劇場公開日 2025年2月21日

ノー・アザー・ランド 故郷は他にないのレビュー・感想・評価

全103件中、1~20件目を表示

4.0カメラは身を守る手段だと知った。

2025年3月8日
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鑑賞方法:映画館

カメラの前でも暴力ははたらかれる。でも撃たれたり危害(殴打など)が加えられるのは、「撮られてない」時なのではないか。
カメラの前の兵士や入植者といった、このドキュメンタリーの加害者側は、言葉や仕草で威嚇する場面が多い。威嚇にしても銃口や実際に殴り倒されたような場面もあるし、確かに映画化段階で凄惨な所は除かれたに違いないとも思う。でも、人が撃たれた瞬間はカメラが壊れてスマホで代替していた時だし、遠くから撮っていた時だった。つまり兵士はカメラの存在に気づいてなかった可能性がある。撮られてない。つまり自分たちの暴力が「バレない」時、酷いことができてしまうんじゃないか。
だから人々は「撮ってるぞ」と連呼していたのかもしれない。「お前たちのやってることは、知れ渡るぞ。」暴力がここだけの、限定されたものではなく、他人が知ることになる可能性があることは、それだけで抑止になるんだと思った。
であれば、映像に残らない、この画面の外ではもっと、考えうる以上に酷い状況なのではないか。
胃のものがせり上がるような鑑賞だった。

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消々

4.5学校の授業で、国会で、全映画ファンに、今こそ観ておいてほしい映画です!!

2025年3月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

観終わった後の感想は、
「衝撃」のひと言に尽きます。

これは現実なのか?と疑いたくなるような惨劇が、終始フィルムを埋め尽くします。願わくばフィクションであってほしい出来事は、紛れもないノンフィクションで、記録ドキュメンタリーというくくりでこの映画は紹介されています。

撮影者たちが、捨て身の体当たりで伝えたかったこととは?

ただ普通に生活したいだけなのに、それすら許されない。住むところが破壊されるという恐怖は想像するのも恐ろしい。生まれる時や場所を選べない彼らの苦悩と絶望が、この映画を通して痛いほど伝わります。

「対岸の火事」ではなく
まずは、「正しく知ること」が大事。

次に、無力な自分を想う
そして最後に、ただ祈る🙏

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ななやお

4.0理不尽極まりない暴挙にカメラと言葉で戦う2人の青年

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

今作を見る前日、私は『セプテンバー5』を見た。
ミュンヘンオリンピックでのパレスチナ武装組織が、イスラエル選手たちを人質にし全員死亡という悲劇を取り扱った作品だ。

その作品を見た後、罪もないイスラエルの選手たちに、パレスチナの人たちはなんて酷いことをするんだと憤った。
しかし本日このドキュメンタリーを見て、私は昨日とは全く逆の怒りを感じている。罪もないパレスチナの民間人に、イスラエルの人たちはなんて酷いことをするだろうと。
つまり、こういうことなのだ。どちらが正義で悪とかではなく、これはもう繰り返し行われる復讐の連鎖なのだと。

そして私は、答えの出ないこの長く根が深く、絡まりが簡単には解くことができない現実に打ちひしがれながら映画館を後にした。

命をかけてこの現象を映像や文章で届けようとした、パレスチナ人とイスラエル人の青年ふたり。彼らが突きつけて来る映像は、一方的に暴挙の限りを尽くすイスラエル側の非道さと、理不尽でしかない映像ばかり。何度も目を背けなくなって、誰か早く彼らを救ってくれと願わずにはいられなかった。
ドキュメンタリー映画は、フィクションという逃げ道が無いからこそ、見る側は否応なく受け止めるしか無い。でも受け止めた私たちに一体何が出来るのか、そればかり考えている。

この作品がアカデミー賞に取り上げられたことで、知名度が上がり、世界中の多くの人が見ることで少しでも良いから良い方に動き出してほしい。

パレスチナ人のバーセルとイスラエル人のユヴァル、2人がいつか何のしがらみも制限もなく、これからの未来を明るく楽しく語り合う日が、1日でも早く訪れてほしい。涓滴岩を穿つ日が必ず訪れることを信じるしかない。

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AZU

5.0土地を奪われるということ

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

パレスチナ、ヨルダン河西岸のマサーフェル・ヤッタという地域で、イスラエル人入植者たちによる弾圧の実態を捉えたドキュメンタリーだ。ここに射撃場訓練場を建設するという目的で、イスラエルはこの地に暮らす住民を強制的に退去させ、むりやり家を破壊していく。武器を持った軍もこれを支援している様子がカメラに収められており、パレスチナ人に対する理不尽が白日にさらされている。
トランプがガザの住民を強制退去させてリゾート地にすると発言したことが世界中で波紋を広げているが、土地を奪われ、追い出されることがどれだけ辛いことなのか、そのリアルがこの映画にはある。
本作を監督したのは、作品の主人公的な立ち位置でもあるパレスチナ人のバーセルとイスラエル人のユヴァルだ。この2人が立場の違いを超えて友情を築き、この映画を作っているということ自体が、この理不尽に対する微かな希望となっている。今の国際情勢の、数字だけでは見えない地に足の着いたリアルが確実に写されている作品だ。

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杉本穂高

4.0事実を知ると共に、本作の制作体制にも注目したい

2025年2月26日
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鑑賞方法:試写会

あらかじめ言っておくと、本作内でイスラエルとパレスチナの関係を改めて詳述することはない。よって鑑賞前後には確認の意味を込め、事実関係を頭の中で整理しておくと良いかも。そうやってマクロで知る自分の知識と、本作を通じ突きつけられるミクロ的な現状によって、私自身、これまでTV報道で漠然と聞き流していた場所の空気、人々の悲鳴、息遣いが初めて線と線で繋がったような感覚を覚えた。これはパレスチナ自治区の一つ、ヨルダン川西岸地区のとある村でイスラエルによっていかなる行為が行われてきたかを、パレスチナ 人の若者の視点で描き出したものだ。また彼のみならず、イスラエル人のジャーナリストの若者が支援に加わり、共に活動する。そこで交わされる同世代の何気ない言葉、思いやり、敬意もまた本作の命。彼らを含む計4人体制(イスラエル人ふたり、パレスチナ人ふたり)で対話を重ねて完全合意制で監督を担っている点も深く注目したい。

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牛津厚信

3.5Timely Document about the State of Palestine

2025年1月21日
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鑑賞方法:試写会

Shot over four years in the Palestinian West Bank, No Other Land puts you right in the eyes of the people pushed out of their homes by Israeli settlers. The filmmakers themselves are attacked by Israeli soldiers in the film. Ironically, the documentary stops just before the October 7th massacre. See for yourself the bizzarre injustice people of the world struggle through in our 21st century.

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Dan Knighton

4.0「マサーフェル・ヤッタとイスラエルの青年」

2025年5月7日
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知的

今年115本目。

ポレポレ東中野で。
2人がマサーフェル・ヤッタでカメラを回す。2023年10月のガザ侵攻の前に撮られた映像。数十年続いているが平和解決して欲しい。

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ヨッシー

5.0言葉が出ないシーンばかりだが、希望も感じた作品

2025年5月6日
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鑑賞方法:映画館

怖い

単純

難しい

話題のドキュメントで、アカデミー賞国際長編ドキュメント賞受賞作品。
やっと観ることができたが、文句なし素晴らしかった。
中東情勢は現在進行形だが、とにかく今回の作品は言葉が出ないシーンばかり。
イスラエル人入植者がまさか武装してパレスチナ居住区に来るとは思わなかった。
今回の作品も含めて日本のニュース以上に深刻な中東情勢であることは間違いない。
そんな中でも、この作品のメインテーマでもあるパレスチナ人青年とイスラエル人青年ジャーナリストの命がけの交流、対話は印象に残った。
二人のセリフは胸に響くし色々考えさせられた。
今年のベストドキュメント有力作品といえる。
中東情勢に関心がある方は必見のドキュメント作品です。

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ナベウーロンティー

4.0まだなにも終わっていない

2025年4月29日
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鑑賞方法:映画館

ハマス云々以前にあれだけ理不尽、横暴があって、それでもイスラエルを支援している人はどれだけ利を得ているのか。
あの村だけの話じゃない。非道い。
二人の行く末も、未来も見えない。
自分が置かれているところへの有り難みもあるけれど、出来ることはしたい。

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kawa

2.5日本では報道されないパレスチナの現実

2025年4月26日
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鑑賞方法:映画館

イスラエル軍による占領が進むパレスチナの様子をありのままに映し出し
その酷い状況を目の当たりにし、彼の地に対する思いを新たにした。

それにしても酷い、酷すぎる。
家を壊され、土地を追い出される場面を目の当たりにし、
日本での自分自身に置き換えて考えたときに、同じ状況になったら、どうなるのだろう?と
想像しながら観た。

こういう報道を日本でもして欲しい。
しかしながら、今回こういう映画作品として、現地のリアルを目の当たりにする人が
増えていくのを期待する。

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ひでちゃぴん

4.0日本に暮らしていると、忘れている現実を映し出す。

2025年4月26日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

必要十分な食事が毎日摂れること。
義務教育を受けること。
男女平等であること。
尊厳が保障されていること。
病気になったら医者にかかること。
清潔なトイレをいつでも利用できること。
安全で安心な我が家に住めること。
命の危険にさらされないこと。

日本では普通のことが、普通ではない世界があることを思い知る。
イスラエルとその為政者を理解しようとしなくていいし、パレスチナの人たちに同情するのも違うと思った。
日本も、一見平和な今の状態が続くとは限らない。
なんせ、大荒れの東アジアの一員で、隣国はロシアなのだ。
世界は繋がっているから、知り、考え、行動していかなくちゃ。

エンタメ要素もなく、楽しい気分になる映画では全くない。
でも、観る価値のある映画だった。
ドイツとアメリカでドキュメンタリー賞を受賞したこと、そしてなによりバーセルとユバルの友情に心から拍手を送りたい。

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のりたまちび

3.5まずは怒ろう。そして知ることを始めよう。

2025年4月24日
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鑑賞方法:映画館

この映画の日本公開の直前となる2月にホワイトハウスの狂人がガザ地区について驚天動地の発言をしたことは記憶に新しい。あそこまで歴史的背景や人道的立場や社会正義に依拠しない、というのはある意味凄いね。
さてこの映画、2023年の10月に撮影が終わっています。ちょうどその10月7日にハマスの大規模襲撃が発生し報復としてガザ地区に対するイスラエルの攻撃と虐殺が始まる。でもこの映画は2019年から撮影されている。つまりパレスチナ自治区の一つであるヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの不法行為はガザ紛争以前に既に始まっていたことになる。
パレスチナ自治区(ガザと西岸地区)は1967年の第三次中東戦争(いわゆる六日戦争)でのイスラエルの占領地。もともとはオスマントルコの版図に属していたが、第二次世界大戦を経てイギリスの委任自治領となり、中東戦争直前はそれぞれエジプトとヨルダンの委任自治領だった。つまりパレスチナという主権国家が存在したことはない。
イスラエルが戦争後、50年近くに渡って、占領地としての占有を続けていること自体、どうかなとは思うけど、それは戦争の結果だからある程度仕方がない。でも、パレスチナ系住民に対するイスラエルの行為は、明らかに国家をもたない人々の弱みにつけ込み実効支配を拡大しようとする不当行為である。そもそも、この映画で触れられているように、パレスチナ人たちは1900年代から、古い人は1830年頃に入植した正当な住民であり、軍用地にするからといって一方的に排除する法的妥当性はない。(先行レビューに、「ユダヤ人の故地」と言った言説があるが、それは古代イスラエル王国とかの話であり3000年も前のいわば伝承である)さらに、住民の排除に際しては、軍隊はもちろん、イスラエル人入植者が暴力でもって介入しており、無法状態にあるといって良い。今回、映画の最後で、入植者がパレスチナ人に対して発砲する場面が撮影されているが、白昼堂々と銃器を持った一般人が犯罪行為を行うなどイスラエルは最早国家としての体をなしていないと非難されてしかるべきだと考える。
映画の宣伝ではパレスチナ人監督とイスラエル人監督の友情に焦点を当てているが、そういった心情的な部分はどうでも良い。どうでもいいというのは語弊があるかもしれないけどこの酷い状況をまずは怒ろう。彼らは勇気を持ってこの映画を製作しており、その目的はまず世界にその現実を知ってもらうことにあるとしている。だから我々はしっかりこの思いを受け止め、知識として足りない部分があるのならば、調べるものは調べて、何が起こっているのかを自分なりにきちんとおさえて、可能な限り、SNS等で自分の考えを拡散していくべきだろう。

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あんちゃん

5.0世界中が見てほしい

2025年4月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

驚く

ふだん全く映画館で映画を見ないのですが、周りの評判が良いので見に行きました。
ショックでした。
毎日SNSに流れてくる虐殺、侵略、わかっているつもりでもなにも見えていなかった。
上映中の2時間、わたしはパレスチナにいました。
あまりにも理不尽な、イスラエルによる暴力。
この映画を作ってくれたことに感謝します。

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もぐらん

3.5ノー アザー ランド

2025年4月20日
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鑑賞方法:映画館

自身の物の知らなさを痛感しました。
現行のガザ侵攻は、ハマスがイベント会場を急襲し、多数の人質を取ったせいだと誤解してました。
それ以前から、日常的にガザに押し入り、家屋を破壊し、暴力を振るう。
至近距離からの、発砲までも。
子ども達が授業を受けている最中に、学校を襲い、子ども達を放り出し、眼の前で校舎を破壊する。
男女差別論者ではないが、女性兵士が子ども達を抑圧する姿に、とても衝撃を受けました。
イスラエルを唯一止められる超大国の大統領は、パレスチナの人々を追い出して、一大リゾートを造る等と言い出す始末。
かつてナチスに虐げられた人々が、パレスチナ人に同じ虐待を続けている。
救いようのない、悲劇の皮肉です。

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映画館難民

4.0真のジャーナリズム

2025年4月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

 身の危険を冒して撮影する若き監督たちには頭が垂れる思いだ。銃を持った兵士たちに臆することなくカメラを向ける姿からは真のジャーナリスト魂が感じられる。人権を無視したこの理不尽な破壊活動を世界に伝えようという強い意志が全編から伝わってくる。力作と言って良いだろう。

 監督は4人の連名となっている。映画はその中の二人、パレスチナ人のバーセルとイスラエル人のユヴァルを主な登場人物に据えて、イスラエル軍によるパレスチナ人に対する弾圧が映し出されていく。これが現在イスラエルで起きていることだと思うと、暗澹たる気持ちにさせられる。

 映画はこうした惨状を赤裸々に捉えていくが、同時に取材するバーセルとユヴァル、立場を超えた二人の友情も描かれていく。これは終わりの見えない不毛な争いを照らす小さな光のように感じられた。彼らのように分かりあえることが出来れば、このような醜い争いなど起こらないのに…と思う。

 印象的だったのは、あるパレスチナ人青年がイスラエル兵に撃たれて四肢麻痺の身体になってしまうエピソードである。家も破壊されて住む場所を失った家族は洞窟の中で惨めな暮らしを余儀なくさせられる。青年の母親の深い慟哭に憐憫の情が禁じ得なかった。

 もう一、パレスチナ人とイスラエル人では車のナンバープレートの色が違うというのも印象的だった。パレスチナ人の車は緑色、イスラエル人の車は黄色のプレートと分けられている。バーセルの父親は給油所を経営しているのだが、店先に黄色と緑色のナンバープレートが掲げられている。これはどちらの車でも給油できるという印なのだろう。

 そして、当然のことながら緑色のナンバープレートの車は居住区を出ることが出来ない。そのためユヴァルとバーセルが会うためには、いつもイスラエル人のユヴァルがパレスチナ人のバーセルの家を訪ねることになる。うろ覚えであるが、ある時バーセルがこんなことをポツリと呟く。
「いつか君を訪ねる日が来るだろうか?」
この言葉は二人の立場の違いをさりげなく物語っているように思った。
 確かに二人は同じ志を持つ盟友である。しかし、決して対等というわけではなく、根本的な所ではやはり格差が存在するのである。願わくば自由に行き来できるようになればいいのだが、果たしてそんな未来はいつになったら来るのだろう…と考えさせられてしまった。

 また、映画のタイトル「ノー・アザー・ランド(原題)」は、他に行くべき場所はないというような意味だが、これもバーセルの思いを表した言葉と言えよう。ユヴァルには帰れる場所がある。しかし、自分にはここしかないという悲しみ。二人の住む世界の違いを端的に表しているように思った。

 ちなみに、最近、4人の共同監督の内の一人が、イスラエル人の入植者に暴行を受けて軍に連行されたというニュースが話題になった。その後、無事に保護されたということだが、その時に受けた傷は今でも癒えてないという。
 実際に本作でもバーセルたちが軍人から暴行されたり連行されそうになるシーンが出てきてヒヤッとさせられた。今回の事件は実際にそれが起こってしまったというわけである。
 このような危険な状況を顧みず勇猛果敢にカメラを回し続けた4人の監督たちには、改めて敬服するばかりである。

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ありの

5.0恐怖に駆られているのはどちらか。

2025年4月13日
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鑑賞方法:映画館

映像を観ていると、恐怖に駆られているのは、パレスチナの人々ではなく、軍や武装した入植者の方であることがよくわかる。自分たちのしていることは国際法違反であることを自覚し、人道上の後ろめたさもあるからこそ、武力や詭弁のような国内法を盾に、破壊活動や言論統制を進めて、時には実際に発砲もするのだ。
本当に哀れなのはどちらか。

ガザ侵攻前のイスラエルのパレスチナへの戦争犯罪については、アジアンドキュメンタリーズの「ガザ 自由への闘い」が無料で視聴できるので、ぜひこちらもご覧いただきたい。

単品購入という形にはなるが、そのサイトには、「医学生ガザへ行く」もある。在りし日の美しいガザの街並みと、そこに暮らす人々が、当たり前だが、とても人間らしく生きている様子が伝わってくる。

パレスチナで、恐怖に駆られた狂信者たちの被害に遭っているのは、単なる数ではなく、固有名詞を持った一人一人の人間であることを忘れないようにしたいと強く思った。
そして、どちらの国家や民族を支持するとか、右だ左だという二者択一に陥ることなく、真に公正公平と社会正義が実現する世界の方向を見据え、自分のできることをしたい。

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sow_miya

4.0【”シオニズムの壁は越えられないのか!”ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区の青年が、イスラエル人青年と共にイスラエル軍により破壊されて行く故郷の姿を4年に渡り記録した値千金のドキュメンタリー作品。】

2025年4月6日
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悲しい

知的

難しい

■2019年。バゼルが暮らすヨルダン川西岸のパレスチナ人民居住区に、イスラエル軍が軍事訓練施設建設を口実に、パレスチナ人私有地をブルドーザーで破壊し始める。
 激しく抵抗するパレスチナ人達だが、銃を持つイスラエル軍に家を壊され、洞窟に家財一式を持って避難する。
 バゼルはその様子をスマホで撮影し、ネットで配信する。その状況を知りイスラエル人ジャーナリスト、ユーバールがやって来て、取材や編集に協力するのである。パレスチナ人の一部から非難されつつも。
 彼らの抗議の声やイスラエル軍の非人道的な行為は世界に発信されるが、イスラエル軍の破壊行動は過激になって行き、家だけではなく学校を壊し、ナント生命線の井戸までコンクリートで塗り固めるのである。人道違反である事は、明らかである。

◆感想

・このドキュメンタリー映画の価値は、イスラエル軍の非人道的な蛮行を世界に知らしめた事と、制作にイスラエル人が加わっている事である事は、論を待たない。
 彼らの行為は、正に命懸けで世界にパレスチナ人居住区で何が起きているのかを伝えたモノであり、そこにはシオニズム、反シオニズムの壁はない。微かなる希望がそこから感じられるのである。

・それにしても、イスラエルのネタニエフ達政治家は且つて、ユダヤの民がナチスドイツにされた非道なることを忘れたのであろうか。この映画で描かれている事は、且つてユダヤの民がナチスドイツにされた事を、そのままアラブの民にしている事だからである。
 現代社会に蔓延る全体主義、自国ファースト思想の浸透であろうか。住民一人に発砲するイスラエル軍の姿と、息子を銃撃され下半身不随になった事を嘆く母の姿が哀しい。

・映画の中では、バゼルとユーバールの会話も映される。バゼルは”法学の学位を取ったのに、イスラエルの建設現場の仕事しかない。”と嘆く。又、ユーバールは”パレスチナ人の自由なしに我々の安全はない。”と言う名言をさり気無く口にするシーンも映される。先見性の或るユーバールや、登場しないが共同監督をしたラヘル・ショールの様な思想を持つ政治家を、イスラエル政府の要衝ポストに置いてくれないかな。良識あるイスラエル人に是非とも行動を起こして貰いたいモノである。ご存じのように、イスラエル人の中には、ネタ二エフの行為を批判している人が多数居る事は、信用できる新聞が報じている。
 それで思い出したが、共同監督のハムダン・パラルが暴行され、イスラエル軍に一時拘束されたニュースが流れた時はイスラエルもそこまで堕ちたか、と思ったが解放されて良かったよ。

・けれども、ユーバールの”パレスチナ人の自由なしに我々の安全はない。”という言葉が現実になった23年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃には、暗澹たる気持ちになった事を想い出す。
 序に言えば、自分に有利な情報のみ真に受けて、衝動的に発言、行動するアメリカのオレンジ色の顔の、頭が空っぽの男は少し黙っていて欲しいのだけどな。事態を悪化させているだけなのだから。

<千年以上続く宗教問題が根底にあるので、そう簡単には解決しなだろう事は十二分に分かってはいるのだが、ユダヤの民もアラブの民も、シオニズム、反シオニズムの壁を越えての融和を模索する気はないのだろうか。
 ”怒りは怒りを来す。”と言う言葉を知っているのだろうか、と思ってしまった作品である。
 だが、この作品は、命の危険がある中で製作、公開した若い世代の4人の映像作家兼活動家の存在に微かなる希望を感じさせてくれる作品でもあると私は思うのであり、そこにこの作品の値千金の価値があると思うのである。
 何時か、全てのユダヤの民とアラブの民が、今作のバゼルとユーバールのような関係になる事を望むモノである。>

<2025年4月6日 刈谷日劇にて観賞>

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NOBU

4.0今後はどこの国でも同様のことが起こる可能性がある

2025年4月6日
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難しい

Wikipediaでマサーフェル・ヤッタを調べると現地の言葉で「何もない」というのが地名の由来だそうだ。そんな何もない土地でも古くから人が住んで生活している。逆に、軍や入植者は何もない土地に何を期待して追い出そうとするのだろう。と思っていたら、土地目当てではなく、単にそこに住む人たちの生活を破壊するのが目的だったという。ひどい話。

パレスチナ人とイスラエル人、2人ずつの共同監督のドキュメンタリー。家屋をブルドーザで押しつぶすイスラエル軍の軍人たちはサングラスで表情が見えないが、どんな心境だったのだろう。やめてくれと懇願するパレスチナ人に向けて、カメラの前でも平気で発砲するのも衝撃だ。理解できない。撮る方にイスラエル人が入っているのなら、軍側のコメントも欲しかった。

しかし、どんな事情があろうとも、子供たちの眼前で小学校の建物を破壊する道理はないだろう。

追い出された住民たちはどこへ行くのだろう。都市部へ移住させ、今度はその都市丸ごと別の理由をつけて爆撃するつもりでは、とガザの惨状を見て考えてしまう。

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jfs2019

3.0自分の生まれた故郷は忘れられないものだよね。そうだろ?

2025年4月5日
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これはドキュメンタリーなのか。「僕がカメラを持ち、終わりが始まった」そう言って根気強くカメラを回し続けた4年間。イスラエルの理不尽が彼らを支配する。それは収束することなく、また新しい悲劇で映画の幕は閉じる。そして、今もそれは続いている。ああ、それがわが身だと想像しただけで辛いのに、彼らはこれから先もずっとそれに抗い続けてるのか。

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栗太郎

4.0もし「実話に基づく」だったとしてもすごいのに、 ドキュメントだと思...

2025年4月3日
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もし「実話に基づく」だったとしてもすごいのに、

ドキュメントだと思うと、

いろんな思いが巡る

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jung