「ドキュメンタリーの可能性」ボウリング・フォー・コロンバイン 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーの可能性
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体当たりドキュメンタリーといえば、どうしても「ゆきゆきて神軍」と比較してしまいますし、ドキュメンタリーの方向性からも両極端の二つであるように思えます。
すなわち神軍は良くも悪くも素人的、裏返せば荒削りな分だけ作り物ではないリアリティ、迫力に勝ります。一方コロンバインは話の展開やカメラワークも極めて映画的で勘どころを押さえた映画作法が際立っています。もちろん神軍は奥崎謙三という稀代の変人が主役を張っているアドバンテージはありますがエキセントリック過ぎてメッセージが入って来づらい。コロンバインはその逆、ヘストン君も予想通りカメラから逃げてしまうので迫力には欠けますが、逃げられた代わりにムーア君のメッセージはひしひしと迫ってきます。個人的には題名のコロンバイン事件より6歳児の射殺事件の方が身につまされます。神軍を見たときは所詮ドキュメンタリーはドキュメンタリーの枠は超えられないと感じましたが、コロンバインを観てドキュメンタリーも作り方によってはドラマ映画に匹敵する可能性があることを理解しました。
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