「長塚京三さんだからこそ。」敵 外村さんの映画レビュー(感想・評価)
長塚京三さんだからこそ。
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一歩間違えたらイライラする主人公像が、
表面が知的、紳士的でありながらみっともない、俗的、けどどこか人間味があり憎めない魅力的な
キャラクターになっている。
長塚京三さんの演技が変わらず素晴らしく魅力的で
感動してしまった。
あれだけ、みっともない姿はみせたけど
そんな中で後半の夢のような世界で亡くなった奥さんを追って『行こうよ!フランス』と、叶えられなかったことを叫ぶシーンは胸に来た。
どんなに若い女性に夢想しても奥さんが
忘れられないしコートを抱きしめてるシーンも
なんともせつない気持ちになった、
更に主人公の一番最後の台詞もよかった。
あの一言は涙がでそうになるね、自分も死ぬ時は
意識が遠のく中で『皆に会いたいな』と
親しい人を思い呟くんだろうか。と
しかしながら後半は筒井先生ワールド全開なので
好き嫌いわかれる表現は満載。
私は好きですが、あの世界観は教授の自己嫌悪や後悔が見せた夢、精神世界だったのかな。
まだ、教授の魂は生前の後悔と思い出の中で終わらない時間を過ごしているんだろうか。
良い映画体験でした。
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