「観る側の精神性が問われる」Flow misaさんの映画レビュー(感想・評価)
観る側の精神性が問われる
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セリフがないせいか一瞬も目が離せず、ただ食い入るように観ました。観る人によっていろいろな解釈がありそうな意味深なストーリーでした。
それぞれの動物の特性がよく捉えられていて笑えるシーンもあります。物欲にとらわれる猿。目先の獲物にしか興味がない単細胞で強欲な犬。仲間思いのカピバラ。臆病だが状況をよく観察していて学習力の高い猫。頭が良く精神性の高い鳥。
最も高尚な魂を持った鳥は天国に召されていきました。
最後のシーンは見る人により解釈が異なると思いますが、私は次のように理解しました。ラスト付近で再びカモシカの群れが何かから逃げるように走っていくのは、再び洪水がやってくることを示唆している。ラストシーンで猫たちが足元の水をのぞき込むのも世界が再び水の中に沈んでしまうことの暗喩。エンドテロップ後に、陸に揚げられていたはずの鯨が悠々と泳ぐのは、世界が再び水没してしまったことを示しているのでしょう。その海にはもう陸地は見えませんでした。救いのない悲しい物語です。
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