I Like Movies アイ・ライク・ムービーズのレビュー・感想・評価
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彼は今ごろどんな大人になっているのだろうか
まるで10代の頃の自分だと本作を見ながら溜息と苦笑で顔が歪んだ。映画ファンに限らず、きっと全ての人の中に多かれ少なかれ彼は存在する。この一見、オーソドックスでありながら、00年代初頭の映画をめぐる風景(特にビデオショップ内の)をノスタルジーたっぷりに活写したカナダ産の佳作は、まるでジャック・ブラックの少年版のような身勝手極まりない主人公がやがて一歩踏み出していく姿が静かな共感を呼ぶ。彼が抱く生きにくさ。自分は才能に満ちているという根拠なき自信。家族も友人もみんな下に見てしまうサイテーな孤独。そこで唐突に立ち現れる歳も性別も異なる店長が、掛け替えのない関係性をもたらしてくれるのも物語として、構成として気が利いている(少年と同様、私の中にこの店長も確かに存在するのだ)。傑作とは言わないが、人生を振り返る時に開くアルバムの、いちばん人には見せられない部分のような、甘酸っぱく胸に沁みる一作である。
映画好きなら涙すること必至のマグノリア
「おい おい 友達失くすぞ!」と突っ込みを入れたくなる映画監督志望...
バイトリーダーさんがちょっと可哀想💧
夫は自死…息子は発達障害(?)な自己中オタク
1番やりたい仕事にもつけなかった母親を抱きしめ労ってあげたい
あんな💧息子に振り回されても振り回されても
どんな態度であろうがキチンと愛情を注いでいる姿に頭が下がるばかりでした
大学に入学し身近に居なくなった息子を変わらず愛想いながら暮らして行く彼女自身のこれからの幸せを願わずにいられません
バイト先の店長アラナもローレンスと接する中で
共に前に進めた事…頭を多少傾げながらも
もしかしたら良き流れだったと思えるし
彼が振りまいた微妙にイタい行動や言動が
アラナの踏み出しへのきっかけになったのかもしれません
そしてローレンス!大学デビューはまずまずの様かな?
君が少し大人になった時
ママに映画以上…いや同じ位でも構わないから惜しみなく愛を降り注いで欲しいな
君の健闘を祈ります!
原因はあれど 何度劇中でこの小僧しばいたろかと思うような こじらせ...
ジョン・ウォーターズではなくトッド・ソロンズだった
「I Love ペッカー」のようなポスタービジュアルなので、
ジョン・ウォーターズへのオマージュでもあるのかと思ったら、
トッド・ソロンズだった。
本作は、数々の名作映画のタイトルが散りばめられた、
一見すると映画オマージュ作品のように映る。
しかし、過去の傑作を模倣するのではなく、
むしろ「大きな物語」そのものを拒否するかのような独特な構造を持っている。
主人公ローレンスは、映画を愛し、
映画の中に理想を見出す。
映画の中に答えを求めようとするローレンスにとって、
毎日の出来事は決して些細なものではない、
彼の成長は、壮大な物語ではなく、
日々の小さな選択と経験の積み重ねによって形作られていく。
それは、私たちが生きていく上で誰もが経験する、
普遍的なテーマとも言えるだろう。
いつのまにか、
ok、ok、ローレンス、
聞け、集中して聞け、
キュウリだ、トマトだ、
映画の話しは明日でもいい、
座れ、そこに座れ、
そのまま、
そのまま、
アラナ(アラナ・ハイム?)が言ってただろ、
そのままでいい、
って自分の心の中でつぶやいていた。
自分勝手さが生々しい
映画にだけは間違いなく誠実な主人公
そんなん言っちゃいかんよ
最後は…
やりたいことを頑張ろうと思える映画
ローレンスよ、無理もないぞ
劇場鑑賞候補に入れていなかったばかりか、正直なところ目に入っていなかった本作。毎週聴いているラジオ番組で課題作品に選ばれたのをきっかけで確認をし、公開2週目に遅ればせながらの参戦です。サービスデイのシネマカリテ、10時からの回は結構な客入り。
まずは前置きとして、題名からも判る通り主人公であるローレンスは筋金入りの「映画オタク」。そのため、全般を通して映画ネタが散りばめられていたり、また日本では馴染みが薄い『サタデー・ナイト・ライブ』に関する話がちょいちょい出てきたりしますが、理解できなくても鑑賞上は大きなネックになりません。無論知っていれば笑えたとしてもそれ自体は話の筋に影響は小さく、むしろその「世界線」にいるローレンスとの距離感を感じるための要素の意味合いが大きいかと思われます。
大学進学が目前に迫るシニアイヤー、ローレンスは理想と現実のギャップに翻弄され、更に悪循環で孤立していく状況にもがき苦しみます。子供じみて自己中心な言動が目立つローレンスですが、彼に理解を示して歩み寄ろうとする人がいても、反ってそれに甘えてしまい事態は悪化の一途。それでも、大人たちは自己を抑え「役割」に徹して付き合いますが、そんなこと理解できない彼はそれを「親身さ」とはき違えて…。思い通りにいかない事ばかりの後半はローレンスにとってまさに「試練」ですが、それがあってこその終盤の展開はじんわりと優しく、最後のシーンは「ローレンスの今後」に明るい未来を願ってやまずにいられません。
ローレンスを演じるアイザイア・レティネンや、ローレンスの母・テリを演じるクリスタ・ブリッジスなど、日本から見たら有名ではない俳優ばかりですが、皆さん味があって素敵です。とりわけ、アラナ役のロミーナ・ドゥーゴは必見。丁寧さを意識しつつも隠し切れないうんざりした感じや、時よりついて出る「バッド・ランゲージ使い」に本性が出たり、チャームさ全開で微笑ましい。(ローレンスよ、無理もないぞ)
ここで観逃したら配信されても気づけなかった可能性が高い本作、知れて良かったです。堪能しました。
ある程度年齢層を上に絞るのが難しいか
今年2本目(合計1,544本目/今月(2025年1月度)2本目)。
続けて(25分差)こちらです。
ここでは「レンタルDVD店」と「カセットテープ」が両方出てきますが(予告編参照)、映画内でもどちらかに絞れる(DVDかビデオテープ、どちらか明確に出てましたっけ?)ような描写はなし。まぁ、どちらにせよ、今現在(2024~2025)ではそうしたお店に行くこともまぁ激減したし、映画内でいう「(返却期間を過ぎたことによる)遅延料金がどうこう」というのもまぁ懐かしいお話です(今ではオンラインレンタルが普通なので、48時間なりすれば勝手に消えるので、返却するという概念自体が存在しない)。
そのレンタルDVD(orレンタルビデオ店)がテーマに、一人の(日本でいうところの)高校生を描く作品で、作品としても色々共感できるとことはあるところ(他の方の感想など参照。よって、この映画は「レンタルでDVDなりを借りたことがある」ことが一つの共感ファクターになるので、リアルで見る方をある程度上側に絞ってきそう)、このようにレンタル店がテーマであるので日本ではおよそ存在しなくなったこれらのお店をほぼ舞台であるため(一部例外ありだが、主人公が通う学校と自宅、そして舞台となるバイト先以外は大半出てこない)、ある程度リアルでそうした経験がないと共感が得にくいのかな、といったところです。ただ、作内で触れられている作品(この作品を見たことがないのはもぐりだ、などといわれるシーン等)は今でも有名な作品なので、「映画内で参照される映画(現在基準からみれば、古典作品ともいいうる映画」については配慮があるし、ある程度映画が好きで映画館などに行っていれば細かいところは知らなくてもわかるのかなというところです。
作品としても良かったし、一方でこの作品はその性質上、レンタルDVD(ビデオテープ)店といった古い文化を参照するのでこれらの知識が前提で、その前提ではノスタルジーを感じるところもあってよかったです。
なお、舞台となるカナダと、ここ日本では、レンタルの制度が多少違うようですが、ある程度は類推してみることができるし、「レンタルの制度そのもの」がストーリー上関係してくるわけでもないので、採点上考慮していません。
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