Flowのレビュー・感想・評価
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私がアホなんだと思うけど
ヤマもオチもないがイミはある‥のか?
よかったですよ。斬新で…
映像と雰囲気はわるくはない
ラトビアの映画なんて劇場で見るのは初めてかもしれない。まあ、らしさ、みたいなものは感じなかったというか、私には分からないが。
『アウェイ』という前作はネットで見たが、昔のミストとかの洋物ゲーム風な映像と雰囲気で、ちょっと観念的な世界観だった。この映画でもそれは同じで、昇天した鳥とか、『幼年期の終わり』か、という印象。人が居ないのは、あの遺跡みたいなところから、皆昇天してしまったからなのか、とそんなことを思った。やたらと知性に溢れた鳥は、遺跡に呼ばれて昇天でもしたのか。そんな描写は無かったが。
擬人化までされてはいないが、動物物の映画に多い、やたらと訓練された賢い動物、という感じではある。監督は猫好きで犬嫌いなのか、犬だけはお頭が悪いというか、それなりの描写だった。
映像はきれいだが、最近のゲームムービーと比較してもさほど優れているということもない。『野生の島のロズ』とかを見てしまった後だと、特段優れているという風にも見えない。
あまりお金がかかっていないとか、独りで作ったとか、数人のメンバーで頑張った、的な映画が時々出てくるが、商業作品として劇場で上映するのだから、見る側としてはそんな作り手の事情に情けをかけてくれる人ばかりでもないだろう。面白ければいいのだけれど。
アカデミー賞を取ってしまったので、ちょっと身構えてしまったところもあった。上振れるか下振れるのか、見終わった後だと、まあ、こんなもんなのかな、という印象。
世界ネコ歩きとかを見ていられる猫好きなら楽しめる映画なのかもしれない。私は猫好きではないので、こんな評価。
水は淡水? 海水? まあどっちでもいいや
手放しで褒められないが
終わった瞬間、悪くないと思ったし好きなシーンもあった。でも、スタッフは50人以下、制作費は350万ユーロ(約5.5億円)という点が無ければ大絶賛にはならなかったと思う。よくこんな低予算で、ここまでのものが、という価値観は映画にとって正しいんだろうか。観ている側が、作っている側にそこまで配慮する必要があるのだろうか。私はないと思っている。映画はその映画の中身だけで良い。
個人的に大群の鹿が駆ける所と、ラストの水面のシーンは良かった。あの振動が消えてしまった瞬間は美しいとさえ感じた。それだけを見に映画館に行っても良いと思う。
猫は水が大嫌いなはずなんだがなぁ。
3月17日(月)
我が愛しのグルミットがトム・クルーズばりのアクションを見せる「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!」や、ドリームワークスの快作「野生の島のロズ」や、評判が良い(未見)ピクサーの「インサイド・ヘッド2」を押しのけてアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したラトビアの「Flow」。
興行側が読み違えたか、小規模公開で小さなスクリーンでしかやっていない。
TOHOシネマズ池袋スクリーン4で「Flow」を。平日昼間でも7割程度の入りだ。
黒猫が大水が出た世界で廃船?に乗り合わせた動物たちと水の上を彷徨う。動物を擬人化せずに言葉を話す事もない。
動物の鳴き声、泣き声、啼き声、哭き声、自然音と音楽のみである。
何故、大水になったのか?そこに居た形跡はあっても登場しない人間はどうなってしまったのか?説明も字幕もない。
監督の5年前の前作「Away」も同様に台詞無しの少年の話しだったらしい。ちょっと観てみたいね。
本作も監督・製作・編集・音楽の一人4役をこなしている。
登場するのが、黒猫と4種類の犬、アフリカのヘビクイワシ、南米のカピバラ、マダガスカルのワオキツネザルと生息地域が違う生き物が乗り合わせているのも意味があるのか。
ヘビクイワシは、黒猫に魚を与えようとして仲間に襲われ羽根を痛め翔べなくなってしまう。
ヘビクイワシはタカビーで上から目線、船の舵取りも自分で行う。カピバラはおおらかで我関せず、ワオキツネザルは自分の好きな物に夢中とキャラ分けもされている。
余談だが、私は動物園で動物を観るのが好きで、レッサーパンダやカピバラを観るのは大好きである。ちなみに私の写真は上野動物園で撮ったハシビロコウ。
映画は、黒猫の視点で描かれるが、犬に追われて全力疾走する時のスピード感、足元に迫り来る水に水没する恐怖感、ワシに捕まって大空から落下する浮遊感と変化を付けて映像が単調にならないようにしている。大木に引っ掛った船からの脱出はヒッチかトム・クルーズか。
本作で素晴らしいのは、鏡、ガラス、水面に映ったリフレクションの緻密な表現である。
それに対して毛並みなどはぬっペリしていて、こだわりが無い。ピクサーなら毛1本1本を緻密に描く所だろう。
オープンソフトで作られたとの事で、そこはこだわる所ではないと言う事か。
ヘビクイワシが天に召されて?水は引き、各々は地上の園に戻る。水の中にいた悠然としていたクジラのような生き物(瞼があるから魚ではない)は地面に横たわっている。
異種に施しをしようとした者は仲間から攻撃され、一緒に彷徨った異種は助け合う。
何の暗喩なのだろうか。
クレジット後の姿に、また水が来たと思うか、別の個体と思うかも含めて、考える映画なのかな。
自分としては、水が嫌いな猫が水中に潜って何匹も魚を穫るのが納得がいかなかったけど。水に落ちた猫は、慌てて必死で船に登ろうとしていた。あれが本当の猫の姿でしょう。
映像のクオリティーがスゴイ
鑑賞後にこの映画について調べてたら「Away」の監督だと知り納得。この作品も本作と同じような作風で、とても美しいアニメだった。
ラトビア出身のジルバロディス監督のインタビュー動画を見たら、流暢な英語を喋っていたので、ラトビア出身だけど英語圏のバックグラウンドもあるのかもしれない。作品が世に出たのも、クオリティーの高さはもちろん、英語で仕事ができる環境があったのかも。
アート指向の作品であり、かつ平日の上映ににも関わらず、客席がほとんど満席だったのに驚いた。口コミか、宣伝か、インフルエンサーの情報発信があったのだろうか。
水の表現を筆頭に、動物たちの動き、自然の描写など非常に美しいシーンの連続。映画を見るというよりアート鑑賞のつもりで見てもいいかも。台詞がないのでストーリーの意味や背景が若干分かりづらい。
映像だけではなく、音楽もこの監督が担当していて、これもかなり良いので、多才な人なのだなと感心した。
とにかく絵の美しさに目を奪われ、「ことば」がない分、想像力が掻き立てられる
オスカーを獲得したラトビアのアニメーション映画には人間のことば(台詞)は一切出てこない、というより、建築物など人間の痕跡はあるものの、人間という生き物が本作には登場しない。
にも関わらず、どうしても人間の社会に思いを馳せずにはいられない。
必ずしも自分の思い通りにならず、運命に流され、飲み込まれながら進んでいく人生。その中で感じる不安、孤独、絶望、友情、連帯、希望……。また、生きていく中で身につけていく知恵。
集団の排他性や弱者に対する横暴さ、独占欲などは個人の問題であると同時に国家の問題でもある。多種多様な民族の共存は現在でも様々な課題を我々に突きつけている。
そして、宗教。キリスト教的な視点ではノアの方舟やバベルの塔、そして、最後の晩餐におけるユダなどの逸話が浮かんでくるし、アミニズム的な神の存在も垣間見えるように思える。あの鳥はどう考えても「火の鳥」的であるし……。
自分のことしか考えない人間や、領土を含めて人のものを勝手に奪おうとする人間は、こんな作品を観て猛省すべきであろう。
綺麗なだけでは物足りない
なかなかに切なさが残ります
自然に住む動物たちと1匹の猫を追う長編アニメーション
セリフはなく、動物たちの鳴き声や生態で状況を把握する
1匹の黒猫にフォーカスして、大洪水にのまれながらも必死必死に生き延びるすがたを、不安と緊張で煽られるも、リアルかつ綺麗な映像で綴られる
それぞれ大洪水を逃れて一艘の船に集結した動物たちが、言葉はなくとも支え合いながら窮地をしのぐ
世界中が洪水に呑み込まれたかのようなシチュエーションに、
何度となくハラハラとさせられる
偶然なのか奇跡なのか、巨大な魚に救われるような場面が何回かあった。
最後洪水が引いてのまれていた自然が戻ると、黒猫を救った巨大魚は打ち上げられたようになってしまい、弱っていくがどうすることもできない黒猫が切なかった
旅猫リポート
台詞もナレーションもないのは「Away」同様なので、違和感はない。かえってずっとニャーニャー言っているので、前作より(猫的には)台詞が多いとも言える。音だけだと今関あきよし監督の「しまねこ」にも近い。
前作にもナゾの構造物が出てきたが、今回も常滑の巨大招き猫みたいな彫像やら、やたら猫のオブジェが乱立しているので、もともと人間がいない猫が文明を築いていた世界かと思ったりもしたが、たぶん違うらしい。
猫のしぐさはかなりリアルにとらえていたけれど、一方ワオキツネザルは擬人化が過ぎる。水の視覚的表現などは凝っているとは思うものの、いかんせん話が皆目面白くない。物語よりも映像表現のダイナミズムに注力したのかもしれないが、残念ながら私は途中でほぼほぼ飽きてきた。
途中で猫が水を口に含むような場面があった気がするのだが、あの洪水は淡水なんだろうか?そう言えば、泳いでいる魚も鯉や金魚っぽかったような。
悪くないけど、 映画じゃなくても良いかな あと気持ちもうちょい短く...
悪くないけど、
映画じゃなくても良いかな
あと気持ちもうちょい短くても良いかな
自然とか動きとかは綺麗に描かれていたけど、
動物の表面の質感がなんとも言えないのは、
わざとなの?
それと、セリフがない映画は、
それ明記してくれるとありがたい
また言うけど、悪くはない
ストーリーは、ほぼ無いです。
アカデミー長編アニメ映画賞受賞作はなるべく映画館で観るようにしているので、早速鑑賞。
3DCGの出来は素晴らしいです。ディズニーやピクサーなどとは異なる、ヨーロピアンなスタイル。単に綺麗というだけでなく細かい仕草を非常に丁寧に作り込んでおり、日本の3DCGアニメ作品にもぜひ見習ってほしいところです。
一方ストーリーは、主人公の猫が大洪水から逃れるために他の動物たちと共に旅に出るというものですが、セリフがないので、物語を観ているというより動物ドキュメンタリーを観ているような感覚です。動物同士が協力したり、友情のようなものを見せるシーンも出てきますが、それよど強く訴えかけるようなものではありません。自分はアニメ、特に劇場アニメ映画にはしっかりとしたドラマを期待するので、Flowは合いませんでした。
レビューを見ると、絶賛している人もいるので、好みが分かれる映画なんでしょうね。
いろんな意味でクオリティ低い
圧巻の映像表現
映像表現がとてつもない。多用される長回しや、猫と同じ低い視点でのカメラワーク、あえて加えられている手ブレによって臨場感が醸し出されている。水の表現もすごく巧みで、波打つときの光の屈折がすごくリアル。
世界観は思っていたよりファンタジー色が強かった。洪水の規模も半端じゃないし、鯨のような架空の生き物も登場して驚いた。特にヘビクイワシが謎の光に消えていくシーンが印象的。
主人公の黒猫が、大きな猫の像の上から水没した森を見渡し、そこで謎の巨大な生き物の神々しい姿を目にするまでのシークエンスが凄まじくて鳥肌が立った。
動物たちの知能もかなり高く、言葉はなくても感情が分かりやすく読み取れる表現になっていた。この点に関しては、自然の摂理をありのままに描くことを期待していた身としては少し肩透かしを食らった気分だが、捕食者-被食者の関係にある種の動物は登場しなかったので納得はできた。
にゃんこ終末旅行
人類が絶滅したのか動物しか出てこず、更には水に呑まれた世界を黒猫が旅をする。
本作の動物たちは言葉を発さず、彼ら同士でも意思の疎通は取れていない。
動きもかなりリアル寄りではあるが、やりすぎでないアニメ的表現でそれとなく伝わる。
リアリティラインのバランスがとても好み。
…と思ってたのだけど、中盤に鳥が操舵しだす辺りからこれが崩れだして少々残念。
ある程度やらないと話を展開しにくいのかもしれないけど、個人的には最後まで貫いてほしかった。
映像としては、光の表現が素晴らしい。
水は時折硬さを感じることもあったものの、水面の描写に関しては目を瞠るものがあった。
動物たちは毛の一本一本という方向ではないが、陰影が細かく、ワンカットの黒猫一匹に何色使われてたのやら…
動きも適度に愛らしく、黒猫の耳やゴールデンレトリバーの口元が特にお気に入り。
犬種による鳴き声や身体の大きさによる足音など、音の表現も細かかった。
話としては小舟で漂いながら、水に落ちたり壁にぶつかったり、仲間が増えたり喧嘩したりするだけ。
お気に入りを尽く奪われるキツネザルが可哀想。
死生観とかはありそうだけど、そこまでは読み取れず。
終盤の無重力描写は、鳥が召されて黒猫も危うかったってことかな?
水が急に引いたり、鹿の大群がそのまま残ってたり、設定面では疑問が残るが、映像体験としてはなかなか。
世界観は想像が膨らむと取るか説明不足と取るか…
咥えた瞬間魚が動かなくなるなど、後半にいくほど息切れも見えた。
好みの問題もあるが、やはりリアリティライン高めのまま60分程度で纏めた方が光りそう。
水もそのままでよかったかなぁ。
ラトビアのアニメ映画 一匹の黒猫の目線で、初めから終わりまで描かれ...
ラトビアのアニメ映画
一匹の黒猫の目線で、初めから終わりまで描かれた動画。
現れるのは、猫さん一匹と、他の様々な動物のみ。
人間の面影は皆無、言葉も皆無。
建物や、かつて使われたであろう部屋や道具類があるぐらい。
世界中が洪水で沈みはじめ。
猫らしく、最初は孤高だったものが
他の様々な動物と、追いかけられたり、助けられたり、
仲間意識が芽生えたり、警戒したり、去られたり etc.
生き延びてゆくための逞しさ、圧巻。
ふだんの私的な悩みが、小さく安っぽく見えてきました。
誰(どの生物)に寄り添うかで、見える物事がまるで違う印象です。
再び観にいかねば。
あとでパンフ冊子を読んで驚いたこと、
OSS(オープンソースソフト)の動画ソフトですべてつくられたとか。
お金をかければ良いってものではないですね。
(以上、初回鑑賞 2025.03.17 シネプレックス幸手)
(以下、追記 : 2回め鑑賞 2025.06.10 109シネマズプレミアム新宿)
109シネマズプレミアム新宿さん
音楽的な映画 "ではない" 作品めあてでの来訪は、今回が初めてした。
オスカー受賞作の特集企画で。
音の良さ・精緻さが、思った以上で、ただ驚嘆。
まるで本当に森や船上にいるかのような聞こえ方。
音の出始め-抜け方-残響、すごいの一言。
例えがあっているかどうか、郷里の田舎の山奥で、実際にこういう木々のガサガサ音、池や沼のボチャン音がしていたよう…とでもいうか。
匂いや空気 (風,温度,湿度) だけは、さすがに無しでしたが。
違いがそれしか浮かばないぐらい、没入感がすごい鑑賞体験になりました。
二度めだからこそ再確認できたこと、
同行者への親切、猫さんだけでなく、犬さん鳥さんらも、尊く神々しく見えてきました。
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