「この事実に正当性はない」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
この事実に正当性はない
政治的歴史的背景がどうあれ、100年かそれ以上も前からここに住み、平穏に暮らしてきた人々が、家を壊されインフラを破壊され身体の安全すら脅かされて、私有地であるにもかかわらずそこから追放されつつある目の前の事実に正当性はない。
イスラエルは、飛行場建設はこれ以上イスラム勢力を拡大しないため、とか言っているらしい。
ここで暮らす村人たちは、対岸のガザ地区の過激な人たちとは違って、ただ日常を暮らしてきただけだ。激しい憎しみや怒りや不満や、切羽詰まった理由がなければ過激な行動はしないのが人間だと思う。過激な行動には危険が伴うので、平穏に暮らしている人ならわざわざそれを壊すような行動は極力避けるでしょう。
にもかかわらず、この仕打ち。司法がすでに平等ではない。なにもないところに激しい憎しみや怒りを生み出すだけの、極端な悪手だ。
何世紀も迫害されて流浪の民だったユダヤ人がようやく自身の祖国をもてたのがイスラエルなら、前からの住人と争いを避け可能な限り共存していくのが国民の幸せに繋がるのは子供だってわかる。
パレスチナ問題「シロウト」の自分からは、ユダヤ人として受けてきた積年の恨みを、パレスチナのイスラム教徒というだけで手あたり次第八つ当たり的にぶつけているように見える。おそらくは見せしめ、牽制ということだろうと思う。
個人的にはユヴァルのように非人道的な行為に心痛めるユダヤ人もいるが、国家がこの不条理な占領・追放と迫害政策をとっている以上、ほとんど何にもならない。
こんなことを続けていたら、いづれ「ナチスドイツがしたことにも一理ある」と考える人が増えてしまうのではないか。
子供だってわかる…
私も子供の目や叫びが強烈に胸に残りタイトルにしました。
生まれた場所に起きていた悲劇の影響を受けてしまう人生、憎しみの連鎖が止まらないのはあまりにかなしいですね。
おっしゃる通りイスラエルによる蛮行で反ユダヤ主義が再び巻き起こりつつありますが元々イスラエルはシオニストの国であり、ファシズム国家です。ホロコーストの被害者であるユダヤ人の国ではないんです。イスラエルを建国したユダヤ人はホロコーストの被害にはあっておらず、同じユダヤ人でもシオニストたちはホロコースト被害者のユダヤ人を蔑んでいます。最初からイスラエルに戻らずヨーロッパに住み続けたからそういう目に会ったんだとして。彼らシオニストはユダヤ人がホロコーストの被害者ということを盾にしてそれを利用してるだけなんです。シオニスト以外の多くのユダヤ人はパレスチナ人への迫害に反対しています。
またガザ地区のパレスチナ人はその多くが一般人であり、テロや武力でイスラエルを排除しようとしている過激派のハマスが生まれた理由もイスラエルによる占領政策が原因です。そしてそんなイスラエルを支持して支援してきたのがアメリカをはじめとする西側諸国です。日本もアメリカ寄りですからパレスチナを国家として認めようとしません。
国際社会がイスラエルのパレスチナ人への強硬姿勢を放置し続けたからこのような事態にまでなっていますね。