ネタバレ! クリックして本文を読む
これまた、日本で公開されるかわからない地味な作品ですが、バスケットボールとビデオゲームが生き甲斐の19歳、アイザイア・ライトの成長物語、しかも全米ランキングに2週連続ランクイン、IMDbの評価も7.5とまずまず、特に他に観たい作品がなかったのでウチから片道1時間半もかかる映画館で観ました。
どこかで観たことのあるモチーフだと思ったら、2015年に公開された「祈りのちから」のスピンオフでしたか!あの妻役のプリシラ・シャイラーが、今回はダメ息子に手を焼く母親役でした。全然老けてなくて、ちょっと歳の離れたしっかりもののお姉さん風ですw
高校を卒業して1年、アイザイアはまだ仕事も計画もなく、どうすれば男になれるのかもわからなく、シングルマザーのお母さんと対立し、最後通牒を突きつけられます。友人からの引力と母親からの後押しを感じながら、アイザイアはムーア・フィットネスに雇われるが、オーナーが彼の人生に個人的にどのような影響を与えるのか見当もつかない。 母親の祈りと新しい指導者からの思いがけない導きによって、アイザイアは自分の過去と向き合い、利己主義を犠牲にし、神が彼の人生にどのような大きな目的を持っておられるかを発見することを余儀なくされる…という海外サイトの紹介文の翻訳を一応載せておきます。
前日にベストキッド1〜3まで通しで観たので、まるで令和版のベストキッドと言いたいところですが、ダニエルさん以上に凛々しく成長します(ネタバレ?)。最初は経営者との面談でもキャップを後ろ前にかぶってだらしなく座ってるアイザイアがどうカッコよく成長するか、色々な方に観ていただきたい作品でした。
色々炎上ネタの多いひろゆきさんが、自身のYouTubeライブで「宗教を知っていた方が(or信じていた方が)幸せになる確率が高い」的なことを言っていて、仏教高校卒、カトリック系大学中退の私も大いに賛同しています。
日本が平和なのは無意識的であれ、神道や仏教に影響を受けている精神性、「お陰様で」「バチがあたる」「お天道様は見てる」…など、宗教的価値観に基づいた、他を敬う思想が日本文化の根幹ではないかと思いました。
カナダはどんどん移民が増えて、地元民でさえも、いい大学を出ても、いい仕事が見つからない状況で、つい先日も私が職場で1番お手本にしていた、優秀で尊敬できる同僚が転職がうまくいかずに中国へ帰国したのですが、彼が職場を離れたら、一気に職場の怠け者が目につき、仕事へのモチベが下がってしまいました。
そのくらい、「自分さえ良ければいい」人間の巣窟、他者への配慮もない、協力的でもない、休憩でもないのにスマホいじって、我先に賄いを確保して、遅刻しても謝らず、時間前にやりかけの仕事も放り出して帰宅する同僚たちと働くのは、なかなかキツイものがありました。
海外はそんなものかとも思ってましたが、この作品を観たら、国は関係なさそうです。私はシェアハウスで一緒に住む、全く掃除に協力してくれない日本人より、よほどお世話になった元ホストファミリーや元同僚の中国人の方が信頼できます。確かに中国人たちは現実的な方々でしたけどね。
時代は変わりつつあり、○○はこうあるべき的な考えを持つべきではないのでしょうが、少なくとも正しさの基準はいつの時代も変わらないものかなと思います。
ちなみにForge とは「鍛冶場」とか「工場」という意味がありますが、動詞としては「少しずつ前進する」「努力して関係を構築する」という意味も含まれます。エンディングロールではまさに鍛冶場で刀を叩いている映像が流れましたが、人も熱さや痛みに耐えながら、強くて逞しい存在になるんだなぁと、しみじみ思います。
ゲーム三昧のお子さんたちにご苦労なさってる、全ての親御さん、先生方に届いてほしい作品でした。