Flowのレビュー・感想・評価
全5件を表示
映像を楽しむ。猫を楽しむ。珍しい旅の仲間。
試写会で観る機会を得られました。
会場も立派な試写室で環境は申し分なくありがたかったです。
人類が滅びた後と思しき世界で動物だけが生活している。
視点人物は黒猫。
ある日突然押し寄せた洪水で世界がどんどん水没していく中、どんどん移動を続けていく。
移動中に仲間ができ、種族を超えた交流が…
という感じのお話で、ストーリーをどうこういうタイプの作品では無し。
美麗なCGによる自然描写と、主役の猫を中心とした愛らしい動物達の姿を楽しみましょう。
猫仕草をちゃんと表現しているのは猫好きにはポイントが高いでしょう。
なのですが、猫が歩くときにゲームでありがちがテンプレ足跡がずっとしていて「猫がそんなに足音立てて歩くかい!」と鑑賞中ずっと気になっていました。それもあり映画というよりはアンプレイアブルなゲーム映像を観ている気分でした。IMAXであったり高画質大画面な環境で楽しむのが良いと思います。
ちなみにCGの質感はリアリスティック一本槍ではなくて、ある程度階調を落としたトゥーンぽさのある処理がされていました。
まさかカピバラに強く心を揺さぶられる日が来るとは思いもしませんでした
ご縁があって試写会に招待いただきました。
人類がいなくなった後の世界を主人公の黒猫が冒険をする物語。旅の過程で様々な動物たちと出会って、別れて……。
動物たちしかいない世界のお話ですので、当然セリフはありません。『ロボット・ドリームズ』を思い起こす設定ですが、擬人化された動物ではなく、より生身の動物に近い設定で、多少のデフォルメこそありますが、動物たちは動物たちとして生きています。
各動物たちはCGのモデリングやテクスチャーはやや粗いものがあります。背景の描きこみや水や光の表現に比べると質感の差がはっきりとあり、一昔前のゲーム機のような印象も感じるものですが、それぞれのキャラクターの動きや感情表現などが高いクオリティで表現されているため、全く気になるものではありません。
好奇心旺盛な猫、馬鹿なのか利口なのかわからない犬、少し抜けてるキツネザル、自らの判断に絶対で孤高な鳥、そして何よりおっとりしてるようで慈悲深く存在感のあるカピバラ!!
彼らが人間のいない終わりゆく世界を旅する過程で、それぞれの役割をこなしていき、小さな共同体を作っていく過程で一人一人?が愛おしくなって感じられるのです。
前作『Away』は監督お一人で、本作もアニメ映画としては極めて低予算で作られていると聞いています。かつてアマチュアCGコンテストで新海誠さんの作品を見た時に感じた可能性-コンピュータの発展で作り手の情熱と才能があれば、素晴らしい映像作品を個人でも作れるということーの延長線上にこの作品があるのだと思い、とても感動しています。
「float」でなくて「flow 」つまり「浮く」ではなく「流れ」
2024年12月19日 17時30分より19時00分
ローマボルゲーゼ公園内の「Cinema dei Piccoli」で鑑賞。
地球温暖化とノアの方舟をだいたい思い起こすだろう。
さて、それは絶対にサブな事で、別な所に演出家の本当の主旨が隠れていると思う。日本に帰ってから日比谷で見よう。
導入部と方舟が登場してから、内容が180度変わる。
AWAYの作家なのだろうね。
ニャー
これぞアニメーション
洪水に呑まれた世界を、流れて来たボートに乗りその場を離れた一匹の黒猫。やがてそのボートに、犬、カピバラといったほかの動物たちが乗り合わせ…
旧約聖書の「ノアの方舟」を彷彿させるシンプルなストーリー展開もさることながら、動物たちが一切喋らないのが特徴。一匹一匹の動きがとにかくリアルで、全く違和感を感じさせない。
「いい事言ってやったぜ」的セリフが多い日本アニメに辟易していた中で、『ロボット・ドリームズ』同様、言葉に頼らずに観る者の感情を揺さぶる、これぞアニメーション。
全5件を表示