Flowのレビュー・感想・評価
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言葉がないからこそ体験できる初めての映画体験
オープンソースのソフトウェアでここまで見応えもあって、世界観も構築されていて、クスッと笑うところもハラハラするところもあって、時間も85分という見やすさ…お見事と言うしかない。
ハリウッドメジャー作品と比べて、毛並みとかの緻密さは無いけれど、その分動きがすごい!めちゃくちゃリアル。動物がモーションキャプチャーで演技した?もはや後半は動物が演技しているとしか思えなかった。
セリフが一切なく、動物たちだけの鳴き声しかないからこそ、どんな国の人が見ても一瞬で世界観に入り込めるんだと気付いた時、言語も宗教も文化も違うけれど、動物を見る目は万国共通なんだと感動した。海外作品を見た時の時々起こるお国柄のセリフに100%理解できない感じが起こらないってすごい。
動物に見えれば見えるほど、猫たちの冒険にハラハラして、没入してしまう。見終わった後軽く疲れたぐらい笑
水害にトラウマがある方は見るの気をつけた方が良いのと、動物たちが少しでも危険な目に合うのは耐えられない!と言う人はオススメできないけど、大丈夫そうなら初めての映画体験ができるのでとってもオススメ!
Flood, flee, flow, and fly. 「2001年」にも比肩する独創的かつチャーミングな叙事詩だ
アニメーションが盛んな日本でもアメリカでもなく、映画産業があるのかどうかも一般に知られていない北欧の小国ラトビアから独創的なアニメーション映画が生まれたことは嬉しい驚きだし、アカデミーの長編アニメーション賞をはじめ多数の賞を獲得してきたことも喜ばしい。もちろん、オープンソースのアニメ制作ソフトウエアの進歩やインターネットを介した国際的な協業体制といった技術革新によって、以前なら夢のまた夢だったことが実現可能になった側面もあるだろう。
ストーリーの流れはシンプルだが、観る人の世代やバックグラウンドによってさまざまな感じ方、楽しみ方ができそう。冒険に心を躍らせ、自分と異なる誰かと仲間になる過程に感動するのもいい。「ジャングル・ブック」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」そして「2001年宇宙の旅」といった冒険譚を思い起こす映画好きも多いだろう。
もちろん、ノアの方舟の話に代表される「人間への天罰」を読み取る人も少なからずいそうだ。言語により発展した文明が行き過ぎて人類が滅亡した、だからポストヒューマンの世界に言葉はないのだ、といった深読みもできるだろう。登場する動物キャラクターはほぼすべて実在の生物と同じ外見だが、唯一の例外としてクジラに似た巨大な生き物だけはジブリ映画や「アバター」などに出てきそうな異形のクリーチャーとなっており、「Flow」の世界における聖なる存在なのかも。エンドロールの後のポストクレジットシーンに、そんなことを思った。
「映画という小舟に乗った猫」
【10月18日追記】
ラトビアを含むバルト三国は、ロシア帝国・ソ連・ナチスドイツ・再びソ連に占領された歴史を持つ国。ソ連時代のIT特区で、マイナンバーカード先進国。
国土が他国に侵略された場合を想定して、国民のビッグデータを複数の第三国に保管、国民全員が他国に避難しても国家を維持できることを目的にしている─
日本のマイナンバーカード導入時に聞いた話を、ふと思い出しました。
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今年の東京の夏日は今日で146日。
1年の約半分が“夏”になってしまいました。
恐竜が氷河期で絶滅したように、ミサイルやウィルスの脅威より、人類は気温上昇が原因で滅ぶんじゃないかと地球の心配をしつつ…
ラトビアのアートアニメーション『Flow』は、同じく言葉の無い映画『ロボット・ドリームズ』のパブロ・ベルヘル監督が、「美しく、感動的で、奥深い」と大絶賛していたことで知りました。
『ロボット・ドリームズ』は2024年のアカデミー賞にノミネート、『Flow』は翌年2025年のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。
今年の春『ロボット・ドリームズ』に続いて、『Flow』を鑑賞しました。
公私共に多忙で睡眠負債の春、美しい映像に癒やされて、スヤスヤと眠ってしまいました。
配信でもう一度観ようとしたら、昨日から地元の「ねこ祭り」の猫映画特集で日替り上映が始まりました。
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「多分クリエイターなら皆
ずっとこういう作品を作りたかったと思います。
少なくとも僕は思っていました。
言葉が少なく、でも物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが
『Flow』はその100点みたいな映画でした。」
─藤本タツキ(漫画家)
「映画は、観る人を乗せる小舟だ。
猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。
それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、
そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされていることに気づかされるのだ。」
─押山清高(アニメーション監督)
「物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、
命のきらめきと尊厳を見る。
その瞳に込められた音なき言葉を、
息を殺して聴け。」
─細田守(アニメーション映画監督)
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予告編の映像に流れるクリエイターのコメントを目にして、もう自分のレビューに書く文章が見つからず…
『秒速5センチメートル』のレビューに、「感性で受け止めるべき映画」というコメントをいただきました。
感性で摂取した栄養素から、感性で映画を語れるようになりたいと思いました。
東京はようやく明日から“公式に秋”になります。
「ニューヨークに公式に秋が来た」という、ある作品の台詞を知っている方がいたらうれしいです。
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4月15日・10月18日映画館で鑑賞
※10月18日吉祥寺ねこ祭り猫映画特集上映
4月15日★★★★★評価
10月18日レビュー投稿
10月18日レビュー追記
ねこかわいい、つらい
すごい動物アニメ、という評判聞いて気にしてましたが、劇場公開時には行けず配信鑑賞。
…うーむ、スクリーンで見てたら色々辛かったかも…
映像素晴らしいしハラハラと面白い作品でしたが、観てる間も終わってからも、なんだかつらい気持ちになってました。
主人公の猫が大変な目にあってるとこが単純にキツいというのもまぁ、あるんですが…
ネコがとても(かなり?)ネコらしく、犬も犬らしくいるのに、原猿のワオキツネザルが類人猿みたいだったり、ヘビクイワシに似た真っ白の鳥がおよそ鳥らしくない、哺乳類みたいな行動してたりと、リアリティラインというか、動物の擬人化のあるような無いような線引きが気になってしまいました。
特にワオキツネザル、やってることはおサルとして不自然に賢いのに、キャラの中では何だか一番アホに見えるという(笑)不思議なことになっています。
動物の擬人化はむつかしいです、無限のパターンとグラデーションがありますから、1つの作品の中でバラつきがあると引っかかる人には引っかかる。
自然のままのヒサンな話をアニメで見たいかといったらそんなことは無いのですが、猫の可愛さ、映像の美しさに感心しつつも最後まで気持ちが乗ることがありませんでした。
スクリーンで、呑み込まれるように観ていたらまた違ったかもですが…
筋金入りのネコ派、ディスカバリーチャンネルとアニマルプラネットばっか観てるオタクなので、かえって細かいとこばっか見てしまったのかもしれません。残念。
生き抜く力、その想像力は美しい
独特の世界観
鑑賞前にAwayの監督だと絵柄を見て直ぐに分りました
前作はバイク乗りの青年が別の世界を旅する内容でしたが、今作はネコを主役にした冒険譚になります
動物の擬人化かと思ったがしっかり各種動物の本能というか仕草などそのまま描かれています
大洪水に巻き込まれた動物たちの行動がネコ、イヌ、サル、バク?らしい仕草や行動で笑ってしまいました
ネコって泳ぎが好きなの?水は怖くないの?と疑問に思ってしまうほど平気で水に潜って泳ぎます
ネコ、イヌ、サル、バク?、水鳥?はデザインは兎も角実在する動物ですが、怪物のようなクジラぎ出てきた段階で結構ファンタジーな感じに変化していき、宗教的な感じも含まれていきます
動物の鳴き声とBGMだけなのは前作と同じです
前作は主人公の夢オチか、死んでいるのかもと思える終わり方でしたので、今作もかと思っていましたがどうなんでしょうね
4匹のキズナは確かなようで良かった
でも、また洪水が来る予感なんだけど
70点ぐらい。ノアの洪水?
96点/☆4.6
ラトビア出身の新鋭ギンツ・ジルバロディス監督が手掛けた、2024年公開のCGアニメーション。
舞台は大洪水によって大陸が水没した世界。黒猫が故郷を小さな船で離れ、旅の途中でさまざまな動物と出会いながら共に生き抜こうとする姿を描く。
セリフは一切なく、聞こえてくるのは動物たちの鳴き声と自然の音だけ。
言葉を超えた仕草や表情を通じて、「生きること」「共存すること」「死と向き合うこと」の意味を静かに問いかけてくる。
CGは決して洗練されてはいないが、水や光の描写は際立って美しく、まるでドキュメンタリーを思わせる臨場感で観る者を物語へと引き込んでいく。
観終えた瞬間、気づけば涙が止まらなかった。
大洪水に沈む世界を、小さな船で旅し続ける黒猫の姿に、胸を強く締めつけられた。
現実に起こりうる光景を見ているような臨場感があり、思わず前のめりになってしまった。
この作品にはセリフも無く説明も無い。
動物たちは人間のように語りかけることもない。ただ鳴き声と仕草で紡がれていく。
その徹底したシンプルさが、ドキュメンタリーのようなリアルを生み、黒猫と動物たちの出会いや別れが胸に響く。
確かに、CGの粗さやモーションのぎこちなさ、人間の存在が示されない世界観など、説明不足と感じる部分はある。
ゲームのムービーシーンのようだ、と言われればその通りだろう。
だが、動物たちの習性を的確に反映した描写、水面のきらめきや光の柔らかさは圧倒的な美しさを放つ。
黒猫を思わず「守ってあげたい」と感じてしまう感覚は、ペットを飼った経験のある人なら共感できるはず。
物語性より説明を重視する人には掴みどころがないかもしれない。
しかし、この作品が投げかける「生きる」「共存」「死」といった普遍的なテーマは、観る人の数だけ異なる感想になるだろう。
感じ方も考え方も異なるからこそ、世界には争いが絶えない。
だが同時に、違いがあるからこそ、出会いや理解はかけがえのない喜びとなる。
隔たりを越えて分かり合えた瞬間の温かさは、もともとは「違う」と思い込んでいたからこそ強く胸に響く。
本作は、人種や民族を超える大きな力を、動物たちを通して思い出させてくれる。
そして観終えたあと、私はただひたすらに、我が家の猫に会いたくてたまらなかった。
うん……で?
お盆休みに機内放送されてたので終盤まで見て、
残りをアマプラで鑑賞。
結論からいうと、映像とかは美麗で良かったし、
動物たちも可愛いしキャラ付けとかハッキリしてて良かったんですが、
ストーリーは無味無臭すぎて「で?」って感じでした。
余韻とかに浸ったりキャラクターの掛け合いを楽しむ映画である事は百も承知なんですが、
だからといってストーリーを厳かにしてたら、
キャラクターへの感情移入を削がれてしまうと思うんです。
なので私はこの映画を楽しむ事ができませんでした。
まず、舞台が「ポストアポカリプス」的な人が滅んだ世界なのかなんなのか分かりませんが、
その割には殆ど文明は残されてるのでそんなに時間が経ってるように見えないし、
主人公の黒猫は出入りに慣れて必ず同じベッドで寝るくらいそれなりの時間住んでるっぽくて、
住んでた住人は猫が大好きっぽいのは分かるんですが、
黒猫と住人の間に「絆があった」って描写が無いんですよ。
なおかつ黒猫が洪水が起きた事で「この家を手放す事に躊躇する」って心情描写も無いので、
主人公に「バックストーリー」が見えないんですよ。
劇中はあれだけ感情豊かなのに。
なので非常にこの主人公に感情移入しづらいです。
あとは途中で仲間になるワシも、
「なんで彼が主人公を助けたのか」明確な理由がないまま群れと対立して、
結果群れを追い出されるという結果に行き着くので、
これまた非常に感情移入しづらいです。
例えば「かつて群れを追われた親友の面影を主人公に見たから」とかくらいあってもいいはずなのに、
ドラマはあってもそこに「背景がない」ので、
「ただ場当たり的に起こった出来事が並んでる」ように見えます。
あと序盤から終盤にかけて出てくる明らかに架空と思しき水性生物。
あれはなんだったんでしょう?
特に主人公を能動的に助けてくれたわけでも主人公が助けたわけでもないのに最後のあの「同情」のシーン。
「かわいそう」以外になんかあのシーンに意味があるとも思えないですし、
架空の生物にする意味もわからなかったです。
そこは普通にクジラとかジンベイザメで良くね?
アイツだけなんで架空の生き物なの?
終盤付近で挟まれるスピリチュアルなシーンとかもアイツが消えてアイツだけ元に戻ったのも意味不明ですし、
何か「明確にアイツとアイツの間に種族以外の差があった」ように見えないです。
で、今までくどくど説明してきた事を一言で表すと、
「つまんない」んですよ!
何かキャラクター達を別の何かに置き換えて比喩する事もできるんでしょうけど、
そういうのは「お話に興味深い出来事があるから」比喩や暗喩の余地があるからであって、
起きる事もキャラクター各々が取る選択も平凡過ぎて考察の余地が無いんですよ。
敢えて言えば「人がいなくなったのはなんで?」ですが、
別に文明も高度に見えないから「移住した」ようには見えないし、
「過去に同じような洪水が起きて滅んだ」なら他の生物も滅ぶか、最後まで浸水しなかったエリアがあって、そこに文明があるならそこの人間は生きてますよね?
スピリチュアルな理由だとしてもあの現象が起こるのは一部の地域っぽいし。
低予算でこれだけの3DCGを作れた事は本当に素晴らしいと思うんですが、
脚本にも同程度の力を入れてほしかったです。
これだけ綺麗な世界作れたのに本当に勿体無い。
なのでこの映画は私個人としては誰かにオススメはできません。
強いて言うなら「映像美だけ見たい」とか、「動物が見れればそれでいい」くらい?
不思議な世界
❇️『カピパラちゃん良い味出してる。🩷』
どういう意味合いがあったのかよくわからなかったけど、ワクワクドキドキで癒されました☺️
水と光が美しい
いかにもフランス🇫🇷的、どういうことかお前らにわかるかね?作品なの...
人がいないことの癒し
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