シンペイ 歌こそすべて

劇場公開日:

解説・あらすじ

明治に生まれ、大正・昭和を生き、「ゴンドラの唄」「東京音頭」「シャボン玉」「てるてる坊主」など、童謡、歌謡曲、音頭、民謡などさまざまなジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平の生涯を描いた伝記ドラマ。

信州から上京し、東京音楽学校(現・東京藝術大学音楽学部)に入学した中山晋平。ピアノの習得が卒業レベルではないため、落第・留年の危機に陥るが、教師の幸田先生に演奏以外の才能を見いだされ、どうにか卒業する。やがて演出家・島村抱月から「芸術は大衆の支持を離れてはならない」という教えを受けた晋平は、作曲家として「カチューシャの歌」「船頭小唄」といった流行歌から、「シャボン玉」「てるてる坊主」といった童謡まで、さまざまなジャンルの曲を手がけるようになる。自分の音楽を理解してくれる敏子とも結婚し、二人の養子を迎えて幸せに暮らす晋平だったが……。

本作が映画初出演、初主演となる歌舞伎俳優の中村橋之助が18歳から65歳までの中山晋平を演じるほか、志田未来、渡辺大、染谷俊之、三浦貴大らが顔をそろえる。監督は「ハチ公物語」の神山征二郎。

2024年製作/127分/G/日本
配給:シネメディア
劇場公開日:2025年1月10日

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(C)「シンペイ」製作委員会 2024

映画レビュー

5.0一見の価値ある音楽ドキュメンタリー

2025年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 面白い流行の映画を望む人には不向きだと思います。音楽なら童謡・唱歌でも愛せる人は一見の価値があるかもしれません。私は専門家ではありませんが、音楽史の一端を解説して頂いた、そんな映画だったと思います。
「カチューシャの唄」に関する「ララ」挿入のエピソードは、(勝手に紹介させていただきますが)YouTubeで活躍されている音楽評論家の「みの氏」が著作された「にほんのうた 音楽と楽器と芸能にまつわる邦楽通史」にも「囃子詞にヒントを得たもの」と解説されていて、無論、それも更なる専門家の方から習得した知識かも知れません。そうした現代の私達からすれば何気ないことが、一つ一つ重要な資産となる技巧なのだと知ると、どんな小さな小唄でも興味深く聞こえてきます。
 その他、「しゃぼん玉」に込められた意味、「東京音頭」の誕生エピソードなど、これもまた興味をそそる物語ではあるけれど、事実ベースのドキュメンタリーなので、やはり面白おかしい映画というわけには行かないでしょう。ましてや、ロックやポップスといった華やかな音楽と同列に並べることは出来ないかも知れません。でもそれらの先進の音楽にも小さなこだわりがあるのかも知れないと思うと、音楽好きとして触れておいて良かった音楽史であったと思う次第です。
 あと、大正の時代を描く上でシンペイ氏がプカプカと遠慮なく喫煙されていたのは良い描き方だったと思います。当時ならタバコ片手が当たり前。今時、「ルパン三世」の次元や「紅の豚」のポルコ・ロッソが吸い殻をポイ捨てするシーンが描かれていて眉をひそめる人が居るそうですが、私はそうした仕草もその時代らしいとは思うのは、もともと喫煙者だったので抵抗がないだけなのか。コンプライアンスというんでしょうか、今時は画面にタバコを映さないのが当たり前になりつつあり、観ていて抵抗の在る人も多いかも知れません。
 そしてやっぱり、童謡の世界も良いですね。シンペイ氏の関わった唄ではないけれど、例えば、春から冬へ順にザッと上げれば「花」「早春賦」「春の小川」「鯉のぼり」「富士山」「茶摘み」「我は海の子」「夏は来ぬ」「夏の思い出」「みかんの花咲く丘」「からす」「赤とんぼ」「ゆうやけこやけ」「紅葉」「ちいさい秋」「里の秋」、あれ?冬の唄が出てこないな。暗記してて自分がすぐ歌える歌はこれぐらいでしょうか。今時のポップスは歌詞が多くて、とても覚えられないけど、童謡・唱歌は歌いやすくて覚えやすい。今時の音楽プレイヤーがなくても何時でも口ずさんで楽しめる。だからこそ、こうした小さな音楽もまた、素晴らしい芸術資産であると私は想います。

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猿田猿太郎

3.5落ち着いて観る伝記映画

2025年2月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

昭和史に興味があったので、学びが多かったです。
朝ドラの「エール」や、大河ドラマの「春の波涛」を思い出しつつ観ました。

二世俳優が本当にたくさん出演していて、もうこれ二世祭りじゃないでしょうか。
親世代を知っている者としては、
「あっ、百恵ちゃんの息子と三田寛子ちゃんの息子が芝居してる〜」なんて思ったり。
朝ドラエールでもそうでしたが、三浦貴大は、熱血漢の演技が超一品だと思います。

映画そのものの感想とは違うけれど残念だったのは、後ろの席に座った老夫婦がずっと喋っててうるさかった。場内空いていたので、本当はいけないのでしょうが席を2つずらさせていただきました。お爺さんお婆さんには懐かしい話なのはわかるけと、家じゃないんだよ。

追記
映画見終わった後でネット調べしたら、佐藤千夜子は朝ドラヒロインモデルになっていて、その時の中山晋平役が津川雅彦だそうです。
だから真由子が演じたのですね。

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agemaki

5.0音楽映画というにふわさしい作品

2025年2月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

がんばって早起きして観に行って良かった〜

おそらく小学校の音楽の本で目にしたことはあったのかも知れませんが、
若い頃は、歌詞のほうばかりに目がいって、
作曲家というお仕事をあまり認識しておりませんでした。
でも、“雨降りお月”や“シャボン玉”、“カチューシャの唄”など、
知っている曲がたくさんあり、
こちらの作品で、その作曲“中山晋平”を知ることができて良かったです。
また、“雨降りお月”は、亡き母との思い出のひとつでもあり、
小さく口ずさんでしまいながら、思い出がリンクしウルっとしてしまいました。
そういう歌と思い出の関係性、大切さを思いました。

そして、音楽映画だけあって、シンペイさんの曲はもちろんなのですが、
その他の音楽も本当にとても良かったです。
松島須磨子と鼻にシリコン云々のくだりや、神社での逢瀬のシーンとか、
なんだかシリアスとコミカルが混じったような音楽が、
その場の空気の微妙な感じを上手く表現されていて、
他のシーンでもそうだったのですが、
こちらの感情をそのシーンの中に、スルッと持っていてくれました。

また、演者のみなさんも、違和感なく、全てにおいてバランスよく、
シンペイさんへと周りの人たちへのリスペクトを感じる、愛のある良い作品でした。

シンペイさんは、良い妻に恵まれましたね。
志田未来さんの敏子さんも、中越典子さんの喜代三さんもカッコよかったです。

こういう シンプルで心に染みる日本の映画が、もっと観たいです。

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hkr21

3.5子どもの心を育む歌

2025年1月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

母親が亡くなる辺りまでは、悩む姿や努力する姿に共感して、成功にワクワクした。
その後は、出来事が表面的に捉えられているようで、主人公の思いがあまり掴めなかったけど、歌は、子どもの心を育む大切なものなのだということは感じられた。

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由由