「【”映画は僕の全てだった。けれどそれ以外にも大事な事が沢山ある事を知ったんだ。”今作は、性格にやや難ある愛すべき映画少年が、バイトや学校生活の中で徐々に成長するコミカル物語である。】」I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”映画は僕の全てだった。けれどそれ以外にも大事な事が沢山ある事を知ったんだ。”今作は、性格にやや難ある愛すべき映画少年が、バイトや学校生活の中で徐々に成長するコミカル物語である。】
ー 序盤のローレンス(アイザイア・レティネン)は、同じく映画好きのマットとつるんで、映画を観たり映画を撮ったりしている。
彼は4年前に父親を首吊り自殺で亡くした事が原因なのか、どこか情緒不安定で我儘で、傲慢だ。だが、今作での彼は観ていて何故か愛らしい青年に見えるのである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ローレンスはマットに何気なく、”君とは映画愛のレベルが違うよね。”みたいなことを平気で言ってしまうし、高額な学費のNYU(ニューヨーク大学)に進学するためにレンタルビデオ屋でバイトを始めるが、夜中の二時でも母親に迎えに来て貰う事が当然と考えている、ちょっと世間知らずで傲慢な高校生である。
・又、レンタルビデオ店の店主アラナ(ロミーナ・ドゥーゴ)から指示された仕事は何となくこなすが、遅刻は多いしナカナカ問題児でもある。
・映画の知識は凄く、キューブリックが好きみたいである。TVで「フルメタルジャケット」を見ながら、微笑みデブが鬼軍曹から叩きのめされているシーンを観て笑っているが、彼はその後、自分も同じような目に遭って行くのである。
・彼は自分の言動が元で、マットに愛想を尽かされ映画作りはストップする。更にはバイト先で勝手に夜中に寝てしまい、セキュリティシステムを掛けろと言われていたのに、正面玄関から朝、帰ってしまい泥棒に入られ、レンタルビデオ店に損害を与え、アラナを傷つけてしまうのである。
流石にローレンスもしょげ返る。そして、NYU(ニューヨーク大学)の不合格通知が来て、彼は更にどん底に落ちるのである。ちょっと可哀想。
・けれども、彼はダイナーで独り昼食を摂っていると、アラナがやって来る。彼女は店で話してくれた女優時代の悲惨な経験を乗り越えて、もう一度演技を勉強するために安定したレンタルビデオ店を辞めると、彼に微笑んで告げるのである。
それを聞いたローレンスは、マットが映画プロデューサー志望の女の子と作った映画を観て”良かったよ。”と言い、仲違いを解消し、頭をサッパリと母親に刈って貰い、カナダの大学に進学するのである。
そして、大学の寮で、初めて会った同級生達の会話に自分から入って行くのである。
<今作は、性格にやや難ある愛すべき映画少年が、バイトや学校生活の中で徐々に成長する物語なのである。
<2025年2月9日 刈谷日劇にて観賞>