「とても良いものを観た」Flow hkr21さんの映画レビュー(感想・評価)
とても良いものを観た
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「抱きしめたい、この名前もない猫を⋯。」
ずーっとそんな気持ちで見守っておりました。
人間がいなくなったポスト・アポカリプスの世界。
ポスト・アポカリプスとは、文明が死に絶えた後の世界を描くものらしく、
その不思議な世界にどんどん吸い込まれていきました。
その世界の中の森で暮らす1匹のダークグレーの猫が、
洪水と水位上昇によって、水一面になった世界を旅する物語。
猫は旅の中でラブラドール・レトリバー、カピバラ、ワオキツネザル、ヘビクイワシ、謎のクジラなど様々な動物と出会いながら、
流されながら、知恵をつけ、仲間という感覚を知っていくようである。
擬人化されていない動物たちにセリフはないが、感情や個性はあるようで⋯
鳴き声と表情と動きだけで、受け手にいろいろ想像をさせてくれる余白があるところも面白く、
今まで出会ったことのない作品で、絵も構成も荘厳な音楽も、素晴らしく、
特にヘビクイワシが天に昇る比喩的なシーンが美しく脳裏に焼き付いて離れません。
本当にとても良いものに出会えて、ありがとうという気分で映画館を後にしました。
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