人種的な違いが分からない。
まるで兄弟のように仲が良いのは分かる。
それなのに、人種が違うという理由で分断されていく。
どんどん周りとも気まずくなっていく。

ツラくて、正直ものすごくストレスが溜まって悲しくて、心をかき乱される作品だった。

2025アカデミー賞授賞式で、バーセルとユヴァルの元気な顔を見られて良かった。
アカデミー賞受賞によってもっと世の中に広がりますように。

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クリストファー

5.0タイトルなし

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

 いくつかパレスチナの映画を観たけれど、映画を撮るというコンテクストが入れ込まれている映画という意味で緊張感のあるドキュメンタリーはこれが最高峰だと思う。いわゆる戦争現場ではないけれど、日常的にそこに戦争が展開されているということを生々しく見せる。
 ブルドーザーと〇〇という言葉は沖縄でよく聞かれたのだけど、ブルドーザーの力というのはこれなのかとまざまざと見せられる。
 活動家のお父さんほど勇気がないとするパレスチナの監督、お父さんが逮捕されたら石油を売らないと、といった監督の立場まで撮っている。
 そして、この映画終了後についてのラストの展開も息を呑む。
 日常が淡々と撮られているのだけど、その日常は戦争なのだという息苦しさ。来る日も来る日も変わらない。
 そして入植者のある種の影。
 ジャーナリストたちのかかわり。

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えみり

3.0予備知識なく見た感想

2025年2月21日
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鑑賞方法:映画館

オスカードキュメンタリー映画賞にノミネートされているので見た。
パレスチナ問題というので、てっきり今のガザ地区の戦闘を描いた、密着した作品かと思ったが、ヨルダン川西岸で、イスラエル側が毎日のように重機でパレスチナ人の家を壊す「日常」を記録した作品。
一応「違法建築だから」というタテマエだが、根拠が示されるきともないので、おそらく法的根拠は無いのだろう。
そうしてパレスチナ人を追い出した後はイスラエル人の「入植者」がやってくるのだが、どーみても農業に向いた土地でもないし、パレスチナ人だって農業ではなく養鶏などで生計を立てている様子。

その昔、「戦争の目的」とは結局「食料確保」のための農地、土地、水源の確保だったハズだが、ココは違うらしい。

イスラエル側(兵士&入植者)のモチベーションというか動機は何だろう?命がけでその土地を奪うだけの目的って?

過去数多くのドキュメンタリー映画を見たが、その中でぶっちぎりに低予算だし、素人だと思う。それでもこうして世界中で上映されアカデミー賞最有力と言われる。
(内容はひたすら壊される家なので、単調ではあるし、撮影、編集、技術的には素人っぽい)
それでも公開できちゃうことに驚き。

それは本作が見つめた真実だと思う。
家が奪われていくのが日常、というパレスチナの現実。

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みっく

4.0「マサーフェル・ヤッタ」に住む人達の顔と声

2025年2月21日
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鑑賞方法:映画館

人が住んで居る家をブルドーザーで破壊し、家財道具と大工道具を没収し、人に銃を向けて脅し逮捕し或いは殺し、ブルドーザーで小学校を破壊し、井戸にセメントを流し込む。一方で入植者用の家をどんどん建てる。武装した入植者は丸腰のパレスチナ住民に向けて発砲する。以上の動作主である「イスラエル人」は、自分達の祖先 =「ユダヤ人」が追い立てられさまよい辛い思いをしたこと、以前はパレスチナの人々と共存していた歴史に思いを馳せない、できない。彼等の目的はただ一つ、パレスチナ人住民の拡大を妨害し一カ所に閉じ込めることだ。そんなことバーセルは初めからわかっていた。

彼らにはユヴァルのように、パレスチナの人々の言語、アラビア語を学んで欲しいということしか今の私には思い浮かばない。昔、パレスチナの人々と同じ土地で仲よく暮らしていたユダヤ人はアラビア語を話していたことを、サイードという人を思い出して欲しいと思うことしか今の私にはできない。バーセルとユヴァルが出会ってよかった。

イスラエルとパレスチナの問題の根源はイギリスなんだから責任もってどうにかしろと思う。ホロコーストゆえドイツは国としてはイスラエル寄りにならざるを得ないジレンマがある。だからこそプラグマティックなイギリスに働いて欲しい。
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(2025.03.03.)
アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞の受賞、おめでとうございます。この映画を見終わりロビーに出たら、若い人達が観客にアンケート依頼をしていました。最後の自由記述の所には、世界中の人達に見てもらいたいといったようなことを私は書きました。今回の受賞が世界各地での上映につながりますように。

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talisman

4.0カメラが映し出す理不尽で悲痛な記録の数々から平和な未来への希求へ ― 微かな一筋の希望を与えれてくるのもまた人だ

2025年2月21日
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故郷=生まれた場所はひとつ、覚えている私たちの家、草、山、鶏小屋、学校…なぜ奪う?イスラエルとパレスチナ、立場を超えて共に闘う2人の若きジャーナリスト!パレスチナの現状を少しでも知るために一人でも多くの人が見るべき90分。
19世紀から地図に載っている故郷の村も、パレスチナ(アラブ人)の拡大を阻止したいイスラエルにとっては存在しない壊していい村。名目は"訓練場建設のために"、人権侵害・無視で誰かにとっての心のよりどころを踏みにじるイスラエルの侵略。軍と入植者。その様子を最前線で追い、世界に発信する活動家の家で生まれて沢山のものを見てきたからこそ「10日で世界は変えられない」と言う忍耐のバーセルと、記事を書き変えるべくやってきた熱いイスラエル人のユヴァル、そして何よりそこに暮らす市井の人々からあらゆるものが奪われていく村の記録。家が毎週壊されては、村人たちは残るか去るかの選択を迫られ、洞窟で暮らすことを余儀なくされる。
結果、タイムリーにな(ってしま)った本作。世界の人々にどうすれば届けることができるか、そのために自分たちには何ができるだろうか?トニー・ブレアが訪れた場所は壊されないというパワーゲーム。そういう影響力のある者はそれを良い方向に積極的に生かすべきだ。本作が言わずもがなパレスチナ側からの視点で描かれていることもあるが、このイスラエル軍側の非情な暴力行為が国際的に黙認されていいわけが決してない。そもそも、元をたどればイギリスのせいなのに、なぜそこの間でずっとずっと長きにわたってやり合わねばならないのか。本当に苦しくやるせないけど、それでもきっと人間にはそんな現実を変えられる力があるの信じたい。

勝手に関連作品『ラッカは静かに虐殺されている』

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とぽとぽ

5.0いわゆるパレスチナ問題についての問題提起のドキュメンタリー映画

2025年2月21日
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今年60本目(合計1,602本目/今月(2025年2月度)23本目)。

 現地としてのニュースでは日本ではNHKで見ることができない程度のこのニュースについて、前線に立ってこ戦っている人や抗議している方が全面に映っていたのは良いところです。

 一つ気になった点として、映画としてややわかりにくいかな…という部分(最低限、現在のパレスチナ問題を知らないと詰んでしまう)ところ、また、この地域での紛争で追われてしまった人達という観点では広い意味でクルド人も含まれるため、やや対象を絞っているのかな…といったところです(意図はなかったと思いますが、日本ではこの地域の紛争として来られる方の大半はクルド人の方であるため)。

 セリフもあることはありますが、全般的にはドキュメンタリー映画の分類であり、「映画か」というと微妙なところはありましょうが、知的な内容で(NHKのドキュメンタリーでやってそう)、娯楽性を求めないという前提においては押せる作品だろうと思います。

 採点上特に気になった点までないのでフルスコアです。

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yukispica

3.0イスラエル軍

2025年2月19日
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住人の住居を軍の練習場にするため、追い出した。

住民は、ひどい仕打ちを受ける。

銃で射殺もされる。おかしい。

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完